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日本神話の読み聞かせシリーズ8 「天孫降臨」

                  天孫降臨


TOSS大和 近藤光弘


人間には寿命があります。地上生活には、終わりがあります。なぜでしょうか。その象徴物語とも受け止められるお話です。




 葦原の中津国は穏やかになってきました。いよいよ天照大神の御子を受け入れる用意が調いました。天照大御神大御神は、孫に当たる邇邇藝能命に言いました。

「豊葦原の瑞穂の国は私の子孫が治める国です。私の孫であるあなたが行きなさい。そして天の神の子孫を中心とする国は天地の道理にかないいつまでも栄えることでしょう。」 

 邇邇藝能命は、中津国に降りるとき、おともの神様を五人、そして天照大御神大御神より,八尺の勾玉、鏡、草薙の剣を授かりました。剣は八岐の大蛇の尻尾からでてきたあの剣です。邇邇藝能命の一行は幾重にもたなびく雲を押し分け、神々しい光を放ち筑紫の日向の高千穂の峰に着きました。都となる土地を求めて移り進み,笠沙の岬が正面に見えるその地に宮殿を建てて住むことになりました。

 ある日、邇邇芸能命は笠沙の岬を歩いていると美しい少女に出会いました。

「あなたはどなたの娘か。」 

「はい、私は大山津見神の娘、木花佐久夜姫といいます。」

「私はあなたとの結婚を望んでいるのだが、どうだ。」

「私だけではお返事できません。父に尋ねて下さい。」

邇邇藝能命は大山津見神に申し込みました。大山津見神は大変喜んで、沢山の贈り物とともに姉の石長姫も一緒に嫁入りさせました。石長姫は、がっちりした丈夫な体ですが、醜い顔をしています。邇邇藝能命はその石長姫だけを送り返してしまったのです。二人の娘を嫁入りさせたのには訳があったのです。木花佐久夜姫は春に花が咲き匂うがごとく栄えますように、石長姫は天より降られた命の命が岩のように崩れることなく永遠に続きますようにという祈りが込められていたのです。大山津見神はいいました。                    

「石長姫をお返しになった今、地上での生命は限りあるものとなってしまいました。木の花は華やかに咲きほこります。しかし、いつか時が来て散ってしまいます。それと同じ姿になるでしょう。」        

何日かたって、木花佐久夜姫は邇邇藝能命の元にやってきました。

「私はあなたの御子をやどしました。そのことを知らせに来たのです。」

「その子は本当に私の子なのだろうか。結婚してすぐに御子ができるというのは少し早すぎないか。」

「それではあなたの子であることを示します。もし、国津神の子であるならば無事に生まれません。天津神の子ならばどんなことがあっても無事に生まれます。」

 姫は扉の無い産屋を作り、その中で火をつけて、火の中でお産をされたのです。燃えさかる火の中で無事三人の御子が誕生しました。御子の名は火照命、次に火須勢理命、その次に火遠理命と言いました。そして、姫も傷一つ受けることがありませんでした。 


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