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「泣きのバラード」思いつくまま

  • Nelsonが40年近く色々聞いてきた中で、「泣きのバラード」の決定版と思えるものを、思いつくままにリストします。(抜け落ちは御愛敬)
  • 「泣きの、、、」というのですから、You Don't Know What Love Is/ Sonny Rollins、I'm A Fool To Want You/ Art Farmer、You And The Night And The Music/ Hampton Hawes等の薫り高い名演とは異なります。優れた芸術表現と言うよりは、直截な感情表現で、時に「そこまでやるのぉ」という過激で、興奮気味のアドリブを伴うものです。人によっては「下品だ」と顔を背けるかもしれませんが、気持ちが通じる人にとっては「そうなんだよ、アンタの言うとおりなんだ」と共感を生みます。
  • 別の言い方をすると、普通の名演だと「感興俄に湧き起こり、次から次へと聞き狂う」となります。ところが、「泣きの、、、」を掛けてしまうと、次のレコードをかけかえに立つ気力が萎えてしまう場合があります。この手のものの別格官幣大社として、Love Supreme/ John Coltraneがありますが、これは人生をも踏み誤らせる、というか、別の人生に目覚める劇薬と言うこともありえるので、ちょっと敬遠しました(^^;)。
  1. The Inflated Tears/ Roland Kirk (ATLANTIC 90045)におけるThe Inflated Tears (Rahsan Roland Kirk)
    筆頭は、やはりこれですかねぇ。何を言っても軽薄にしか聞こえないのだけど、、、兎に角、この重さは凄くて、長い歴史を引きずったすべてのアフロ・アメリカンの情念の総体が圧倒的に、聞くものにのしかかってきます。
  2. Left Alone/ Mal Waldron (BETHLEHEM MP2150)におけるThe Cat Walk (Mal Waldron)
    標題曲が話題になることが多いですが、Nelsonは未だこの盤を所有していなかった頃から、このThe Cat Walkがジャズ喫茶でかかるたびに、この深い感情表現は何なんだろうか、と深く心に刻みこみました。
  3. Notes From Big Sur/ Charles Lloyd (ECM1465)におけるRequiem(Charles Lloyd)
    Charles Lloydによる、言ってみれば彼なりのLove Supremeです。浮遊感、というのでしょうか、虚脱感を伴いつつ深く染み込んできます。
  4. Mingus/ Charles Mingus (CANDID TKCB70031)におけるStormy Weather (Charles Mingus、Eric Dolphy他)
    最初にこれを聞いた時、これは正にヴォーカルじゃないの、と思いました。それ程にこのEric Dolphyの表現は自由です。Mingusのベースも泣いているのか、この人のことだからイカっているのか、兎に角ブットイ。
  5. Steve Grossman Quartet (DREYFUS FDM36602)におけるInner circle (Steve Grossman、Michel Petrucciani)
    この名曲を、Steve Grossmanがしみじみと語り尽くしてくれます。
  6. Swing, Swang, Swingin'/ Jackie McLean (Blue Note TOCJ-9013)におけるLet's Face the Music And Dance (Jackie McLean)
    歌詞からすれば、それほどネガティヴなものではない筈だし、他の人の演奏はこんなではないのに、この独特の「泣き」は忘れることが出来ません。
  7. At the Blue Note,III/ Keith Jarrett (ECM1577)におけるAutumn Leaves (Keith Jarrett、Gary Peacock、Jack DeJohnette)
    Jarrettはじめ、3人ともが思う存分に「泣き」のフレーズを繰り広げる。ドラムも泣く、というのを知ってましたか。
  8. Blues For the Fisherman/ Milcho Leviev Quartet (MOLE CDMOLE 1)におけるSad, A Little Bit (Art Pepper、Milcho Leviev)
    Art Pepperがリーダーの演奏と思ってください。その「泣き」が凄い、と思っていたら、Levievがそれに輪をかけて狂いまくる。
  9. Conference de Presse, L'Integrale/ Eddy LOUISS、Michel PETRUCCIANl (Dreyfus VACR 2019/ 2020)におけるLes Grolets (Eddy LOUISS、Michel PETRUCCIANl)
    この曲の隅々までを、ピアノとオルガンでさらい尽くして、本調子で「泣く」好演です。
  10. Woe Is Me/ Johnny Griffin( JAZZ HOUR JHR73559)におけるHush-a-bye (Johnny Griffin、Michael Weiss)
    持ち歌Hush-a-byeの、結構新らし目の録音で、何度も録音している過去のヴァージョンをはるかに凌駕するスケールのでかさに脱帽。
  11. Idle Moments/ Grant Green (BLUE NOTE CDP84154)におけるIdle Moments (Grant Green, Bobby Hutcherson)
    演歌、と言うと怒られるだろうが、このギターのGrant Greenとヴァイヴのボビハチの「泣き」振りは希有の演奏です。
  12. There Was A Time - Echo of Harlem/ Eddie Harris(Enja 6068)におけるHistoria De un Amor(Eddie Harris, Kenny Barron)
    Atlanticに結構盤が有り、訪欧してSteeple Chase等で活躍したHarrisが、Enjaにいれた一味違う演奏。このラテンの名曲を正に「泣き」尽くしている。やはり、Barronがいてこその踏ん張りか。
  13. People Time/ Stan Getz (GITANES JAZZ 314510823)におけるFirst Song (Stan Getz, Kenny Barron)
    確かCharlie Hadenが愛妻のために作った曲を、Stan Getzが死の直前にライヴで演奏したもの。この頃のGetzは身体的にボロボロだったにもかかわらず、ファンのために重い体に鞭打って最高の演奏を聞かせようと、この曲を取り上げ、正に「絶唱」を聞かせた。
  14. 1987年頃の東京のジャズ喫茶におけるHello (古野 光昭、板橋文夫他)
    日本人も入れなきゃ、と考えると先ずこれが思い浮かびました。Lionell Richieの名曲をこの時期、頻りに取り上げたが、確かにこの人にとって特別の意味があるのだろう事が伝わる熱演が聞けました。CDでは、GRAND SLAM/HOT SESSION(DENON 32CY2100)で聞けます。古野さんに本多俊之、板橋文夫が加わったライヴの録音も持っていますが、ここにMP3かなにかで載せようとしたらファイルがデカくなり過ぎて残念(^^;)

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