超高値武夷山宿取りデットヒート

                10月4日


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昔中国の山水画を見るにつけ、これは絵描き達の想像する仙人が住むおとぎの国の
風景だと思っていました。

中国を旅行する様になってそれは写実画で有ることを気付かされる風景に時々出会
う事が出来る様になりました、武夷山もそのひとつです。

その武夷山の観光で問題なのは、見所が広範囲にわたって点在している事、それに
宿が異常なほど高値だと言うこと。

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武夷山は山登りと言うほどの山はなく、浸食されてむき出しになっている大岩の幾
つかに彫り込まれている道を上り下りする程度です。しかし一日中それをやってい
るとヘトヘトになります。案内板がほとんど無いので、山中では道に何度も迷い気
疲れの方もかなりの物でした。

少し早めに宿を取ってゆっくりしようと言う魂胆で5時頃には麓の街に戻ってきま
した、武夷山市の本当の市街地はここから10kmほど離れているところに有り、
ここは観光者向けのホテル街と言ったたたずまいです。歩いても10分ほどで通り
抜けてしまえる範囲にホテルがズラリと軒を並べています。

この観光地が中国でも全国的に有名な所だというのは、武夷山市にしてもさほど大
きくないにもかかわらず、空港が有る事でも分かります。

さて、目移りしてしまうほどのホテルの中から、幾つか目星を付けて置いてまずは
少し高そうな所に入ってみました、フロントで部屋代をたずねるとなんと480元

宿代は高くても200元以下、都市部で安い宿が見つからないときでも泣く泣く2
50元と言う感覚で旅行してきましたので、この部屋代とても現実のものとは思え
ません。

エヘヘと笑って、そそくさとそのホテルを出てしまいました。

さて次はと、と次のホテルを物色していると、2人のおばさんが声をかけてきます
気が付くと他にも何人か近づいて来ていたのですが、不可侵条約が結ばれているの
か、おばさん達の話に割ってはいる事はしません。

つまり、私は早い者勝ちでおばさんたちのものになってしまったようです。

話の内容はと言うと宿の斡旋です、私がホテルから出る様子から第一回宿探し失敗
を見て取ってスクランブル発進して来たのでしょう。

中国ではフリーの宿の斡旋屋と言う人達が、何処にでもいます。駅前でや空港で待
ちかまえていたり、タクシーの運転手が兼業でやっていたり、こうやって観光地に
いたり、さまざまですが、特徴としては特定の宿の従業員ではなく紹介出来る宿を
何軒も知っていると言うところで、それらの宿から斡旋料としていくらかもらって
いるようです。

特につれてこなくとも誰かのチェックインの時にいあわせるだけでいかにも自分が
連れ込んだ風をよそおっている要領のいい人もいます。

服装も、空港のポーター風スーツ姿、駅員風の制服などのバリエーションがあって
巧みに接近してきます。

なんだかけなしている様な言い方をしていますが、実はこの人達にはものすごく世
話になっていて、もしいなかったならば、なんど中国の朝露に濡れたかしれません

で、このおばさん達の恰好はと言うと普段着です、なんのまやかしもなく真っ向勝
負の体制です。

「宿を探しているの、良いところを知ってるわよ、こっちよ、こっちこっち。」
と、たたみかけて来ます。

まだ、時間が早いですし、ホテルが目の前で軒を並べている好条件なので、わざわ
ざ宿を教えてもらう必要もないのですから、今はパスしたい気分です。

「あ、あの、ありがとう、でも、助けてもらわなくてもけっこうですから。」
「いいわよ、いいわよ、あっそちじゃなくてこっちこっち」

全然かけあってもらえません、走って逃げるのも変ですし、もうおばさん達のペー
スでどっかにつれて行かれるしかしかたありません。

最初につれて行かれたのは、川沿いの宿さして立派な作りでもないホテルで360
元、パス!パス!宿を出て隣の宿へ、今度は外国人は泊まれませんと断られる、そ
の次は400元以上でパス!。

どこも異常な高値です、元々高いのか、おばさん達が値段をつり上げているのかち
ょっと分かりません。

「もっと安くないと泊まれないですよ。」とおばさんに言うと。
「そう、じゃこっち来て。」と言ってつれて来られたのはドミトリーの宿、1ベッ
ト70元3人部屋貸し切りで210元です、薄暗く古い部屋です、元気なときは面
白がって泊まるところですが、今は、山登りのヘトヘトの上に宿探し疲れも蓄積中
で、風呂に入ってゆっくり出来る所と言う、現状を無視した贅沢な願望があります。

と言うことでここもパスしてしまいました。

「あの、もうけっこうですから。」
「いいから、いいから、じゃこっちの宿に行きましょう。」

しかし、どうもおばさん達に値をつり上げられている気がしてしょうがありません
ので、今度は自分で勝手に歩き出し、さっき目を付けていた宿に片端から入ってみ
ました。しかし相場はほとんどかわりません。

疑って悪かったかな、しかし、困ってしまうのは400元以下の宿が無いこと、い
くらなんでもなー。と困っていると貼り付いて来ていたおばさん達は、相談し合っ
てあそこにしようと、町外れの方に向かって私を連れて行きます。

もう30分以上もものすごいスピードで宿を探しまくっています。

気が付くと、おばさん息が荒れています。
自分の方も はあはあ 言っています。

「はあ、はあ おばさん疲れたでしょう」
「はあ、はあ」

おたがい、顔を見合わせて苦笑いです。
このおばさん親切なのか、根性があるのか、まぁ悪い人ではなさそうです。

次の宿300元代だったら決めてしまおうと覚悟を決めていました、殺風景なホテ
ルですが360元をねぎって330元で決まり。

おばさん達にお礼を言ってお別れです。

ベットと作りつけのテーブル以外はなんの調度も設備もない変な部屋です、ベット
に横になってちょっと後悔しましたが、結果としてそれほど問題は有りませんでし
た、気が付いたときは朝になっていましたから。

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