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(1)過年度税効果調整額
■税効果会計を適用する場合、その適用初年度においては、過年度において既に発生している一時差異等に係る「繰延税金資産」または「繰延税金負債」を計上する必要があります。 ■この場合、過年度分の一時差異等に係る「繰延税金資産」または「繰延税金負債」は、過年度における税金の前払額または未払額であるので、これらの計上にあたっては、当期利益に影響を与える「法人税等調整額」ではなく、損益計算書の当期未処分利益の計算において、「前期繰越利益」の調整額として計上する必要があります。 ■そのための科目が、「過年度税効果調整額」です。TKC財務会計システムでは、「前期繰越利益(9211)」の次に、「過年度税効果調整額(9212)」が設けられています。
■例題
X2年から税効果会計を適用する場合で、X 1年において、損金不算入の棚卸資産評価損が200、法定実効税率が40%であった場合、X 2年において、
(借方)繰延税金資産 (貸方)過年度税効果調整額 80 200 × 40% = 80 という仕訳を計上します。
さらに、X 2年において、当該棚卸資産評価損認容があった場合、 (借方)法人税等調整額 (貸方)繰延税金資産 80 200 × 40% = 80 という仕訳を計上します。
税引前当期利益が300、前期繰越利益が100、当期に納付すべき法人税等が70とすると、損益計算書の表示は、
税引前当期利益 300 法人税、住民税及び事業税(8311) 40 法人税等調整額(8312) 80 当期利益(9111) 180 ※300−(40+80)= 180 前期繰越利益(9211) 100 過年度税効果調整額(9212) 80 当期未処分利益(9611) 360 ※180 + 100 + 80 = 360 となります。
(注)「法人税等調整額(8312)は「法人税、住民税及び事業税(8311)」の調整項目であるのに対し、「過年度税効果調整額(9212)」は「前期繰越利益(9211)」の調整項目であるため、同じく繰延税金資産を計上した場合でも、「法人税等調整額(8312)」がマイナス残高(法人税等を減算する)となるのに対し、「過年度税効果調整額(9212)」はプラスの残高(前期繰越利益に加算する)となります。
(2)税効果会計の適用前に利益処分方式により諸準備金等を資本の部に計上していた場合
■ 税効果会計の適用前に利益処分方式により諸準備金等を資本の部に計上していた場合には、税効果相当額(将来課税されることになる金額)が資本の部の諸準備金等に含まれています。 ■税効果会計の適用初年度においては、この税効果相当額を繰延税金負債として貸借対照表の負債の部に計上するとともに、税効果相当額の分だけ過大となっている資本の部の諸準備金等の金額を同額取り崩す処理を行います。
■具体的な処理は以下の通りです。
1)繰延税金負債を負債の部に計上する (借方)過年度税効果調整額 (貸方)繰延税金負債 XXX
2)資本の部の諸準備金等を取り崩す。 (借方)諸準備金 (貸方)税効果会計適用に XXX 伴う諸準備金取崩高
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