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「大手拓次なジャズ」探し
  • 久しぶりに書棚から大手拓次詩集を取り出し読んでいて、ウーン、そう言やぁこういうジャズはあったかなぁと考え込んだ、というお話です。
    大手拓次
  • 大手拓次は、正に孤立峰で、ちょっと形容に困る詩を書いた人です。群馬県出身で、白秋三羽烏の一人と言われた人です。幻想的、かつ官能的な象徴詩を多く書き、代表作は「藍色の蟇(ひき)」「蛇の花嫁」でしょうか。のびていく不具、肉色の薔薇、くちなし色の車、笛をふく墓鬼、みどりの狂人、といった標題をあげれば、大体どういう詩を書く人か見当が付かれるでしょう。古典もしっかり読み込んだようで、詩で一番大切な言葉選びが図抜けて精妙です。というか、破裂音等を巧く避けている上、マ行、ナ行、ラ行そしてワ行の使い方が絶妙です。極度に内向的で、含羞癖があり、生涯独身を通しました。余り名を挙げた人ではありませんし、まぁ、こういう詩がポピュラーになる社会と言うのも考えにくいのですが、それでも根強いファンは居り、ネット上でも結構多くの関連サイトがあります。(関心のある方はGoogleで調べてください。詩自体もネットで読めますが、近代詩関係の出版社から大手拓次詩集なんてのが出ているので、立ち読みも出来ます。)Nelsonは、友人が呉れた「たとう」入りの上製本のものを大事にしており、時々めくります。今や神田の古書店でも品薄な人です。
    大手拓次なジャズ
  • それで、本題です。ウーン、と唸りますねぇ。リズミカルではなく、大きな音もせず、内に秘めた情念の抑制された吐露、しかも音選びも精妙で、といったジャズはあるのでしょうか。そういう雰囲気だ、大手拓次な気分だね、という演奏の他に、大手拓次詩集を読んでいるときにバックで流しても合うジャズ、という探し方もあるでしょう。
    Lonely Woman
  • この名曲、Lonely Woman(哀しい女)の演奏は、自作自演のOrnette Colemanか、あるいはMJQでしょうが、まずこれはかなり合いそうです。ECMのJan Garbarekの演奏にも合いそうなのがあるかな、という気がします。サックス類は難しそうで、トランペットではDon EllisのOut of Nowhereなんかを思いつきます。ヴァイブでは、Walt DickersonのTo My Queenか、Bobby HutchersonのHappenings盤にある「処女航海」も合いそうです。そう言えば、Mal Waldron/Jackie McLeanによるLeft aloneも結構似合いかもしれません。そう、Mal WaldronならAll alone盤にあるAll Alone(別名Quiet Temple、沈黙の寺)も、という気がします。
    ピアノ・ソロ
  • と来ると、やはりピアノ・ソロには合うのがありそうです。上記したMal Waldronは、彼自体が暗い情念といった音楽をやる人ですから、ピッタリでしょう。他に、Paul Bley盤、加古隆盤等が思い浮かびます。選びぬいた音を、一つ一つ紡ぎだすという感じで、「靄(もや)のかかった沼辺で、音も立てずに蟇蛙がフーッと妙な煙を噴きだしている」、なんて雰囲気をかもし出せば、ぴったりです。ですからソロと言っても、Oscar Peterson、Art Tatum、Earl HinesといったVirtuosoの方の盤は合いませんし、Keith Jarrettも一寸違う、Marcus Robertsでもないかなぁ、Dollar Brandは骨太すぎるし、というところでしょうか。
    ソロもの
  • やはり、ソロものには合うのがありそうです。ギターで言うと、誰でしょうね。Pat Martinoの有名盤で、Gil Goldsteinのひそやかなエレピのサポートが決まっている、We'll Be together again (32Jazz 32071で復刻)盤は良い曲をしっとりと聞かせるから、気分です。ソロなら、Toots Thielmansか、Lee Oskarのハーモニカもありますネ。
    色々と、、、
  • クダラナイことを考えてばっか居て、と怒られそうですが、そういう日曜日の午後があった、ということですので御勘弁を、、、

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