2004/04/16

均質なるマトリックスの向こう側、始まりの地に帰りなさいという声がするぞ 

ココログ
 なんだかココログが良い。
 最近、毎日日記を書いている友人が、ココログにシステムを移したのだが、これが非常に良く出来ている。
 ウチの採用しているBLOGGERは、CGIと呼ばれるサーバ上で動くソフトウェアと日記の元データを保存しているデータベースはBLOGGERのサーバ上にあり、この今貴方が読んでいるURLに書き出されるものは単なるHTMLファイルの塊でしかない。おかげでほとんどの場合、他のページを見ようとした時に喰う手間は、HTMLファイルをサーバからユーザのマシンに読み込む時間だけである。前もって作ってあるページを読み込むだけなのである。これを静的BLOGという。特長は二つ。読み手にとって読み込みが早いことと、各ページのURLが固定するので検索エンジンに引っかかり易くなること。記事が増えればその分だけページが増える。云ってみれば、本のようなものである。
 しかし、一般的なBLOGは、CGIとデータベースを自分のサーバ内に置き、その場でページを作ってみせている。つまり、BLOGGERより、毎回の動作がひと手間余計に掛かっている。これを動的BLOGという。特長は、「このジャンルの記事だけを集めたページ」などと云った記事の選り分けが出来ること。弱点は表示までに時間がかかること。あらかじめ分厚い百科事典のような本があるのではなく、記事の内容を全部覚えていてくれる小人さんが居て、こっちの要求に応じてたった一枚の紙に、毎回内容を書き出してくれるのだ。
 しかし、まあ、BLOG用CGI開発者も、一種天才揃いであり、いろいろな対抗策を講じている。一番手っ取り早いのは、よく参照されるページや、旧い記事だけ先にHTMLにしておくこと。動的BLOGの自由度と静的BLOGの高速性・検索エンジンに対する親和性を共に備えている。
 で、ココログである。これは、MovableTypeという今一番普及しているんじゃないかと云うシステムをニフティ用に調整したものだが、友人のココログを見る分に、びっくりするほど早い。たぶん一部静的に置いてあるおかげなのだろうが、これはいい。気持ちがいい。
 あと、このBLOGGERではできない、ジャンル別サマリーが取れるらしいことも、魅力のひとつだ。
 ニフティは、神北がパソコン通信をはじめた故郷だ。SFフォーラムのシスオペもしたし、その引退後にも、ニフティコンベンションというフォーラムのお祭りを仕掛けさせてもらったりもした。まあ、その後、自ら集めた人々とともに築き上げたフォーラム文化を、自ら叩き潰して行くニフティーと云う会社を見ていて悲しくなったことと、どうも、ユーザを大事にすることが下手なこの会社は、So-net等の後発と比べて設定とか複雑で、新しい人に勧め難いという事で、自分も今は、敬して遠くに離れている。しかしニフティIDはまだ2つも持っているのだし、これを書いている時点で、このWEBLOGのあるここもニフティのホームページだ。ココログに移ろうかな〜という気が、ちょっとする。

だから僕は…
 故郷を捨てた話と云えば、最近、文庫版を買って来て『だから僕は… ガンダムへの道』(富野由悠季/角川スニーカー文庫2002年 619円税別)を読んでいる。アニメージュの連載で読み、単行本を買っている訳だから、その後の加筆訂正分を除けば知っている本なのだが、最初に読んだのは多分ハイティーンどん詰まりかハタチの声を聞いた頃。それが、今、当時の富野さん(40歳前後)と同じような年格好になってから読み返してみると、なんか、いろんなことが見えて来る。フとした昔話エピソードに、当時判らなかった郷愁が潜んでいる。なんせ、昔話を語っている当時の富野さんより、語られている子供時代・少年時代の年齢の方によほど近い読者だ。つまり、ケツの青いガキだったのだ。働いたことも無く、社会に揉まれて、本人にとっては全く理不尽な理由で右往左往させられた事も無いうちは、文面に書かれた事は読めても、行間に描かれた心象風景は見えてなかったのだなぁと痛感。
 もちろん、この歳に既に富野さんは、トリトンなどを経て、ザンボット、ダイターン、ガンダム、そしてイデオンと、着実に監督として名を成し、スポンサーやら代理店やらを向こうに回して丁々発止、肉を切らせてとどめを刺すような日々を送っている訳で、日々、お気楽極楽な生活を続けている神北には読めない世界がまだまだあるだろう。が、まあ、ひとつ判った事があるとすれば、この本は、40歳のオヤジが、後の40歳のオヤジに向けて書き残したものだという事だ。言い換えれば、大半の読者だったであろう(当時)若い人たちに書いたのではなく、当時まだガキだった後のオヤジ達に対して、密かに仕掛けた時限爆弾だったという事だ。
 普遍的なエッセイとして読めるものではないかもしれない。あくまでも同時代的な話題を読む本なのかもしれないが、もし、あなたが、40歳を超えているか、そろそろ40と云う歳になっているなら、是非一度、既読の方は今一度、この本を手に取られる事をお薦めする。

2004/04/12

英雄の死を悼むぞ 

 イングランド南西部のデヴォンに、デヴォン伯爵家の本城、パウダーハム城がある。この城のバラ園で、つい先日、クリミア戦争の最後の英雄が亡くなった。名はティモシー。かの、セバストポリ攻略戦では英国軍艦に乗り組み、その後も、栄光の英国海軍の一員として本国と植民地を巡り、七つの海を旅し続け、勲功賞をも送られた受勲者でもある。
 ちなみに、ティモシーは亀。160年前、イギリスはヴィクトリア女王の御代。生後すぐに、女王陛下の海軍において、軍艦のマスコットとして乗艦。その艦はセバストポリ攻略戦に参加。戦後、艦と供に、東インドや中国にも赴いた。三十数年後の1893年に引退したティモシーは、パウダーハム城に移り、その庭をついの住まいとした。爾来110年。穏やかな老後に最後のピリオドを打ったのだそうだ。
 ちなみに、よくあることだがティモシーが女性だと判明したのは、1926年というから70歳になってから。配偶者との間にいつまでも子供を作らないことを不審がられるまで、みんな女性だとは思っていなかったそうだ。(海軍軍人だしね)
 そういえば、アフリカをトコトコトコトコ歩き続けたことで知られる旅行カバ、ヒューバートも、不注意な自動車と衝突事故をおこして絶命するまで、だれも身重な女性であるとは知らなかったらしい。

 ともあれ、合掌。黙祷。


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