進化の知識・視点からの人間行動の研究。
1980年代から出てきた学問分野。当初は「社会生物学」と称された流れが発展。
心も進化の過程で形成されてきたという立場から人間の心理とその構造由来を考察する。
人類学、進化学、心理学、精神医学、認知科学、脳・神経科学、進化倫理学、ミーム学、ゲーム理論そのほかを巻き込んだ学際領野。
ヒトという種が、物を見たり、聞いたり、考えたりするやり方には、ある種のクセ(種としての人類の行動性質の枠:人間行動)がある。この枠が「進化の過程でどのように形成されてきたのか」「この行動はどのような条件で生じ変化しうるのか」を研究しようとする学際分野。
・なぜ人類には一夫一婦制が多いのか
・なぜ男の犯罪率が高いのか
・なぜ一般に女性のほうが言語能力が高いのか
・なぜ新生児には先天的な自動反応が見られるのか
・人類の社会的能力はどのように進化してきたのか
・精神疾患の社会的進化的適応性はどのようなものか
…などなど、文化差を超えて共通する種としての人類の性質を云々する。いきおい、広範囲の学問知識が必要とされる。
実証的データ無しにいいかげんな解釈や表現で「これこれの性質があるのはかくかくの進化的理由があるからだ」とおもしろオカシク述べ立てる一般向けエセ進化心理学本が出回っているおかげで、 解釈ごっこ・こじつけごっこ の分野だと評されることもある。
専門家でもその解釈の偏見に気づかないまま研究や発表をしてしまっているケースもあり、政治・社会問題混じりのややこしい論争に発展しやすい。
自然主義の誤謬
どの文化圏にも必ず見られる人類普遍の思考や行動。たとえば、正義、刑罰、子供の保護、病弱者の看護など。また、旅、バランス、トランスフォーメーション(変形)などのメタファーや、物語における登場人物などのアーキタイプ(元型)も、ヒューマン・ユニバーサルの例である。(p.16)
共通して存在し、変化しにくい普遍の思考や感情はヒューマン・ユニバーサルと呼ばれるが、それは何に由来するのだろうか。その一部は、人類共通の神経生物学的構造に由来していると考えられる。また、異なる文化においても人間が直面する問題には共通したものが多いということにも由来すると言われる。たとえば、どのように家庭を築くか、何のために日々努力をするかなどといった問題や課題は、どこに住んでいようともだれもが共通して抱えている。(p.169-170)
〜ジェラルド・ザルトマン著
「心脳マーケティング 顧客の無意識を解き明かす」
「人間行動生態学」と「進化心理学」はよく似た研究分野。
進化心理学: 人間の心理メカニズムの進化的由来や適応に関する研究。
人間行動生態学: 人間の行動を生存率や繁殖成功度(適応度 関数)からさぐる。
進化生物学の観点からの人間の行動に関する研究。
人間のいろいろな行動(心理・社会・経済など)に関して、心理学、人類学、経済学などの諸科学を通して総合的に研究していく。
関連項目:
動物行動学
遺伝ですべてが決まる?
寄生生物
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進化心理学から教育のコツを考える
2009/06 PhysOrg
MU Study Finds Connection Between Evolution, Classroom Learning
進化とクラスルーム学習
2009/06
Evolutionary Psychology Volume 30, Issue 4
Social exchange and solidarity: in-group love or out-group hate?
社会交換と団結:内集団への愛あるいは外集団に対する憎しみ?
Toshio Yamagishi, Nobuhiro Mifune 三船恒裕(北海道大学)・山岸俊男(北海道大学)
Sex differences in response to coalitional threat
結託の脅威に応じた性差
Daphne Blunt Bugental, David A. Beaulieu
The evolution of costly displays, cooperation and religion: credibility enhancing displays and their implications for cultural evolution
コストのかさむディスプレイ、協力と信仰の進化:信憑性強化と文化進化のヒント
Joseph Henrich
The evolution of conformist social learning can cause population collapse in realistically variable environments
遵奉者社会の学習の進化は、現実的に可変の環境で人口崩壊を引き起こすことができる
Hal Whitehead, Peter J. Richerson
Cultural transmission of ethnobotanical knowledge and skills: an empirical analysis from an Amerindian society
民族植物学的情報やスキルの文化的伝播:アメリカ原住民社会からの経験的分析
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On the relationship between interindividual cultural transmission and population-level cultural diversity: a case study of weaving in Iranian tribal populations
個人間の文化的な伝達と人口-レベル文化的な多様性との関係に関して:ケーススタディ ― イランの種族の人口で織る
Jamshid J. Tehrani, Mark Collard

The Caveman Mystique: Pop-Darwinism and the Debates Over Sex, Violence, and Science
●穴居人の秘法:性、暴力と科学をめぐるディベートとポップ・ダーウィニズム
Martha McCaughey (著)
Routledge; New edition版 (2007/10/16)
書籍情報と書評:アマゾン
日 米 英.
