ベニイ・グッドマン物語
 

THE BENNY GOODMAN STORY


1955年 アメリカ
監督  ヴァレンタイン・デイヴィス
出演 スティーウ゛・アレン  ドナ・リード  サミー・デイヴィス Jr.


スティーヴ・アレン(右) & ドナ・リード “キング・オブ・スイング”の名を欲しいままにしたベニー・グッドマン(1909〜1986)の伝記映画。

 10歳のときクラリネットを手にしてから、新しいサウンドを求め続け、1938年にクラシックの殿堂・カーネギー・ホールで史上初のジャズ・コンサートを開くまでが描かれています。彼は1986年に亡くなりましたので、本人生存中に作られたことになります。映画の中でのクラリネットの音色は、グッドマン本人の演奏によるものです。
ほかにも、ジーン・クルーパ、ライオネル・ハンプトンなど有名なミュージシャンが総出演しており、ジャズ・ファンにはたまらない贅沢な映画。

 映画ファンとしては、『グレン・ミラー物語』や『五つの銅貨』に比べて大味な印象を受けます。フィルムの状態もあるのでしょうが、色彩が豊かさに欠けますし、カメラワークや美術セットもいまひとつ物足りない感があります。
監督のせいかな?と思ったら、 監督のヴァレンタイン・デイヴィスは『グレン・ミラー物語』では脚本をつとめているし、
映画会社がユニバーサルだからかな?と調べてみたら、『グレン・ミラー物語』も同社の製作。
では、この映画の短所をもとに『グレン・ミラー物語』をグレードアップして作ったのかな?と思いきや、なんと『グレンミラー物語』は『ベニイ・グッドマン物語』の2年前にすでに作られておりました。

 しかし、僕はこの映画を愛してやみません。
中学生になったとき、僕の後ろの席になったT君が「“シング・シング・シング”ってスゴイんだよ」といいながら鉛筆でドラムを打つ真似をするので、家にあったレコードを聴いたのがグッドマンとの出会い。
 やっと3年後、高校1年のとき、深夜放送で『ベニイ・グッドマン物語』が放映されまして、うちにビデオがなかったので、カセットテープに録音して何度も何度も聴いたものです。

 “レッツ・ダンス”、“メモリーズ・オブ・ユー”、“ストンピン・アット・ザ・サヴォイ”、“ジャズの20年”、“クリストファー・コロンブス”、“バグル・コール・ラグ”、“グッディ・ドゥディ”、“シング・シング・シング”・・・・・・
どの曲もまさに体を揺らしてスイングしたくなる名曲ばかり。
 これら名曲をたっぷりおりこんで、主演のスティーヴ・アレンを通じて物静かな物腰のグッドマンを描きつつ、信念を貫いたその人生を淡々と綴っていったために、ほかの音楽映画に比べてパンチに欠けるものの、心に残る映画になったのかもしれません。

 好きな場面のひとつにこんなシーンがあります。
売りだし中に地方巡業で劇場支配人に“ONLY TONIGHT”と看板をだされ、たった一晩の演奏しか認められなかった時、ダンスフロアの客が踊るのをやめて舞台にしだいに集まってくる場面があります。演奏の聞き惚れて、踊るどころではなくなってしまったのです。このシーンをはじめてみたときはゾクゾクしましたねー。

 なに?ベニイ・グッドマンなんて知らない??
そりゃ貴方、手遅れにならないうちに『ベニイ・グッドマン物語』をご覧くださいませ〜♪


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