穴があるのに水を入れるなんて……


『わが谷は緑なりき』 より

 
 『わが谷は緑なりき』に限らず、フォード映画の中のユーモアは味があって大好きです。ここではその中からひとつご紹介。
ヒュー少年は進学のため、グリフィス牧師から入試勉強の指導を受けます。ヒューの父も一緒にお勉強。そばで母が洗濯をしながら「学問なんぞ…」と懐疑的に見守っています……


グリフィス牧師   「100ガロン入りの桶がある。
            Aから1分間に入る水は20ガロン。Bからは1分間に10ガロンとする。」
ヒューの父親   「20と10ですな」
牧師        「Cの穴からは毎分5ガロン出ていく。桶がいっぱいになる所要時間は?」
ヒューの母親   「ハハハハ… 穴があるのに水を入れるなんて馬鹿らしい!」
父         「これは算数だ!頭を鍛えとる。来月は入試だぞ」
母         「学校の算数って馬鹿なことを教えるもんね。どうかしてるわ」
父         「計算力を試されるんだ。何時間に何ガロンか出すだけだ」
母         「穴だらけの桶でね…」


 このあと、苦労して入学した学校でヒューは手荒い扱いを受け、拳闘を習って復讐戦を挑むという展開が待っています。数々のエピソードに彩られた名画こそ、『わが谷は緑なりき』なのです。


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