『或る夜の出来事』の魅力のひとつに、主人公の二人が道中で出会う市井の人々とのふれあいがあります。
ここにこそ“よきアメリカ”があります。怒りっぽかったり、ちょっと間が抜けていたりすることがあっても、根は善良なアメリカ市民のよさがユーモラスにあたたかく描写されていて、キャプラ監督の眼差しが感じられるのです。
そんな場面の中でも、長距離バス・グレイハウンドのシーンは秀逸。アメリカ民衆の生活や夢を乗せて走る絶好の舞台を使った味のあるシーンといえましょう。
バスの乗客たちがにぎやかに歌い、所狭しと踊る唄は“ブランコ乗りの歌”。三拍子ののどかなテンポの曲です。
水兵ほかのソロに合わせて乗客たちが唱和する楽しさ、運転手までもが大きな大きなハンドルを握りながら歌う嬉しさ。しまいには運転手は運転を忘れてハンドルを手放して拍手してしまい……さァて
どーなるかは見てのお楽しみ〜
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幸せだった俺が 今や不幸のどん底
くたびれたコートみたいに この世を恨んで嘆き節
可愛いあの娘に捨てられた
愛しぬいたあの娘 振り向かせようと努めたが
所詮あいつにゃかなわない 空飛ぶブランコ乗りには
* 軽々と宙を舞うブランコ乗り いなせな若いブランコ乗り
娘っ子は皆あいつに夢中 あの娘のハートも盗まれた
ネズミを狙うネコのように 女心を狙うブランコ乗り
見下げ果てた奴だけど それでも女はあいつに夢中
高いとこから客席に笑いかけ 俺のあの娘に微笑んだ
投げキッスをすれば あの娘は有頂天
彼女の頭上を曲芸師が舞う
*(繰り返し)
幾週間も俺は泣きに泣いた 俺のあの娘はサーカスに夢中
涙が俺のほほ濡らす アラスカの氷みたいな涙がつたう
俺はあいつに掛け合った 「俺のあの娘に手を出すな」
奴は鼻でせせら笑い 「知ったことか」とほざいたものだ
*(繰り返し)
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さあ、「俺」は恋敵の「ブランコ乗り」に勝てるのか? 気になるところですが、随分前に私がこの曲を気に入って字幕をメモった紙片をみると、ここで歌詞は終っています。この恋の行方をご存知の方、いらっしゃいましたらご一報を……
深読みすれば、新聞記者ピーター(ゲーブル)が「俺」で、飛行家キングが「ブランコ乗り」となるのかな? まあ多分本筋とは関係ないと思いますが。
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