第二回投句

第二回の兼題は、またまた夏の季語です。締め切りは8月8日(金)です。締め切り、厳守でお願いいたします。(7月14日)
雲の峰  雲の峰 バスも快走 磐梯山(勢)
 少しだけ泣いて見上げる雲の峰(一穂)                  
 未来図を大きく描け雲の峰(純宅)               
 吾が背子を 待ち侘びる義父 雲の峰(翡翠)                             
朝顔  朝顔や ラジオの声に 露踊る(勢)
 行儀良く朝顔咲きし幼稚園(一穂)
 母からの便りに一輪朝顔の花(純宅)
 散髪の襟足しろく朝の顔 (翡翠)
扇風機  寝息たつ 子供に首振る 扇風機(勢)
 扇風機どこ吹く風と首を振り(一穂)
 扇風機独り占めして宇宙人(純宅)
 扇風機止めてしばしの渋団扇(翡翠)

批評
(勢)
◎少しだけ泣いて見上げる雲の峰(一穂)
  いいですね。詠む人によって、何で泣いているか、それぞれの想いと情景が浮かぶよう。
○未来図を大きく描け雲の峰(純宅)
  純宅は、繊細さと大胆さを持ち合わせた人なのでしょう。それがときどき、歌に出ます。
◎散髪の襟足しろく朝の顔 (翡翠)
  日焼けしない襟足なんでしょうね。でも、詠み方によっては悲しい歌のようにも思えます。
母からの便りに一輪朝顔の花(純宅)
  母想いの娘。でも、娘はあまり、実家には帰ってないようです。
扇風機独り占めして宇宙人(純宅)
  よくわからないけれど、突然、宇宙人がいい。
○扇風機どこ吹く風と首を振り(一穂)
  川柳のような句ですね。

(翡翠)

少しだけ泣いて見上げる雲の峰(夏の天の高さと心の痛みが好対照)
朝顔やラジオの声に露踊る(朝顔=ラジオ体操という発想が、私にもあったのですが、こんな風に詠めませんでした)
扇風機:これは自分でも読みづらかったのですが、みんなも四苦八苦したのではないでしょうか。
扇風機どこ吹く風と首を振りもいいのですが宇宙人という発想も面白い。ただやや川柳系か。
 2回目にして、それぞれの句に個性が出てきていて、名前を伏せても、あ、この句はこの人とわかるようになってきました。

(純宅)

◎少しだけ泣いて見上げる雲の峰

「雲の峰」は、奥深い季語のように思います。
日頃、使わない言葉のせいなのか、あるいは私がここ数年、「いかにも」というような雲を見ていないせいなのか、
真夏の明るく元気なイメージが沸いたり、夏も後半に入っていくちょっと切ないイメージも湧いたり・・・。
そしてこの句は切ない系。いろいろなシーンが思い浮かびます。夏休み、日焼けした野球少年が空振り三振して試合に負けて、
唇をちょっと噛みながら家に帰る途中・・・・。そんなシーンかな?真意はぜひオフ会で。

◎散髪の襟足しろく朝の顔
縁側で母にこざっぱりと散髪してもらった子どもの襟足。
その白さが盛夏の始まりを物語っていて、朝顔とうまく合っている気がしました。爽やかで懐かしい、そして優しい印象の句で好きです。

(一穂)

雲の峰 バスも快走 磐梯山(勢)
何の変哲もない写生句ですが、それがかえってひねらない見たままの句として躍動感を感じます。
ひねらない感じたまま、見たままの句が一番いい、といつも言っていた小松方正さんを思い出しました。
これからも、こんな感じで「勢流」の境地を作ってください。
母からの便りに一輪朝顔の花(純宅)
母からの便りと朝顔をつけようとしたのでしょう。
字余りもあり、もう少しひねりというか推敲をすると良い句になったと思います。
例えば俳句らしい形にすると「朝顔や母の便りに咲きにけり」または「朝顔や母の便りに楚々と咲き」ってな具合です。

扇風機止めてしばしの渋団扇(翡翠)
 渋団扇という言葉を知っているのが、ちと驚きです。柿の渋を使って作る熊本県の特産です。
年の経過とともに色合いが変化する、すなわち丈夫な団扇です。
この言葉がこの句を粋なものにしています。ただ、厳密にいうと「扇風機」「団扇」はともに季語で、いわゆる季重なりとなっています。
できれば季重なりは避けたほうがいいでしょう。
ただ、「句の中心になる季語が、他の季語より、はっきり強く働いていて、全体の印象が分裂していなければかまわない、
とする暗黙の了解が俳句の世界にはある」という考え方もあります。では、季重なりで有名な代表句を紹介しておきます。
目には青葉 山ほととぎす 初かつお    素堂
うめ一輪一りんほどのあたたかさ    嵐雪