◆ 護衛艦「ながつき」主要目
| 主要目 基準排水量 3,100 t 艦種記号 DDA |
![]() 写真撮影:海上自衛隊(海自ホームページから転載) |
護衛艦「ながつき」(DDA−167)は、「たかつき」型護衛艦4隻の
最終艦として建造された。
艦種記号のDDAは、「All purpose Destroyer(全目的護衛艦)」を指す。
「たかつき」型は、高価な対空ミサイルを除き、当時海自が導入できる最新の兵装を
搭載した護衛艦として建造された。特に、5インチ速射砲は、それまでの海自の5イン
チ砲に比して高発射速度であり、電動油圧式で信頼性も高かった。
また、その砲の射撃指揮装置は、「ながつき」では国産の72式射撃指揮装置(I型A)
の初号機・2号機が搭載された。
( もっとも、本艦の2機と「なつぐも」のI型B
(3インチ砲用)については、量産機
と異なる構成のジャイロの安定の問題のため、射撃にはコツが必要であった。)
対潜兵装としては、
1 短魚雷を搭載する無人ヘリコプターのダッシュ
2 短魚雷をロケットで発射するASROC(アスロック)
3 スウェーデン製の対潜ロケットのボフォース
4 短魚雷発射管
と、4段構えであり、個艦の対潜攻撃能力としては、最高のものだった。
しかしながら、ダッシュについては、開発国の米国で誘導ミスによる事故が続発し、
運用停止。日本への部品の供与もうち切られたため、残念ながら海自でも運用取りやめ
とされた。
米国では、小型有人ヘリコプター搭載に改良された艦が多かったが、海自では整備態
勢の2重化の問題から小型ヘリの運用には積極的ではなく、「はるな」型での
HSS-2
(SH-3)
の運用のように中型ヘリの運用に移行し、「たかつき」型、「みねぐも」型の
ダッシュ施設はデッドウェイトとなった。
船体構造は、機関室の上に全通する甲板を持つ、遮浪甲板型であり、顕著なシアーを
艦首・艦尾に持つ。大型のソナーの錨による損傷を避けるため、艦首は鋭く突き出し、
ステムの角度は約45°である。
前甲板に、ボフォース発射機・5インチ砲(51番砲)・アスロック発射機と並んでい
るため、艦橋構造物は心持ち後ろ寄りで、艦首の長さを印象づけている。よく似た船体
構造を持つ「たちかぜ」型ミサイル護衛艦に対し、スマートな印象を与えるのは、この
バランスによる。
3番艦の「もちづき」から、前部船体舷側に波浪の上甲板への打ち込みを低減するた
めナックルが設けられ、スマートな印象をさらに強めることとなった。
マスト・煙突は、一体化したマック構造で、2番煙突上の
TACAN用マストは、「もち
づき」には装備されず、また、「たかつき」「きくづき」は、近代化改装後に撤去され
たため、晩年の「ながつき」の顕著な識別点となった。
艦尾のダッシュ格納庫は、ダッシュ運用停止後は倉庫として用いられたが、甲板上の
大型のそれは便利であり、遠航時の多量の消耗品の搭載のほか、低速標的機の運用にも
活用された。
艦尾は、トランサムスターンであるが、平面形状は緩いRを持っている。側面形状は
垂直である。1・2番艦は可変深度ソナー(VDS)の搭載により平面で構成され、側
面形状は傾斜しており、識別点となる。
船体の全体的なイメージは、ナックルのラインもあり「日本刀のような」シャープな
もので、さらに上部構造物や兵装が前後に緩やかな放物線を描いている。