泉州清源山のお話

                10月7日

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昔々の10月7日福建省の泉州であったお話をします。

泉州の街からほど近い場所に清源山と言う所がありましたここは昔道教の修行場
であったところで、今でも沢山のお堂や石像があり面白い形の石や木に趣の有ると
ころで、ここに来る旅人はたいていはここに物見遊山にやってきます。

ある、遠い国からやってきたこの旅の男もこのうわさを聞き是非一度見てみたいと
思いやって参りました。

入場料35元を払い中に入ってみると、まず老子の石像があり、見上げると山のあ
ちこちに、お堂の屋根や文字が刻まれた大岩などが見え隠れしております

すでに半日他の所を色々見て回っていてだいぶんと疲れてはおりましたが、どうし
ても近くで見てみたくなり、石像を見終わるとその脇に通っている山道を登り始め
ました。

しばらく行くと、足下から蛇が出てきて草むらの方に逃げていきます、男は突然恐
ろしくなりましたこの旅の途中武夷山と言う所で、咬まれると5歩あるく間に死ん
でしまう「5歩蛇」の話を聞いていたからです。

あまり信心が深くは無かったのですが、最初に訪れたお堂で神様にこの山登りの安
全をお願いすることにしました。

しかしその男の国は同じ神様を祀ってはますが、言葉もお祈りのしかたも違います
だけど神様に言っている事が分からなかったり、失礼なやつだと思われるのはこま
るので、

この土地の人のお祈りのしかたを思いだしながらお祈りをし、カタコト言葉でお願
いをしてみました。

「どうか無事に山に登り、おろさせて下さい。チントートーグゥアンジョーバ。」

観光シーズンも終わり、めっきりお参りに来る人も少なくなり、ひまでひまでしょ
うがなかった神様は、この男の滑稽なお参りをたいそう面白がり、どうせ暇なので
願いをかなえてやることにしました。

 男はまた山に登り始めましたが、なにぶん登る前からかなり疲れておりましたの
ですぐにヘタリ込んでしまい山登りなんてどうでも良い気になって来ました。

 第一水を持ってこなかったので、喉が乾いてしょうがありません。「これ以上水
無しで登るのは危ないな。」と理由を付け降りてしまおうと思ったとき、駕篭を持
った一人の女の人が何処からともなく現れたのです。

 その人の言う事には「この少し上に面白いところが有るわよ、それを見たらああ
行ってこう行って頂上のテレビ塔まで行ったら大きな通りが有るからそれで降りれ
ばいいのよ、なんか飲んで行きなさい。」

 差し出された駕篭の中にはなんと飲み物が入っているではありませんか。

「えっと じゃスプライト」
「はい5元よ 清 慢慢 走(本当に気をつけてね)」

少し登ると、大きな池の有るところに出ました。地図を見るとここまで来ればもう
見所はだいたい見たことになります、見ると頂上のテレビ塔はずーっと上の遠いと
ころにあります。

 「ここまで来たらだいたい見たし、それにお腹か空いてきたな食料も無くこれ以
上登るのは危険だ」そう理由を付け山を降りようとすると、駕篭を持った一人の女
の人が何処からともなく現れるのです。

その人の言う事には「この池は、地図にある池とは違うはよ、そこに行くにはこの
道を行くのそれを見たらああいってこういって頂上のテレビ塔まで行ったら大きな
通りだあるからそれで降りればいいのよ、なにか食べて行きなさい。」

 差し出された駕篭にはなんと食べ物が入っているではありませんか。

「えっと じゃこれ。」
「はい5元よ、清 慢慢 走」

食べ物を食べると少し力が出てきましたのでがんばってもう少し登ると、本当の池
の所に出ました、頂上のテレビ塔もだいぶ近づいてきました。

「よし今度こそだいたい見たな、それにヘトヘトだ今度こそ降りるぞ。」そう思っ
たとき岸辺の東屋で女の人が飲み物と食べ物を並べて待っているではありませんか。

「おにいさん、チョット休んで行きなさい。」
「あっ はい」・・・・・・・・・

 30分後男は頂上に立っておりました。大岩にすわり辺りを見回すと、湖と遠く
の山並み、街の向こうには海が広がっております。

「ここまでこれて本当に良かった、ああ気持ちがいい。」

男はつくづく思いました。

さて、今度は下りですテレビ塔の大きな道は舗装されていて、歩くとズンスン足に
響きます、自動車道なので傾斜は緩い代わりに距離はずっと長くなっています。

10分ほど歩いたところで、疲れ果てて両膝に手を当て動けなくなってしまいまし
た。「これでは麓につくのは何時になるか分からない。」少し不安な気持ちになっ
ていると、何処からともなく車輪が二つだけの乗り物に乗った2人の男が現れまし
た。

その人達の言う事には、

「お困りの様ですね、私たちがあなたを麓までつれていってあげましょう。」

「・・・・いくらですか?」

「15元!」

「・・・・どうぞお願いします。」

旅の男が真ん中になってその乗り物に3人乗ると、すごいスピードで走り出します。

「ちっ ちょっとまってヘルメットは、えっつ ニュートラルのまま降りるのコー
ナー曲がれなくなるよ、ちょっとーー!」・・・・・・・

10分後男は、麓を通る大通りに立っておりました。

かなり疲れましたが、まあ楽しい山登りだったかなと思い、足をさすりながら去っ
て行きました。

山のお堂の神様はそれをごらんになり1度大きくうなずくとウシシシとお笑いにな
りました。 めでたしめせたし。

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【教訓】

中国は道教の国なので本当に色々な神様が色々な場所にいて、それがたとえ真夜中
であっても旅人へ助けの手を差し出してくれています、信心の心が有ればその恩恵
を受けることが出来ます。・・・・お金は取られますけど (^^;

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