VOICE

 

 

いつだってその声があった

 

 

「いっしょにいて」

懇願のような囁き

「どこにも行かないで。約束して」

寂しい少女がかける甘い罠

振りきるにはあまりにも幼くて

このまま二人堕ちてもいいと思った

 

 

「飛ぶんだろう」

静かな声

確認でもなんでもない

当たり前のことを当たり前のように言った

引き戻される

思い出す

自分が欲しかったもの

誰にも渡せない

だから

 

「さよなら」

一緒にはいけない

そばにはいられない

どうしても手に入れたいものがあるから

 

 

君を失い

今別のなにかを手にしている

ひきがねを引いたのは

たったひとつの声

 

「ポプラン」

その呼ぶ声

あの頃より少し低い、でも変わらないトーン

引きとめる 引き戻す

呪縛のような声

 

いつだってその声だけが俺を惹きつける