衆議院国土交通委員会(伴野議員関連部分)
2007年2月21日(水)10:30〜11:30
伴野 豊議員(愛知8区、JR連合国会議員懇)
【 伴野豊議員 】
大臣は本当に見てみぬふりができない方だとお見受けした。今もすぐ時間を作って新宿あるいは都庁の駐車場を見ていただくと、これは公営の部分、都議会でも問題になったらしいが、見ていっていただくだけでも随分変わる。私のような素人がビデオを見ても営業区域違反の疑義、道路交通法違反の疑義、旅行業法違反の疑義を指摘できる。是非プロの方が見ていただければちょっと行き過ぎている現状を見てとっていただけると思う。運輸事業は命を運ぶものであり、安全は輸送業務の最大の使命、これ以上のものもこれ以下のものもない、そのために最大限の努力をする、安全に微塵の疑いもあったら潰していくというのが姿勢だと思うので、よろしくお願いする。
昨今、マスコミ等で大きく報道されている大変残念な案件の一つである。大臣もご案内だと思うが、様々な報道でもあったJR東日本、JR北海道、JR貨物の主力労働組合を上部組織として束ねているJR総連の関連団体である日本鉄道福祉事業協会に、15日警視庁公安部が業務上横領の疑いで捜索に入った。さらには続く数日後にも今度はJR東労組元会長個人宅だと思うが、同じような容疑で財団着服事件として捜査に入られている。また、JR総連の現職幹部のお宅にも公安部が捜査に入っているという報道が立て続けに飛び込んできた。まず事実確認をさせていただきたい。
【 米村敏朗警察庁警備局長 】
警視庁において、2月15日及び19日の両日、財団法人日本鉄道福祉事業協会の関係者が同協会のために業務上預かり保管中の金員を私的用途に充てるために横領した容疑で、同協会事務所や全日本鉄道労働組合総連合、略称JR総連の事務所が所在する目黒さつき会館等の関係先を捜索したものと承知している。詳細については現在まさに捜査中の事件であり、答弁は差し控えさせていただく。
【 伴野議員 】
もう少し細かく事実関係を伺いたいところだが、個別案件ということだと思うので、事実関係だけ後ほどまたさせていただければと思う。厚労省さんが所管だと思うが、日本鉄道福祉事業協会とはいかなるもので、その理事長さんはどういう方で、JR総連との関係は如何ようになっているか事実関係を教えてほしい。
【 金子順一厚生労働省政策統括官 】
日本鉄道福祉事業協会は、昭和56年6月に当時の労働省が許可した公益法人である。寄附行為によれば法人の施設を広く労働者に開放し、労働者の福祉の向上に寄与することなどを目的にしている。具体的には、目黒さつき会館、こういう施設等を運営しているものである。2つ目のお尋ねである、JR総連との関係について、私ども承知しているところでは56年の法人設立にあたり、多くの財産、寄附がJR総連の母体の一つとなっている動力者労働組合、動労だが、こちらから財産の寄附を受けていることを承知している。また財団の役員の関係について、JR総連その他JR関係労組の役員の方々が就任しており、理事長さんについては現職のJR総連委員長、副理事長2名はいずれもJR総連加盟の労組であるJR貨物労組委員長さんとJR東労組委員長さんが務めているという状況である。
【 伴野議員 】
いまお聞きしただけでも、今回の財団法人日本鉄道福祉事業協会、これはまさにJR総連の幹部の方々が理事長をはじめ要職に就いている、そういういう団体である。そこにおいて今回のような巨額な不明朗なお金、しかもそれを横領したのではないかという疑い、銀行で銀行マンがちょっと着服ということになると経済事件として扱われるのだろうが、公安さんが入ることはないのだろうと思う。やはりここで公安さんが出てくるということを私なりにいろいろ咀嚼させていただくと、以前10月25日の委員会大臣所信に対する質問の中で、安全安心のテーマの一つでお話させていただき、そのときも局長さんが答弁していただいたと思うが、JR総連及びJR東労組の中に相当浸透していると言われる革マル、そことの関わりは避けて通れない問題であろうと思う。そうした中で、資金源とも推測される巨額なお金が横領されていると、今後の捜査の経緯を見つめたいと思うが、改めてこのことの重大性を委員会でも確認していただく意味でもお聞きしたいと思う。改めて、革マル派というのはどういう組織であるか。
【 米村局長 】
革マル派、正式名称日本革命的共産主義者同盟革命的マルクス主義派であるが、これは共産主義革命を起こすことを究極の目的としている極左暴力集団である。現在約5,400人の活動家等を擁していると見ているところである。革マル派は、他の極左暴力集団と比較しても、その非公然性が極めて強い組織である。しかもこれまでにも火炎瓶の使用等の処罰に関する法律違反事件、あるいは対立するセクトとの間での殺人事件等々、多数の刑事事件を惹き起こしているところである。また革マル派は現在、将来の共産主義革命に備えるため、その組織拡大に重点を置いており、周囲に警戒心を抱かせないよう、その党派性を隠して基幹産業の労働組合等々、各界各層への浸透を図っているというふうに見ている。
