格闘技観戦記


99年2月20日(土) THE BIG PICTURE!・MADISON SQUARE GARDEN

(SECTION/BOX 222 ROW C SEAT 13)

     

 ニューヨークに来たならばぜひともスポーツ観戦をしたい。そう思っていたところ、街並みのいたるところにボクシング世界タイトル戦の試合告知ポスターが貼ってあった。会場はあのマジソン・スクエア・ガーデン。これは観るっきゃない。ということで19日、つたない英語で前売りを購入。50$・100$・200$と種類があるようで、100$のチケットを購入した。
 20日、7時OPENとのことなので、少し早めの6時にマジソン・スクエア・ガーデンへ。まさかアメリカを代表するこの会場でボクシングを観戦できるなんて夢にも思いませんでしたよ。会場入り口ではパンフレットやTシャツを売っていた。パンフレット5$とTシャツ18$を購入した。あたりを見回すとプエルトリコの旗を持った人がやたら目に付く。今回のメインイベントに出場する無敗のIBFウエルター級チャンピオンTRINIDADという選手がプエルトリコの選手らしい。会場前の入り口でプエルトリコの旗を持った人々が記念撮影をしている。皆さん非常に陽気だ。
 6時30分過ぎ開場。席は会場案内図を観たらだいたいわかった。エスカレーターで上の方へ行き76ゲートを通り抜けると目の前にTVで観たことのあるマジソン・スクエア・ガーデンの光景が。構造は横浜アリーナとほぼ同じ。会場の大きさも同じくらいかな。ただね、そこはやっぱり娯楽の殿堂、風格が漂っている。
 6時40分頃前座の試合が始まった。7時開始といってもアメリカではその前から試合をしてしまうのだろうか?それもプログラムに書かれた通りの順序ではない。まだ前座なので人もまばら。しかしもう熱を入れて観戦している人もいた。いまから熱くなってたらメインまで持たないんじゃないかと思ってしまう。
 マジソン・スクエア・ガーデンでは野球場のように食べ物や飲み物を売りにくる。「タコース!」だの「ソーダ!」だの非常に活気のある売り子の声がアメリカっぽい。なかにはワタ飴をバカみたいに棒に引っかけて売り歩いている人もいた。私も何か買うかと売店でピザとコーラを購入。コーラはLサイズにしたらびっくりするほど大きなコーラが出てきた。とてもじゃないけど飲みつくせなかった。
 試合はKOの連続。ほとんどの試合がニューヨーク出身者とその他の場所出身といった対決。観客はニューヨーク出身の選手に声援を送り、もう一方にはブーイング。非常にはっきりしている。声援やブーイングは凄い。日本人の比ではない。さすがアメリカだと痛感した。
 それにしても試合と試合の感覚が長い。平気で15分くらい間隔があく。実はこの日、オフブロードウエーの「STOMP」というステージを10時30分から観るつもりだった。7時開始で10時には終わるのではと思っていたのは大きな過ちだった。
 9時過ぎ、なんと「SPECIAL WOMAN'S ATTRACTION」と題した女子ボクシングが行われた。女子のボクシングは初めて観る。この試合もニューヨーク出身者とニュージャージー出身者という試合。観客も物珍しいのかみんな試合に注目していた。ニュージャージー出身のボクサーが反則っぽいことをすると大ブーイング。本場のブーイングは凄い。この試合は判定でニューヨーク出身のボクサーが勝利。
 しばらくすると会場になんとあのマジック・ジョンソンが現れた。大歓声!あの大スーパースターと同じ空間の空気が吸えるなんて感動だ。他にも有名人が何人か招待されていたみたいだ。この興行はドン・キングがプロモートしているので、その人脈絡みで招待されているのだろう。
 そしてプエルトリコの歌とアメリカ国家の斉唱。「ニューヨークのためにアメリカ国家を斉唱します」みたいなことをリングアナが言ってたが、この言い方がカッコイイよな。日本でも国歌斉唱の際「東京のために・・・」とか「埼玉県草加市のために・・・」なんて言えばいいのに・・・かっこわるいか。国家斉唱には有名らしい歌手が来て歌っていた。本場アメリカでアメリカ国家斉唱を聞く。ひじょーに感動的だ。身震いした。アメリカに来てこのシーンに遭遇できて本当によかった。
 何試合かやって11時過ぎ本日のメインイベントIBF世界ウエルター級選手権試合、チャンピオン Felix "Tito" TRINIDAD vs 挑戦者Pernell "Sweet Pea" WHITAKER。メイン開始頃には席もだいぶ埋まってきた。チャンピオンが入場すると会場全体異常な盛り上がり。この盛り上がりは絶対日本にはない。ボルテージの高まりが圧倒的に凄い。アメリカの人たちは知らない観客ともすぐうち解けるようだ。みんな一体になって応援していた。日本でも有名なリングアナが選手を紹介する際、独特の名調子をみんな真似する。みんな心の底からボクシングを楽しんでいるようだ。
 そしてゴング!もう異常。言葉で語り尽くせない盛り上がり。1ラウンドで挑戦者がダウン。発狂するプエルトリコの人々。マジソン・スクエア・ガーデンがブッ壊れるかと思った。これは早いうちにTRINIDADのKO勝ちか?と思っていたがWHITAKERも粘る。私の左横にいる黒人のおっさんはWHITAKERファンらしくご満悦のようだった。何度かWHITAKERがスリップダウンするが、プエルトリコの人々は「ダウンだろー」と大ブーイング。泣かんばかりに抗議している人もいた。そこまで感情移入できるなんて・・・。場内は大大大"Tito"コール。時折"Sweet Pea"コールもおこる。その度に左隣のおっさんはご満悦のご様子。結局試合は判定でTRINIDADの勝ち!時計を観ると深夜12時近かった。
 アメリカはやはり凄い。今度アメリカに来たらぜひともプロレスも観たい。