共有地の悲劇 コモンズの悲劇
「共有地」とは、みんなでいっしょに共有している土地のこと。今で言えば、例えば公園。昔で言えば、入会地(いりあいち:集落の人みんなで使う山や海)だね。
その、みんなで使っている土地から得られる資源(果物、山菜、材木とかね)を、土地を共有している人たちが、限度を守ってそれぞれ適度に利用している場合には、問題はない。
が、誰かがこっそり「自分一人くらいいいよな」とよけいに資源を使いはじめたらヤバイ。やがて、その”ぬけがけ行為”が「だってあの人もやっているし」と共有者みんなに広がってしまったら
、その使いすぎ量が一人一人ではわずかなものであっても全体としては大きな使いすぎ量になってしまい、しまいには共有資源が使いつくされておじゃんになってしまう。
みんなの小さないけない行為の積み重ね(「見えざる手の行い」と言われる)が、深刻な不利益になって、みんなにかえってくる。
さて、この責任はいったい誰にあるのか。
結局「みんなが悪い」、誰にも責任が問えないような状態になってしまう。
・みんなが勝手にこっそり山の木を切り出してしまったら(ハゲ山になったのは誰のせい)
・みんなが空き缶ポイ捨てをしていたら(町中ゴミだらけ)
・みんなが排水を川に直接流していたら(魚が死ぬのは誰のせい)
・みんなが車のエンジンをかけっぱなしにしていたら(大気汚染は世界に広がる)
・みんながクーラーをかけていたら(街の気温がもっと上がってよけい暑くなる)
・みんなが違法駐車をしていたら(大阪の二重三重駐車ってすごかったよね!)
・みんなが万引きをしていたら(商品が値上がりする!お店がつぶれる!)
・みんながネットで悪い行為をしていたら(ネットが検閲されてつまらない場所になる!)
・・・かといって、「みんながやっている」のに、率先して自分一人がイイコになっても自分一人が損をするだけのような気がして、ついつい悪い行為がやめられなくなっていたりね。困ったね。
生活排水による海や川の汚染、車による大気汚染、地下水の枯渇、地球温暖化など、資源や環境・生物保護の問題で「共有地の悲劇(コモンズの悲劇)」はよく取り上げられる。
『人間の自然認知特性とコモンズの悲劇 動物行動学から見た環境教育』 小林 朋道 (2007/3)
『自然はだれのものか 「コモンズの悲劇」を超えて』 (講座 人間と環境) 福井 勝義、田中 耕司、 秋道 智弥 (1999/1)
反共有地の悲劇
「反共有地の悲劇
アンチコモンズの悲劇」
(tragedy of anticommons / The Tragedy of the Anticommons)
「反共有地の悲劇」とは、「共有地の悲劇」の逆のような形で起きる悲劇。
共有されるべき大事な資源なのに、それぞれの持ち主が”ほかの人には自由に使わせない”権利を持っているせいで、使われる機会が減ってしまうのだ。「使いたければこれだけ払え!」をみんながやりすぎると、使える人がいなくなる。例えば、癌の特効薬に100の企業が特許料をバンバン上乗せしたら、そんな高額な薬を購入できる人はごくわずかな超お金持ちだけになってしまい、ほかの患者が救われない上に、そもそもの特許料の収入までほとんどなくなってしまう。みんなのせいで、みんなが救われなくなってしまう、宝の持ち腐れ的な悲劇。
例

2006/10
『反共有地の悲劇/アンチコモンズの悲劇』
「共有地の悲劇」では、共有財産の使いすぎ、過剰利用が問題になり、
「反共有地の悲劇」では、共有財産の持ち腐れ、過少利用という問題になる。

記事
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2009/03 【日本語記事】Science
技術革新には特許より市場が有効?
For Innovation, Are Markets Better Than Patents?
イングランド南西部のコーンウォール州で、19世紀に蒸気技術が飛躍的に進歩したわけを見てみよう
最初の正解者だけが賞を独占するゲームより、さまざまな答にほうびを与えるゲームの方が、どんどんいろんな正解を導き出してくれる
2009/03 PhysOrg
Economists say copyright and patent laws are killing innovation; hurting economy
経済学者は、言う ― 著作権と特許法が、革新をはばみ経済を損なうのだ
信頼性と競争的利他主義は共有地の悲劇も解消できる
2004/07
Evolution and Human Behavior Volume 25, Issue 4, Pages 209-276
Trustworthiness and competitive altruism can also solve the 'tragedy of the commons'
共有地の悲劇の名付け親の悲劇 ハーディン夫妻訃報
2003/09
U.S.
Newswire CAPS Grieves Deaths of Ecologist and Author Garrett Hardin and His
Wife, Population Activist Jane Hardin
共有地の悲劇を回避するコツ
2002/01 Yahoo! News Concern with Reputation Helps Motivate Fair Play
進化:評判が「共有資源の悲劇」の解決を助ける
2002/01
Nature
415, 424 - 426 Reputation helps solve the 'tragedy of the commons'
