LEVEL 5「大国主神の国造り」

大国主神が出雲の御大ミホの岬に坐した時、波頭をつたって天の羅摩カガミの船に乗り、雁の皮を丸剥ぎにした着物を身につけた,とてもとても小さな神が近づいてきた。大国主神が名前を尋ねてみたが、その神は答えない。そこで、大国主神は自分に従う諸々の神に問いただしてみたが、皆「知りませぬ。」ということだった。その光景を見たヒキガエルが「久延毘古クエビコならきっと知っているでしょう。」と申し上げたので、大国主神は早速その久延毘古を呼んで尋ねてみた。

大国主神:「この方の名は何とおっしゃるのか?」
久延毘古:「この方はですねぇ…ええと神産巣日神カミムスヒノカミの御子,
      
少名毘古那神スクナビコナノカミですよ。」

そこで、大国主神は
高天原の神産巣日神にその旨を伝えるべく、天上に少名毘古那神を連れていった。

神産巣日神:「おおっ、これは本当に我が子である!
       子の中で、私の手の指の間からくぐり抜けていった子だ。
       その子を見つけるとは、どうやら貴方とは縁があるようだ。
       故に,少名毘古那よ、そなた葦原色許男命
アシハラノシコオノミコト
       と兄弟となって、国を造り固めるのじゃ。」

それで、この時から大国主神と少名毘古那神の二柱の神は、一緒に国を造り固めたのだった。しかし、後に少名毘古那神は単身
常世国トコヨノクニへ渡ってしまった。ところで、この少名毘古那神の名を皆に教えた久延毘古だが、その正体は今にいう山の田の案山子なのだ。この神は、足で歩きはしないけれども、天の下に起こりうる全てのことを知っているのだ。

さて、相棒の少名毘古神が常世国に渡ってしまったので、大国主神は途方に暮れてしまっていた。

大国主神:「はぁ…私ひとりで、どうして素晴らしい国を造ることが
      できよう? どの神が、私と一緒になって、良き国造りを
      してくれるのか……。」

大国主神がこのようにつぶやいた時、海面をきらきらと光り輝かせて
近づいてくる神がいた。

▲▽▲▽:「ほっほっ。私をよく祭るなら、私がそなたと一緒になって
      国造りを完成させようではないか。もしそうしなければ、
      完成するのは難しいぞ。」
大国主神:「それならば、あなたの御魂をお祭りする方法は、どのように
      すれば良いでしょう?」
▲▽▲▽:「私を、大和を青い垣根のように取り巻く,
      東の山の上に祭りなされ。」

これが御諸山の上に鎮座されている神である。

天の羅摩カガミの船

羅摩はガガイモの古名。実が細長く、半分に割ると船に似た形となる。

 

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