このコピーは一種のパロディーで、ホンモノは・・・
“If It’s a
Paramount Picture, It's the Best Show in
Town”
・・・というもの。
淀川長治さんが、ニューヨークにあるパラマウント本社を訪れた時(1953年)、アドルフ・ズーカー社長と会った有名なエピソードでこのフレーズが登場します。
淀川さんの自伝から一部ご紹介しましょう。
・・・この三人が私に「ミスタア・ズーカーに逢わせてあげる」と云った。ズーカーはいっさいインタビューはお断りだ。二十何階かの社長室にひきこもり 外来者を近づけない。そのズーカーに私を逢わせようとしたアッカアマンに 私は感謝した。
エレベーターが速いスピードで上の方に吸い上げられ、それは雲上の人に逢うかのごとき緊張で、やがてズーカー氏そのパラマウント社の社長の部屋の入口でノックした。 (中略)
立派な机のうしろのアドルフ・ズーカー老を、私は初めて見た。
こわい顔がこちらを見た。 (中略) いかにも通りいっぺんの丁寧な口調で「よくまいられた。ニューヨークは初めてかね」という挨拶をされ、さあもうズーカーの顔を見たのだからこれでよかろう という冷静なる貫禄を示された。そのとき私は パラマウントのグロォリア・スワンソンの初期の映画からデミルのすべてといいたい映画を見ていること、その題名をつぎつぎと述べてみた。ズーカー氏は「そうですか」とおだやかに私を見た。
このとき私は 私が中学生時代からのパラマウントの熱烈なるファンたることを伝えるために パラマウントのそのころのスローガンの
“If It's a Paramount Pidture, It's the Best
Show in Town” を口に出してしゃべったところ、ズーカー氏は目を見開いて、「おお、あなた」と云った。そして「いまいる宣伝部員は、もうこのスローガンを知ってはおらんじゃろう」と 初めてニコやかな笑顔を見せた。・・・
〜 出典;『淀川長治自伝』下巻 中央公論社・1985年
(中公文庫・1988年) 〜
「パラマウント映画があれば、それこそ街一番の出し物だ」・・・このフレーズは僕のお気に入りで、
この自信タップリのスローガンから、大衆娯楽・芸術を提供してくれる映画人たち
−パラマウントに限らず古今東西の映画人たち−
の心意気が伝わってきます。
ホームページを開設するにあたり、おこがましくも
我がページがそんな空間になることを目指したいと思い、冒頭に掲げさせていただきました。
みなさまのご協力を得て、「キネマウントを開けば最高のお楽しみがあるぞ!」といえる場をつくりたいです。
どうぞ どうぞ 末永く よろしくお願い申し上げます。