取材日記(第1回)

6月3日(土)晴れ
今日から16日間のバカンス。数ヶ月前から準備していた「沖の島自然観察ホームページ」づくりだ。自宅を午前10時に出発、京葉道路から東関東自動車道館山線を経て、国道127号線。まだ海水浴シーズンでないため道路は空いていた。館山に着いてから実家には行かず、そのまま沖の島へ直行。いわゆるロケハンをいうやつだ。小一時間で島を一周、明日からの撮影の構想を練る。午後1時半過ぎに実家へ。
 荷物は撮影機材やパソコン関係、それに関連図書などで、総個数は10を超えた。その量の多さに母もいささか驚いた様子。その夜はあすからの撮影に胸を躍らせながら眠りに就いた。


6月4日(日)薄曇り
取材時間 午前10時〜午後4時半
母がバス旅行で午前4時半に出かける。午前7時半起床。食事後、おにぎり3個と水筒を用意、戸締まりをして出発。
 偶然、千葉市美浜区の市民グループの沖の島観察グループに遭遇。飛び入り参加を申し出て1000円の会費を支払い、「沖の島のサンゴを見守る会」の代表・三瓶さん、事務局長・平本先生のガイドを受ける。非常にラッキー。偶然とは言え、コンタクトを取りたがっていた人に巡り会えるとは。神の思し召しか。運命の出会いかもしれない。
 世界最北限のサンゴの位置も確認。様々な海洋生物の名称などを教えていただく。昼食後、午後12時半解散。その後、カニやヤドカリ、植物などを撮影。マクロ、BBSなど、NIKON COOLPIX990の機能に習熟する。COOLPIXの使い方がかなり良くわかってきた。後は手になじませ、経験次第か。

6月5日(月)晴れ時々薄曇り
午前10時〜午後3時半
本日から一人で本格的に撮影。植物より海の生き物を中心。オリンパスの水中プロテクターを初めて使用。シュノーケリングがまだ出来ないので潮の引いた岩場や磯を撮影。水深は20センチから50センチまで。太陽光で撮影できる。ピントはカメラまかせ。初めての撮影にしては上出来。海草が結構綺麗に撮れていた。
食後、仮眠をして夜中の1時ごろまで、これまで撮影した写真選びと名前の特定をする。
今回の取材で予定外だったのがこの生物の特定作業だ。実物と図鑑の写真とでは似て非なるものも多く、自然観察の難しさを実感。名前の判別できない海綿や、海草など結構ある。

6月6日(火)(火)晴れ
午前9時半〜午後3時
砂州を渡り、東海岸へ向かう。入り口の岩場に無数の船虫。来島を歓迎してくれているようだ。時計まわりに植物を中心に撮影。ネコノシタやハマボッスなど。
北海岸で貝殻拾い。ホームページをアップしたら見てくれた人にプレゼントするために集める。自然は偉大な芸術家のメモを貝殻の広がる砂浜に座って書く。
 島の遊歩道をリュックを下げて一人歩く。ホトトギスが「ホー、ホケキョッ」を頻繁に囀る。島にはシーズン前ということもあって、漁をする地元の人が数名見かけるだけで本当に静かな世界。潮騒、風の音、それに鳥の鳴き声を聞きながら、12時に車に戻り、アサヒスタイニーを一本飲み干す。島を眺め、午後の予定を考えながらの味は格別だ。
 午後は東海岸の潮の引いた水中撮影に臨む。干潮は午後1時18分。昨日撮って失敗したケヤリムシを探す。なかなか見つからず苦戦。コアマモも撮影。シュキューバダイビング用のシューズはなかなか快調。帰ろうと砂州の入り口に戻り足を洗いがてら岩場を眺めると、ムラサキウニを発見、さらに岩場の陰にうずくまって?いるようなアメフラシも発見。北海岸から西海岸へ続くトンネルの入り口で偶然僕の前で止まってくれたトンボといい、毎日、新しい発見がある。この島の生物をすべて紹介するのは一生かかっても不可能だと実感する。できるところまで、挑戦しよう。
沖の島近くの洗車場でパジェロを洗い、帰宅後ワックスをかける。
6月7日(水)快晴
午前9時半〜午後2時半
初めてシュノーケリングに挑戦。西岸の小さな小さな湾に潜る。外で見ているより水中は濁っているのでびっくり。水が汚れてきている証拠か。もっとも浮遊物やプランクトンもあるかもしれない。イソハゼや海草を撮るが44枚とって使えそうなのは2〜3枚。ま、初めての経験だから致し方ないか。もう少し沖の方が水は澄んでいると思うが安全性を考えて今日は練習のみ。
 地元の人にエビやイソメの取り方を教わる。僕が毎日写真を撮っているので、興味を持っていたらしくて向こうから話かけてきた。親切にスナモグリやイソメを取ってくれて写真に収めるよう勧めてくれた。いい写真が撮れた。今日で4日目。いささか疲れて腰も痛い。日焼けで疲れるのと、中腰でマクロ撮影をするせいか。ま、今の仕事が一日中、モニターの前に座っていて運動不足ということもあるだろう。今日は早めに引き上げて、昼寝をした。

