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可愛い女とタフなおんな --Nina SimoneのFour Women「4人のオンナ」
  • Nina SimoneのFour Womenを「コレ好っきゃねん」に入れるので聴きかえしていたら、この人の凄さを少しメモしてみようという気になりました。
    Nina Simoneその人
  • 本名Eunice WaymonとしてNorth Carolina州で生まれたNina Simoneは、知人の支援でジュリアードを出たピアニストです。初めはピアノ教師をしながら、Atlantic Cityのオーディションで弾き語りの仕事をもらって、この芸名を使い始めました。この名は、仏の名女優シモーヌ・シニョレにあやかったもののようです。Bethlehemからデビュー盤を出してヒットさせた後、ColpixやPhillips、そしてRCAに移って多くのファンをかちえるとともに、黒っぽめの弾き語りの第一人者としての評価を確立しました。モンクが「バップの高僧」と呼ばれるのに対して、彼女は「ソウルの尼僧」と呼ばれ、右掲の右の盤のタイトルもそうなっています。日本にも浅川マキという歌手さんがいますが、少し通じる面があると思っています。ある時期から米国を捨てて、欧州及びアフリカに住居を移しています。私的には恋多き女性であったと聞きます。非常に多感な面があって、公演直前に、交通事故にあった犬を見て、とても歌えずにドタキャンしたとか、逸話は多いようです。
    可愛い女
  • 彼女の代表作ともいえる「Black Is the Color of My True Love's Hair」、「Lilac Wine」等々では、実に愛くるしい声で、主として恋に落ちた女をテーマに、可憐に唄うスタイルが評判になりました。こういう曲の時には、ピアノ自体も綺麗なシングルトーンを主体に、可愛い女を描くということに徹しておリ、真にすばらしい弾き語りになっています。
    タフなおんな
  • 可愛い女の流れと並行して、Nina Simoneの曲には「Trouble in Mind」、「Work Song」などの一群のガッツに満ちた曲があり、そこでは少し声にドスを効かせ、野太く声を張り上げるシャウト・スタイルのヴォーカルを聞かせます。こういう時には、ピアノもブロックコードを交えたり、鍵盤タッチも強くしているようであり、弾き語り全体として、へこたれない、逞しい女を表現するのに成功しています。大抵の場合、テンポも速めになり、スィング感も伴いますが、そのスィングする感じは軽快ではなく、むしろ意識的に重さを求めているようであり、それがまた、他の人にはない魅力となっています。特に「いや、色々困った事はあるけどさぁ、何とかなるよ」という「Trouble in Mind」での歌唱は代表的でしょう
    Four Womenでは
  • そしてNelsonがFour Womenを推す理由の一つが、このような彼女の特質を、この曲では全て発揮するようにアレンジされている事です。冒頭から途中までは可愛いオンナ路線といえますし、最後の怨念も含んだ、暴力的とさえいえる締めでは、タフなおんな路線といえます。そしてそれらが巧く組み合わされていて、ドラマチックに展開していき、圧倒的とさえ言える程、彼女の本領が発揮されている弾き語りの演奏といえるのではないでしょうか。

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