1.ナマコの骨
 「ナマコを最初に食べた人は勇気がある人」というくらいそのグロテスクな姿に、食すのを尻込みする人も多いと思います。でも、僕はあの柔らかそうでで独特の歯ごたえがある食感が好きで、時々、酒の肴として味わっています。

 会社などで、ぐにゃぐにゃしてはっきりしない人間を「ナマコ」のような奴だと言うことがあります。また、あいつは骨のない奴だなんて言い方をします。
でも、ナマコにもちゃんと骨があるんです!

 人間の背骨のようにつながってはいませんが断片的にあるんです。もっとも、大きくて0.1ミリメートルですから、「骨片」で普通では見ることができません。特殊な方法で体を溶かして顕微鏡で見ると見えるんだそうです。昔は骨があったものが退化したと考えられます。

 ですから、ナマコのような奴だとか、あいつは骨なしだとか人の悪口を言うのは正確な表現ではありません、少なくとも生物学的には。
ナマコもほんの少しですがちゃんと「骨のある奴」なんです。
 どんな、動物にも人間にも、生きる権利、そして生きて行かなくてはいけない宿命があるんですね。一寸の虫にも五分の魂、ナマコにも五分の骨です。
(渚の生物 海鳴社刊 今岡 享氏 ナマコの骨  参照)
トップページに戻る