【 伴野議員 】
そういう組織が相当数浸透している。主意書を見れば5千何某との数も出ているが、そういった国家転覆を狙う組織に対して、これはもう政府あげて取り組まないといけないことだと思う。一つの列車、一つの鉄道会社が安全安心とかというレベルを超えた話になっているのではないかと危惧している。見て見ぬふりができない案件であり、国鉄改革20年経った今でも棘のように刺さっているのはこの革マル派である。こうした懸案が今後どうなってしまうのか、課題についても警備局長に伺いたい。
【 米村局長 】
ご指摘のとおり、警察は、平成8年以降、革マル派の非公然アジト20箇所を摘発している。これらのアジト一部から押収した資料を分析するなどした結果、JR総連及びJR東労組内において、革マル派活動家がその影響力を行使しうる立場に相当浸透しているとみている。そのうえで、こうした革マル派の非公然活動家がJR総連あるいはJR東労組と対立する労働組合の関係者に対する住居侵入等の違法行為を伴う調査活動を行なった事件であるとか、革マル派活動家を含むJR東労組の組合員らが、JR東労組と対立する労働組合に属する者と行動を共にするなどした組合員に対し、組合の脱退あるいは退職を強要した事件を検討しているところである。革マル派は今後も労働運動を通じた組織の維持・拡大をはかるため、この種の事件と同様の事件を惹き起こすことが懸念されると考えている。
【 伴野議員 】
10月にお聞きした時よりも収まることはなく、相当浸透していくであろうという懸念も含めてお話しをいただいたと思う。改めて、大臣、JR東日本は確かに民間会社であるが、世界最大級の鉄道会社であり、しかも国鉄改革という国民のたくさんの税金投入して生まれた鉄道会社であり、しかも区間によってはかなり選択肢が限られた鉄道である。またJR北海道、JR貨物に関しては100%政府出資の特殊会社である。こういうところを、上部組織として束ねているJR総連が、革マルに5千人規模で侵食されているということは、先程から繰り返し言っているが、一列車の事故がどうとか旅客会社の経営問題が云々とかという次元を超えていると思う。今ずっとお聞きいただいた中で、正直言って10月25日に答弁いただいた大臣の言葉を前向きに非常に評価させていただいて、多分、JR東日本の運輸マネジメント評価の際には、何らかの形でメッセージを出されると、何らかの形で助言されるだろうと期待していたが、平成18年11月27日にそれは行なわれたが、残念ながら革マルの浸透に対するご助言やご指導やそれに類推するものは皆無であったと思われる。今、大臣、どう思うか。
【 冬柴鐵三国土交通大臣 】
今、警察庁はじめ驚くべき実態が報告された。しかしながら、ご了解いただきたいのは、完全民営化されたJR東日本の労働者と使用者、労使関係の問題であることは本質的には変わらないわけである。我々は、運輸の安全という問題に支障が生じたとか、先程申し上げたように、問題が顕在化した場合は厳しく対応しなければならないと思う。それは、輸送の安全を担当する官庁として当然の話である。今までも工事やダイヤ等についての法令に基づく許認可等によるチェックをするほか、保安監査により事業所に立ち入り、輸送の安全に関する事業の管理、施設の状況等について確認を行った。またその結果や事故等の報告を踏まえ、必要に応じて事業者を指導・監督する等、必要な施策はきっちりと推進してきたと確信している。今後も鉄道輸送の安全の確保を至上命題として、しっかりと行政官庁としての責を果たしていきたいと考えている。また運輸安全マネジメント評価に論及されたが、我々は東日本に対して、昨年の11月27日と28日会社に赴き、終日運輸安全マネジメント評価を行なったところであり、安全管理体制の構築にかかる一連の取組みについては評価ができるという感触を得ている。しかしながら安全風土の構築・定着のためには、不断の取組みが必要である。そういう意味で、今後一層、今後とも安全管理体制の充実・強化に向けて、事故の芽情報の具体的な活用方策の確立、内部監査及び安全管理体制の見直しの仕組みの確立等について助言も行い、監視もしているところである。今後JR東日本の努力によって一層、輸送の安全の強化がはかられなければならない、そう考えている。
【 伴野議員 】
