
シンガポールの駅舎

駅の構内

マレー鉄道の機関車 |
2月12日、シンガポールへ来て3日目のこの日はマレー鉄道に乗る予定を出発前に立てていた。わずか4日間の旅行では行ける所も限られてしまう上、全行程を鉄道の旅で締めるわけにはいかないので、今回は日帰りでシンガポールからマレーシアの南端のジョホール・バルへ訪ねることにした。シンガポールからジョホール・バルまでは所要時間にしても1時間ちょっとで行くことが出来る。
さて、マレー鉄道の始発駅であるシンガポール駅は前日に市内観光を兼ねて場所を確認していた。駅は繁華街からは少し離れたところにあるが、MRTの駅からだとタンジョン・パガー(Tanjong
Pagar)から歩いて15分ほどのところである。駅舎はシンガポールの玄関口とあってなかなか立派で荘厳な雰囲気を感じさせてくれる。ただこの駅から出る列車の本数は1日数本で、私が行ったときは列車の発着時間からずれていたこともあって構内には人は疎らであった。
前日に位置関係を把握した次の日、いよいよマレー鉄道へ乗車する日である。ホテルの前にある路線バスのバス停からシンガポール駅方面へ向かうバスに乗る。バスは有名なラッフルズホテルの脇を通り過ぎ、高速道路の下を走行していった。約20分ほどでシンガポール駅に近い停留所に到着した。
バスを降りて交通量の多い片側2車線の通りを渡って駅に入る。早速窓口でジョホール・バル(Johor
Bahru)までの乗車券を買う。高々50分くらいの乗車なので一番安いクラスの座席にした。運賃は2.9ドルだった。
ここシンガポール駅ではマレーシアへ行く列車に乗るときに他ではお目にかかれない光景を見ることができる。それは出入国審査の方法が他の国とは異なるのである。普通は出国する国で出国審査を行い新しく入る国で入国審査を行うのであるが、シンガポールではまずシンガポール駅でマレーシアの入国審査を行ってから別の場所でシンガポールの出国手続をするのである。両国の間におけるさまざまな思惑があるようであるが、利用する側にとってはさほど気にならなった。
乗車券を買ってホームへ向おうとする途中に入国手続きを行なう箇所があり、そこでマレーシアの入国を済ませてからホームへ向かう。ディーゼル機関車に連結された客車列車がすでに停車していた。早速列車に乗り込み空いている座席を見つけて着席した。リクライニングシートのゆったりとした座席で快適だ。
9時30分、列車は定刻どおりにシンガポール駅を後にした。
出発してからしばらくすると右手に操車場が現れて、数台の客車が休憩していた。次第に都会の風景から南国らしいうっそうとした木々の林に入って行った。あれほど大きなビルが乱立し都会の雰囲気が溢れているシンガポールもちょっと離れると南国ムード溢れた自然に囲まれたところがある。
そんな南国ムード漂う森林の中を黙々と走りつづけると、列車は急に速度を落として停車した。左側の車窓にはホームが見えており、どこかの駅に着いた感じがした。やがて同じ車両に乗っていた乗客が全員列車から降り始めた。私もその流れに従ってホームへ降り立った。ここはウッドランド(Woodlands)というところで、シンガポールの出国手続を行うところになっている。列車から降りた乗客は建物の中に入り出国手続きを行なう。係員はパスポートをちらと見ただけですんなりと出国手続きを済ますことが出来た。手続きが済むとそのまま前へ進みホームへ伝わる入口のところで乗客全員が出国手続を終えるのを待っていた。乗客全員の手続が終わると入り口の扉が開かれ再び先程乗ってきた列車に乗り込んだ。
乗客全員が乗り終わると再び列車はマレーシアへ向けて走りだした。やがて車窓には広い川のような水辺が映し出された。ここがジョホール水道で、この水道を渡るとやがて列車は速度を落としジョホール・バルに到着した。
ジョホール・バルはマレーシアの端に位置するが、駅前には高いビルが建ちなかなかの都会だったのには以外だった。ただシンガポールの街の雰囲気とはどことなく異なった雰囲気であり、シンガポールが欧米的な雰囲気を感じるのに対しここジョホール・バルにはどこかアジア的な風情がある。そんなジョホーバルを数時間観光した後、再びシンガポールへ帰ることとなった。
ジョホール・バル駅の近くにあった地元の人が行くような食堂で食事を済ませた後、駅のシンガポール寄りにあるバスターミナルへ向かった。カウンターに設置してあるマレーシアの出国手続を行うための書類を記入するが、その用紙を探していると一人の男が寄ってきて書類を渡してくれた。最初は親切な人と思っていたが、その男はわずかながらお金を請求してきた。ほんの少ない金額ではあったものの受け取ってしまった後だった事もあっておとなしく支払ったがこれは気をつけた方がいいと思う。その金を支払った出国審査の用紙に必要事項を記入しイミグレーションで審査を受けるが、ここでも係員はパスポートを目で確認しただけですんなりと通過することが出来た。こうして、シンガポールへ向かうバス乗り場へ向かう。
すでに数人が前で並んでいたが、ほとんどが普段着の格好で気軽に国境越えをする感じであった。ほどなくして170系統シンガポール行のバスがやってきたが、冷房設備がないバスであった。しかしジョホール・バルを発ってから走り出す時の風が全開に開いた窓から入ってくると心地よかった。ジョホール水道越えて再びシンガポール国内へ戻る。やがてバスは大きな建物の中へ進んで行き停車した。行きに列車で出国審査を行なうために停車したところである。シンガポールの入国審査を済ませると、乗客はバス乗り場へ向かった。バスは頻発しているようで、ここまで乗ってきた車とは違ったバスであった。しかし、ここで新たに運賃を支払う必要はなく、ジョホール・バルで乗ったときに支払った際にもらったレシート状の紙を運転手に見せればOKである。
こうして再びバスに乗り込んだ私はシンガポールまでは行かずにMRTの乗換駅となっているクランジ駅で降りて乗り換えた。 |