Blue Note Labelの初録音
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Blue Note Labelが如何にして夜明けを迎えたか、というお話です。右の盤の解説から読み取った所は以下の通りです
John Hammond's Legendary "From Spirituals to Swing" Concert
- 1938年の年末に大興行師John Hammondが、"From Spirituals to Swing"という、ジャズの歴史を再現するコンサートを主催しました。ジャズ、ブルースそしてゴスペルの変遷、相互関係を浮き彫りにしようという試みです。このコンサートに、ブギウギ・ピアノの巨人、 Albert AmmonsとMeade Lux Lewisの二人がシカゴから呼び寄せられて、フィーチュァされていました。後に著名なジャズレーベルであるBlue Noteを興すドイツ移民のAlfred Lionも、元来ジャズが好きだったのでこのコンサートを聴きに来ていました。16歳の時にベルリンで聞いたコンサートでジャズが好きになったAlfred Lionは、ニューヨークに来て既に29歳となっており、すっかりジャズファンになっていたのです。とりわけ二人の演奏に感激したAlfred Lionは、録音スタジオを借りて、この二人の演奏を記録に残す努力をしました。
貸しスタジオで
- Alfred Lionは、あのコンサート以来、Cafe Society等のクラブに出る等、ニューヨ−クに滞在していた二人を、何とか貸しスタジオに連れ込みます。好物の飲み物やおつまみを用意して、二人が寛げるように気配りもしました。当日は19テイクが録音できましたが、その内12テイクまでを同レーベルの最初の商品として売り出すことになりました。その内容はAlbert AmmonsとMeade Lux Lewisのブギウギ・ピアノで、短いものは3分20秒、長いものは5分20秒の録音です。このうち、当時としてはテイクの時間が長いものも決してダレルどころか、素晴らしい魅力に満ちていましたが、なんせ当時のSPにはそのままでは入りません。しかし内容が良いので、Alfred Lionとしては切るに忍びず、その当時はクラシック音楽にしか使われなかった12インチのSP長尺盤のフォーマットに載せて、苦心の末発売したものであるようです。「5分なんて、短いじゃん」というのは、今の感覚でのことであり、当時は普通はもっと短く、従ってそれを皮肉って「ジャズなんてものは、3分間芸術だよ」と言われたのです。この二人の芸術的なピアノの躍動を伝えるには、当時の感覚での「たっぷりとした」時間が必要であり、Blue Noteは創設当初から、他とは違っていたようです。また、右掲の盤には19テイク目は入っておらず、インレイには「時間の関係で割愛したが、将来のMeade Lux Lewisの盤には入れたい」と注記してあります。
「自分自身が聞きたいジャズ」
- Alfred Lionは、こうしてBlue Noteのスタートを切ったわけですが、それがその後歴史が示すような大きな芸術運動に繋がるとまでの予感は、当然ながら、無かったようです。この録音の日、彼の気持ちは、このように美しく、際立った演奏を、兎に角世に広く聞いてもらうために記録に残したい、その一心だけであったと思われます。でもこの時に、彼にはスタジオでの録音をうまく盛り上げていく才覚があることが、証明されたようです。直ぐに幼馴染のFrank Wolffが仲間に加わり、それからも「自分自身が聞きたいジャズ」を録音し続け、世間もそれを心待ちにする、ということになって行ったのです。
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