残念ながら、そこの部分が大臣と私で見解が大きく違う。先程来申し上げているように、輸送業務にとって安全は最大の使命で、これ以上のものはない。とりわけ鉄道という労働集約産業において、労使関係は経営そのものであってもいいくらい、安全そのものであっていいくらい、だから安全と経営と労使関係というのは、三つ巴と考えていただいていい。わかりやすく言えば、今回のバス事故、きちっとして組合・労使関係があったら、労の方から悲鳴があがり労働基準違反ではないかと、7時間もぶっ通しでしかも交代がいない、というところできちっとチェックできる。だから、そのものである。通告しなくて恐縮だが、大臣にイメージで結構、リーダー研修と民間会社でいう場合、どんな研修、あるいはどんな人を育てると思うか。
【 冬柴大臣 】
そのような面については、経験の浅い私がこのような場所で述べるのは適当でないかもしれないが、特に運輸事業ということであれば、労使を問わず、乗客の安全あるいは利便性の向上ということを共通の目標として、対立でなく、両方が同じ方向に向かって進めるような研修を施すであろうと思う。
【 伴野議員 】
通常の民間会社がリーダーを育てていくというと、当然、社長あるいは会長、取締役会、経営陣の意思をきちっと会社に伝達し、そしてそれが現場までおりていくように、その層ごとに核になる人を育てていく、ある時は係長研修だったり課長研修だったりする。これはまさに安全と裏腹である。特に鉄道はじめ運輸事業というのは、そういうものである。今革マルに侵食されているというJR東日本においては、民間会社では当たり前にできているリーダー研修すらできない状況になっている。是非ご認識いただきたい。先程来警備局長がおっしゃっているような相手であり代物である。革マルのご認識はいただいたか。それが相当数JR総連・JR東労組に浸透している、 組合員の前に社員である。そこに浸透しているご認識はいただいているということでいいか、確認したい。
【 冬柴大臣 】
警察庁の担当者からこの公の場で答弁されたことが真実であるという認識をもった。
【 伴野議員 】
そうした中で、やはりまだ、この問題は経営の問題だと、言ってしまうのか。そうではなくて、どこにもこの運輸安全マネジメントのマニュアルの中に、そういうことを言ってはいけない、そういう助言をしてはいけないなんて書いていない。法律にもどこにも書いていない。助言してもいい。もっと言えば、公の立場でしにくければ、大臣がいつでも呼び出して、「今日、警備局長からこんな話を聞いた。本当に大丈夫か」というだけで違う。それと「普通の民間会社でできている、幹部候補生あるいは各現場のリーダーをつくる研修がちゃんとできてないそうじゃないか。それで安全を守れるのか」とひとこと言っていただくだけで随分違うと思うがいかがか。
【 冬柴大臣 】
運輸安全マネジメントで指導する場合には、ただ単に経営者に会うとかだけでなく、経営者と乗務員あるいは従業員との対話・交流がうまくいっているのかとか、どういう機会に話をしているのかとか、そういうことも全て調査の対象にしている。ただ、思想信条の自由ということがある。そしてそれは、表にあらわれた行為については、刑罰法令に触れれば、厳しく、その所管する者が対処していくわけであり、そういうことがない状況のなかで、思想信条だけで、我々がその心のひだの中に踏み込んでどうこうするということは、国の今の憲法体制の中では非常に難しい。これはご了解いただきたいと思う。ただ、我々は、思想信条が発露する場面において、運輸の安全に関わることが起こってくることになれば、これは見過ごすわけにはいかない。しかし、所作動作の中にあらわれていない、その人達の集団を指導する立場にはないということだけはご了解いただきたい。
【 伴野議員 】
思想信条で指導しろなんて一言も言ってない。それと、私の質問主意書の(答弁の)中にも、はっきり具体的・個別な列車事故が起きなければ動けないと書いてあるが、これは言ってみれば、戦争が起きて誰かが死なないかぎりは予防外交なんて無用だと言っているのに等しくならないか。やれることはやっていくんだ。事故が起きないようにインシデントを摘む、先程言ったように、労使関係あるいは教育がきちっとできないというのはもう安全にとって最大のマイナスである。もっと言えば、委員会でも 全国の方が見てくださっていると思っているが、はっきり言ってJR東日本にとってみればイメージダウンの話である。こんなイメージダウンのことを払拭しなければ、民間会社なら、株主総会でやられるし、市場が嫌気をさす。そうしたら資金も抜け、安全投資できなくなる。白黒はっきりさせないといけない。警察がそう言っているなら、どこにそういう人がいるのか、というのも一つの手かもしれないし、あるいは早く棘を抜くために、いろんな情報交換をして協力していただくとか、思想信条とかそんなことをチェックしてくれと大臣に申し上げているわけではない。先程申し上げたように、パフォーマンスかもしれないが、東日本会社の社長を大臣室に招き、「今日こういう委員会があったが、どうだ」と言っていただくだけでも随分変わる。しかも、革マルは、先程来、警備局長が恐ろしい集団だと言っているではないか。この手の人達は、潜伏して、わけのわからないうちにお金を貯め、武器もしっかりと貯めておいて、一気にやるというのが世界の常道ではないか。まさにここで大臣が書いている交通事業のテロ対策の国内的な最大ことである。それもできないというのは、大臣が、見て見ぬふりをするお一人になってしまう気がしてならない。是非、大臣には、見て見ぬふりをしない大臣になっていただきたい。どうですか。