進化社会科学とその大衆化を分析する
2009/06
Evolutionary Psychology Volume 30, Issue 4
Analyzing evolutionary social science and its popularizations:
2009/06 【日本語記事】日経ビジネスオンライン:
「進化政治学」で選挙が見える 森川友義・早稲田大
ヒトはこの先の環境について思い悩むように進化してきた
2009/05 EurekAlert
Research suggests we are genetically programmed to care about climate change
異常気象について気にかけるよう遺伝的にプログラムされている人類
社会的行動に関する計算論的アプローチ
2009/05 Science
The Computation of Social Behavior
「不正確な判断」が有益な時:「浮気」と認知バイアス論
2009/05 【日本語記事】ワイアードビジョン
垂直方向の距離は長めに見積もられ、歩く男性は自分に向かってくるところだと知覚されやすい。
これらの例は、ある種の「認知バイアス」が、進化上で選択されてきたことを意味する。
ベジタリアンならともかく? マキャベリ的社会性脳仮説
社交性と脳サイズは肉食獣では相関性が薄め
2009/05 EurekAlert
Smart and social?
賢こさと社会性
背の高さと高収入
2009/05 PhysOrg
Study finds tall people at top of wages ladder
内因性のアタッチメント行動に結びつけられる音楽性の神経生物学?
2009/05 EurekAlert
The neurobiology of musicality related to the intrinsic attachment behavior?
ヒト進化と社交活動における音楽の神経学的基盤
ペアボンディングや子育てを含む社会・感情・行動に関わる「arginine vasopressin receptor 1A (AVPR1A) 」遺伝子と、音楽の才能の相関
2009/05 EurekAlert
Warriors do not always get the girl
戦士たるもの、必ずしも女をゲットできるわけではない
南米の一部の部族では、攻撃的な、復讐心に燃えた男の行動は、より多くの児童や妻を手に入れることで有利だと見做される
しかし、エクアドルのWaorani族においては、そのかぎりではないらしい
より攻撃的な戦士は、非戦闘的な男より低い繁殖成功度を持つ
2009/05 Nature
Making war not love
Fiercest warriors in Amazon tribe left fewer descendants.
2009/05 Evolutionary Psychology Evolution, psychology, and a conflict theory of culture【
PDF】
進化、心理学と文化の闘争理論
by MacDonald, K.
2009/05 Evolutionary Psychology Altruism and reproductive limitations 【
PDF】
利他行動と生殖の限界
by Fitzgerald, C.J., and Colarelli, S.M.
2009/05 Dienekes' Anthropology Blog
Gender differences in reproductive success (Brown et al. 2009)
1. greater mating variance in men than women;
2. greater reproductive variance in men than women;
3. correlation between mating and reproductive success.
男におけるより大きい交尾バリエーション ― 女性より;
男におけるより大きい生殖の変化 ― 女性より;
交尾と繁殖成功度との間で相互関係。
Trends in Ecology & Evolution doi:10.1016/j.tree.2009.02.005
Bateman's principles and human sex roles
Gillian R. Brown et al.
2009/04 Evolutionary Psychology【
PDF】
Age variation in mating strategies and mate preferences: beliefs versus reality
交尾戦略と配偶者好みにおける年齢バリエーション:現実対信念
by Bleske-Rechek, A., VandenHeuvel, B., and Vander Wyst, M.
2009/04 Evolutionary Psychology【
PDF】
Dual sexual strategy in females - Is the mysterious nature of women explained?
女における二重の性的戦略−女性のミステリアスな自然は、説明されるか?
by Pawlowski, B.

The Evolutionary Biology of Human Female Sexuality
●ヒト女性セクシャリティの進化生物学
Randy Thornhill (著), Steven W. Gangestad (著)
ランディ・ソーンヒル、スティーブンW. Gangestad
Oxford Univ Pr (Txt) (2008/9/25)
書籍情報と書評:アマゾン
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