6月8日(木)快晴
午前10時〜午後2時半
 午前中は取り忘れた植物を撮影。途中、毛虫やカタツムリの写真も。
ビール、昼食後、昨日教わったエビを採る。岩場の下をスーパーで購入したネットで探ると簡単に採れる。水槽に入れて撮影。帰宅してから見てみると45枚とって使えたのはたった1枚だった。難しいが経験を積むしかない。その後、イソメを採る。購入したばかりの細長いスコップで掘るとこれも簡単に採れる。早めに帰宅して、撮影。これも動くのでマクロ撮影は結構難しい。さらに、パンティストッキングで自作したプランクトンネットで採取してきたプランクトンの顕微鏡撮影。これもかなり難しかったが、動物・植物のプランクトンが少し撮れた。解像度はイマイチだが顕微鏡の性能によるものと思われる。学習用の顕微鏡でプレパラートなどセットで3万円以下では良しとしなくてはならないか。夕方、久しぶりに雨。
明日から梅雨模様。体も疲れ、腰も痛いのでいい静養だ。

6月9日(金)
朝から強風と雨。関東地方も梅雨入り。撮影した写真の整理にかかる。大きなサイズの写真は横300ピクセルのJPEGで、小さな写真は横150ピクセルのGIF形式で保存。昨日までの総撮影枚数は718枚。写真を撮るのも大変だが整理するのも楽ではない。NIKON CCOPIX990での撮影は、ホワイトバランスを太陽光と曇天に固定して行ったので、ほとんど色補正の必要がなかった。
6月10日(土)曇り
取材時間 午前9時〜午後12時。
 写真を整理していて、取り忘れたものや、ピントがいまいちだった植物や海藻を撮りに行く。昨日のメイストームで、海岸には様々な海藻が打ち上げられていた。地元の漁師さんが竹竿のさきに金具をつけたもので浜に浮かんでいる海藻を拾っていたので、これまで名前のわからなかった海藻の名前を尋ねると親切に教えてくれた。図鑑でみても、海藻は似通っていて実物と見比べても判別が難しいので大変、助かった。帰宅後、父の墓参り。6月13日は父の命日だ。



6月11日(日)
一日中、写真の整理とホームページ制作。植物編43種のホームページと、貝、カニなどのフレームをつかったページ制作が完了。写真は、プロ並みとはいかないがまずまずの出来。

6月12日(月)
一昨日採取してきたプランクトンの撮影。植物プランクトンはうごかないから撮影はし易いものの、動物プランクトンはかなりすばやく動くので撮影は難しい。アッという間に視界から消えてしまう。ホルマリンなど動きを止める薬は使用せず。
 綺麗に澄んだ海水を何回か掬うだけでこれだけのプランクトンがいるとは驚きだ。彼らのおかげで、様々な動物が生きられ、果ては人類の繁栄につながっている。海の素晴らしさ、凄さを改めて認識する。午後は、この写真を使ったプランクトンのページを制作。まだ、数が少なく、鮮明度も満足のいくものではないが、初めてであることと、顕微鏡とカメラの性能もあり、今後の課題とする。今回の取材の撮影総枚数は895枚。
 午後は家まわりのペンキ塗りや棚作り、ブドウの摘果など家周りの作業。

6月13日(火)
帰省後、11日目。第一回目の取材はいちおう終了。
この企画立てて、まずまずの成果か。沖の島の生物はそれこそ無限に近い。今回の初めての取材は比較的撮影し易いものが中心。水中撮影の難しさも体験。この夏のシュノーケリングによる魚などの撮影が楽しみだ。
午前9時実家を出発、11時20分家着。

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