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2003年6月某日 (3) (Four Women/ Nina Simone)

  • 好きなジャズメンが居て、既に何枚か所蔵もありという場合に、完全ボックス版が出ることがあります。未聴の演奏もあるし、といってもダブリがかなりになるし、猟盤趣味の方は、「さぁ、どうする」と悩むことになります。
    完全版「Four Women」
  • それはさておき、先頃、Nina Simoneさんが亡くなられました。このサイトでは、この方の歌で、誰も良いとは言わないけれど個人的には名唱だと思っている「Four Women」「コレ好っきゃねん」で採り上げています。さらに、可愛い女とタフなおんな --Nina Simoneの「Four Women、(4人のオンナ)」にもメモしました。歌詞も、歌唱もNina Simoneらしさが良く出たヴォーカルです。これだけの人ですから、彼女を偲ぶボックス物の追悼盤が、先日、出ました。そしてそのタイトルが、そのまんま、「Four Women」なのです。内容的には、中期の7枚の作品をCDで4枚にまとめたものです。Nelsonもかなりは持っていますが、持っていない盤も入っています。買おうかどうか、今、悩んでいます。
    彼女の人生を一言で象徴するフレーズ
  • これの発売に当っては、当然、「さて、ボックスのタイトルはどうします ?」ということがあった筈です。色々あった末に、「Four Women」と決まったに違いありません。それぞれの盤にはそれなりのタイトルが付いているんですが、「7枚集めた全体のボックスを、いや、彼女の人生を一言で象徴するフレーズとは何か」と散々議論したうえで、この曲名が選ばれたんだと考えたいです。「そうか、この世の中には、彼女の本質はこの歌にあると理解している制作者が居るんだ。これで、Four Womenを多くの人が再度噛み締めてくれるようになれば、彼女も草葉の陰で喜ぶに違いない。」と、Nelsonは快哉の声を上げました。
    全世界発売の威力
  • このサイトで採り上げたって、あのメモを御覧になった方は、せいぜい百人位でしょう。ジャズの個人サイトなんて、無力なもんです。しかし、今度出た完全ボックス版「Four Women」は、米国企画ですから、全世界的に発売された訳です。彼女の熱心なファンが欧米には多く居ますから、1000セットを超える売れ行きになる筈です。彼女のファンであっても、「Four Women」を見落としていた方も居らっしゃるはずですから、この曲の新たなファンが沢山生まれるに相違ありません。何とも嬉しいお話です
    完全版の出盛りは、、、
  • ところで、完全ボックス版が、この頃色々と出ています。CD時代になって一枚の収録容量が倍化し、「2 in 1」等も出る中で、LPで10枚を超える量の完全版ならば、百科事典ほどになってしまうのが、CDなら文庫本2冊位の大きさで済みます。それもあってのことでしょう、完全版が出しやすい環境になってきています。しかし、これからジャズを聴き始めるのなら兎も角、ある程度の所蔵を既にお持ちであれば、完全版になるほどの記念碑的な演奏であれば、その一部は既に持っている場合が多いわけです。Miles Davisであれば、Gil EvansやJohn Coltraneとの共演が完全版で出ていますし、そのJohn CotraneもPrestige、Atlantic、Impulse期の総集編が出ています。これらは、一枚物で昔出たときから、名盤の誉れが高く、誰もが座右に持っています。「完全」というからには、未発表のトラックがあるわけです。最近出た「Complete Miles Davis in Person, Friday and Saturday Nights at the Blackhawk/ Miles Davis」のように、倍もの量の未発表トラックが入っているとなれば、「即ゲット」となります。しかしそれほどでもない場合は、如何に猟盤家と言えども、「そこまでは手が回らない」と、ためらいがちになります。今、気になっているのが、Sonny Rollinや、Paul DesmondのRCAものです。良い演奏ですから「全部聴きたい気はするけどなぁ」と、箱を手にとって眺めはするものの、棚に戻しているのが現状です。完全版が出盛ること自体は、結構なことですが、まぁ、嬉しい悲鳴ということですか。
  • 、、、ということで、ジャズ親爺といっても、これで結構悩み多い猟盤生活を送っているということです。人に言うと、「オッサン、勝手に悩んでろョ」と馬鹿にされるのがオチですが、、、
    蛇足(温故知新について)
  • 完全ボックス版が出る背景には、過去の名演をしゃぶり尽くしたいというファン層があります。一部で、「いつまでも古いジャズを聞いているのは、おかしい。ジャズは生きているのだから、今演奏されているジャズを、もっと聴くべきだ」という、至極真っ当な御意見もあります。異論はありません。でも、今のジャズは薄味であると思う人が少なくないんでしょうか、復刻物の売れ行きは必ずしも悪くないようです。この辺は、「温故知新」という知恵に、時々立ち戻っても良いような気がします。Nelsonのように新しいものも聴きながら、古いジャズにどうしても回帰してしまう中程度のファンも、少なくなる気配がありません。個人的には、「本線のモダンジャズ」という造語で、新旧を問わずに素晴らしい演奏をもっと聴きたい、という姿勢のつもりです。しかし、良い演奏は何度聴いても素晴らしいですし、聴く度にとまでは言わないまでも、結構新発見もありながらの「繰り返し聴き」は、止められません。この辺は、酒の肴に良い話題です。新盤の話ばっかする人に、「一度聴いて、それでオシマイ、はい、次は、、、」じゃねぇのかよぉ、と絡んだこともあります(^^;) 泡沫のような新人(失礼)を追っかけているだけで済ませられるほどに、ジャズが底が浅いとは思っていません。「新しいものも聴き、繰り返し聴きもして」という温故知新の知恵も大事だ、と思います。

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