【 冬柴大臣 】
応援ありがとう。見ぬふりはしない。しかしながら、日本には警察組織がある。違法行為が表に出た時には、厳しく対処する組織もある。しかしながら、我々は、だからといって、運輸の安全に関わる問題が生ずる場合には看過しないということを申し上げている。厳しく対処させていただくということで、踏み込んだ答弁をしているつもりである。そういう意味で、委員の指摘はよくわかるが、民営化した会社の中のそのような問題について、私がここでいうことは・・・ご了解いただきたい。
【 伴野議員 】
大臣と認識が違う。答弁書も読んでくださいということで、レクに来た方にも伝えたが、「輸送の安全の確保に問題があるか否かの判断に関しては、列車衝突事故等の発生するおそれがあると認められる事態等の個別の事案に基づき判断する」、これじゃ遅いと言っている。遅い。遅いから私はこれだけ言っている。できた時には本当にお一人じゃないかもしれない。だから言っている。こんなので良ければ何もしなくていいということになってしまう。それは違うと思う。今の大臣のおっしゃることは、本当に個別具体的な事故が起きるまでは動けないということ。これが国土交通大臣だったら、国務大臣として動いてください。
【 冬柴大臣 】
安全に支障が生じるような兆候があるとか、そういう問題については厳しく対処していく。
【 伴野議員 】
確認するが、主意書でお書きになった「列車衝突事故等の発生するおそれがあると認められるとき」まで、ないということか、残念ながら、確認したい。
【 冬柴大臣 】
それは答弁書の中の一事例であり、いろんな場面があると思う。そういうものについて、私が多くの不特定多数の乗客を乗せて運ぶ公共交通機関として不適当、これがやはり安全に支障を及ぼす事態だということを感じた時には、今あげられたことも一つだが、もっといろいろな各段階の問題もあるのではないかと思う。そういう時には、厳しく対処するが、それには根拠がいる。そういう法令に基づいて我々ができることはきっちりとさせていただくということを申し上げておきたい。なお、そういう人達が社会人として、違法な行為を、法に反する罰則に触れるような行為をした場合には、わが国には立派な警察組織があるから、そこはそこでやるだろう。ただ我々は、運輸の安全ということを担当する役所としてできることは全部させていただくということである。
【 伴野議員 】
今、根拠とおっしゃったが、警察庁なり政府の主意書で、JR総連及びJR東日本労組に5000人規模で相当浸透しているという、この政府答弁が最大の根拠ではないですか。それ以外の根拠は、何がいるのか。逆に教えて欲しい。白黒はっきりつけて欲しい。そうでないと、鉄道に関わってきた人間として、こんな情けない話はない。自分が少しでも仕事に関わってきた、あるいは今でも関わりのある人達、それが革マルに浸透されている、こういったことが明らかになっているのに、これが自分達の世代で解決できずに、どんどん先送りされてしまって、その時には、尊い命が、列車衝突事故の発生とともに、起こってしまう、そこまでは、何も国土交通省として動けないのであれば、今の安全予防活動・投資の全てをやめてもいいではないか。何で投資しているのか。先程の検知マットもそうである。そういうことをお願いしている。私も逃げない、だから大臣も是非一緒に闘って欲しい。大臣は見て見ぬふりできない方だと思う。だから、大臣、お願いである。そんなに難しいことというか、法に則って云々ということではなく、明日でも今日でも、東日本の社長を招き、「こういう委員会だったけど、どうだ」くらい(言って)、何も指示も指導もしなくていい、意見を聞くだけでもいい、「どっちが正しいのか」「伴野が言っていること無茶苦茶ではないのか」と言ってもいい。是非白黒つけていきたい、この手の話は。是非。是非。私の尊敬する大臣でもあるので、意を含んでくださったということで、私もここでこれ以上(言わない)。(談合問題もしたかったので恐縮申し訳ない)。(この問題は)それだけ大変なことである。安全安心・テロ対策の最大の事案である。是非さらにご認識を深めていただきたい。
以 上