鳥獣保護活動症例 報告(2006)
保護鳥獣
2006年は、鳥類91件、獣類9件の搬入がありました。
建物や車など人工物への衝突が原因と思われるものが3割強、衰弱個体の保護が2割を占め、巣立ち雛の持ち込みも2割強ありましたが、いわゆる誘拐による雛の搬入は年々減少しているように思われます。
転帰は、放鳥獣30例、死亡42例、委託保護28例となっています。
ハイイロウミツバメ 12月26日保護(千葉県大網白里町)
全身が青灰色をした海鳥です。北太平洋〜ベーリング海を飛翔し、日本では三陸沖以北の海上で見られます(日本の鳥550/文一総合出版 より)
この個体も強風に煽られたとみられ、海岸で衰弱して動けなくなっているところを保護されました。
投薬、強制給餌等の治療を行いましたが、来院翌日に死亡しました。
ヒヨドリ 12月14日保護(千葉県市原市)
車が行きかう路上で、危うく轢かれそうになりながら転げているところを保護されました。
気嚢破裂による皮下気腫(皮膚の下に空気が溜まる状態)が認められたため、抜気などの治療を行い、
約1週間後に放すことができました。
コサギ 12月12日保護(千葉県九十九里町)
サギ類は人の目を狙って突付いてくることがあるので、十分な注意が必要です。 左脚。第3-4趾間にうっすらと水かき様の膜があります。
こちらも、両翼が開放骨折し、テニスコートで動けずにいるところを保護されました。
折れた翼は、ほぼ皮一枚でつながっている状態で、損傷が激しかったため断翼しましたが、本人は食欲もあり、魚をもりもり食べて元気です。
現在はボランティアさん宅で過ごしています。
チョウゲンボウ 12月1日保護(千葉市若葉区)
尾羽を保護する為、レントゲンフィルムでカバーをしてあります。
工場敷地内に落ちていたところを保護されました。電線か何かに引っかかったらしく、右上腕骨の開放骨折が認められました。
骨髄内にピンを入れて整復・固定し、現在入院中です。
ムナグロ 11月8日保護(千葉県東金市)
幼鳥と思われます。田んぼの中で飛べずにもがいているところを保護されました。
強風に飛ばされたのか、電線に引っかかったような傷が頚部に認められ、気管が剥き出しの状態でした。
治療の甲斐なく、残念ながら1週間後に死亡しました。
フクロウ 11月1日保護(千葉県山武市)

口腔内に寄生する線虫。中央の糸くずみたいなものがそうです。
林間道路にうずくまっているところを保護されました。ネズミ捕りにからまったのか、全身に頑固な粘着物が付着し、羽がベトベトの状態でした。
何回かに分けて洗浄し、飛べるようになったのを確認したのち、放鳥することができました。
コシジロウミツバメ 9月27日保護(千葉県市原市)
この個体は、
投薬・強制給餌を行い、九十九里海岸にて放鳥する事ができました。
キジバト 9月23日保護(千葉県四街道市)
路上にうずくまっているところを保護されました。
何かに衝突したらしく、顔面打撲のほか、右の翼の開放骨折が認められました。
翼の怪我の程度が大きく、壊死・化膿が始まっていたため断翼し、
現在ボランティアさんのもとで過ごしています。
オオタカ 9月11日保護(千葉市美浜区)
これも若鳥です。衰弱して千葉ロッテマリーンズのスタジアム観客席で飛べずにいるところを保護されました。
餌をよく食べ元気になり、無事放鳥できました。
ツバメ 8月21日保護(千葉市中央区)
電線に引っかかっていたところを保護されました。
片脚が完全に骨折していたため断脚しましたが、ツバメの体の構造上うまく立つことができず、
残念ながら2ヵ月後に死亡しました。
オオタカ 8月14日保護(千葉市緑区)
若鳥。防鳥ネットに引っ掛かっていたそうです。
肩部を少し痛めていましたが、2週間ほど入院したのち、
山に帰すことができました。
ダイサギ 7月31日保護( 千葉県南房総市)
口角(口の付け根)のラインが眼より後方にあるのがダイサギ。尺骨に針を留置して点滴します。
*写真のダイサギは麻酔で寝ています。
田んぼの中で、立てずにもがいているところを発見されました。外傷・骨折等はなく、斜頚などが見られたため、何かの中毒が疑われました。髄内輸液を行ったところ、2日目には起き上がれるようになり 、自分で餌も食べられるようになったため約1週間後放鳥しました。
アオバズク 7月23日保護(千葉市緑区)
まだ綿毛が残ってます 胸部の斑も濃くなってきました 放鳥時。どこにいるでしょう。。。
巣立ち雛。庭に落ちていたそうです。近くの木にとまらせ、親兄弟がいないか探しましたが、発見できなったため保護。
アオバズクは日本には夏鳥として渡来し、大木の洞に巣をつくり、子育てします。日暮れ頃から活動し、主に昆虫を食べます。
8月25日に無事放鳥できました。
カイツブリ 7月16日保護( 千葉県船橋市)
普段は水の中で見えない脚鰭
玄関先に落ちていたそうです。何かに衝突したらしく、嘴が欠けて出血していました。
タライに水を張り金魚を入れると、元気に食べるようになったので(よく食べる!)、近くの川にリリースしました。
ヒヨドリ 7月12日来院( 千葉県佐倉市)
ヒヨドリのヒナは口の中が赤い
公園に落ちていたところを拾われました。まだ巣立ち前の雛だったようです。
来院時、栄養性脚弱のため起立困難でしたが、その後回復して羽も生え揃い、近くの公園で放鳥しました。
騒がしい声で鳴くイメージが強い鳥ですが、時にはさえずるような綺麗な声で鳴きます。
ヒバリ 7月5日来院(千葉市緑区)
ヒバリは後趾の爪が長い
草むらに作られた巣を、『スズメが地面に巣をつくっている』のと勘違いされて、拾われてきました。
脚や翼の骨折がみられました。
小鳥の脚は、非常に細いので注意が必要です。
飛べないため、自然に返すことができませんが、里親のもとに行くことが決まりました。
オオハム 5月26日保護( 千葉県四街道市)
前頚の黒色部は緑色光沢を帯びています。
住宅街の路上にうずくまっているところを保護されました。
日本では主に冬に渡来するので、綺麗な模様のはいった夏羽はあまり見られません。残念ながら翌日死亡しました。
ムクドリ 5月19日保護(千葉市緑区)
ムクドリのヒナは口の中が黄色い
ネコがくわえてきたそうです。奇跡的にも(?)無傷でした。
約1ヵ月後、羽もすっかり生えそろい、自力飛行ができるようになったので放鳥しました。
ハシボソミズナギドリ 当院では、5月に5羽のハシボソミズナギドリが搬入されました。
この鳥はオーストラリア東南岸(タスマニア島付近)で繁殖し、その後北上して赤道を越え、太平洋を1周して繁殖地に戻ります。
日本には5〜7月に見られるようです(山と渓谷社 日本の野鳥 より)。
毎年、渡りに力尽きた個体が多数海岸に漂着するようです。
今回は2羽放鳥することができました。
コアホウドリ 2月27日保護 (千葉市 昭和の森公園)
公園の池で衰弱して動けないでいるところを保護されました。
1週間ほど入院して栄養状態が良くなり、白里海岸にて無事放鳥できました。
オオタカ 2月5日保護( 千葉県佐原市)
自宅庭に落ちていたところを保護。
右の翼の腱を痛めており、治療を試みましたが完治には到りませんでした。
現在、ボランティアさんのもとで療養中。