
2008春季生活闘争がはじまりました。本紙は、JR連合グループ労組連絡会に加盟する全ての組合に対して発行する、春闘「手引き書」です。積極的に活用してください。
JR連合は2月1日に中央委員会を開催し、2008春季生活闘争の闘争方針を決定しました。言うまでもなく春闘は、私たちの労働条件向上に向けた大変重要な局面となります。すべての組合が組織の総力をあげて、労使交渉に臨んでいただきたいと思います。
私たちの加盟するナショナルセンター「連合」は、今春闘を「労働の尊厳を守る」「労働分配率を反転させる」闘いと位置づけています。この間、多くの企業が好調な業績をあげる一方で、働く者への分配を抑え、経営基盤の強化等に努めてきました。その結果、景気が回復する中でも労働者の賃金は伸び悩んできました。また昨今では、原油や原材料費の高騰により生活関連商品の価格が上昇し、家計を直撃しています。加えて定率減税の廃止や社会保険料負担の増などもあり、可処分所得はいっそう減少すると見られています。こうした状況からも、今春闘では積極的な賃金引き上げを実現し、私たち労働者の生活を改善、安定させることが求められています。
またJRグループ各社を俯瞰すると、そこに働く労働条件はJR各社に比して、調査結果から、総じて低位にあると言えます。JR産業の発展は、JR産業に働くすべてのJR連合組合員の支えなしで成り立たないことは明白です。組合員の働く意欲や向上心を維持するためにも、JRグループ会社にふさわしい労働条件を整備する必要があります。
JR連合に加盟する全ての組合員の期待に応えるため、本手引きを積極的に活用し、今春闘で大きな成果を引き出すべく、グループ連絡会各労組には最大限の奮闘を要請します。
2008年2月
JR連合グループ労組対策プロジェクト
JR連合グループ労組連絡会として取り組んでいる通年課題、即ち「賃金制度の確立」(生計費を考慮した適正な定期昇給制度)、「労働協約の締結」、そして「契約社員、パート社員に関するルール化」にも取り組みます。特に、平成20年4月1日施行の改正パートタイム労働法については、チェックシートなどを活用して遵守を徹底していくこととします。
JR連合統一要求として、「7,000円(定昇込み)中心」の賃金引き上げを求めます。
※賃金カーブ維持分(定期昇給分)4,500円を含む
私たちが求める賃金目標として「最低到達目標賃金」(すべての単組がクリアすべき目標)、「必達目標賃金」(分科会の所属によらず、全単組が目指す目標)、「分科会到達目標賃金」(分科会ごとの目標)を設定し、それぞれ段階的な到達をめざします。
賃金制度と合わせその他の労働条件、特に時間外労働や時間管理などの運用の実態を把握し、改善にむけて取り組みます。
統一要求、および早期の回答引き出しに向けて取り組みます。
今年は統一要求日を2月29日に設定し、JR連合グループ労組連絡会に加盟する全ての組合が、この日に一斉に要求書の提出を行うこととします。
また回答引き出しについては、連合の設定する解決促進ゾーンに合わせ、それぞれの単組は、交渉、妥結の集中化をはかり、可能な限り3月中の決着、遅くとも4月中に全ての組合で決着できるよう、精力的に交渉に臨むこととします。
1.「賃金カーブ」とは何か(その1)
各会社の従業員の賃金は、各社ごとに違いはあるものの、年齢や勤続年数が1歳、1年ずつ上がる毎に賃金も上昇し、概ね、右肩上がりカーブを描くラインで表すことができます。この傾向を示すラインが「賃金カーブ」です。
昇給や昇進の制度が確立している会社では、例えばある組合員が高校を卒業して18歳で就職し、一般的なスピードで昇進した場合、30歳、40歳、50歳と年齢、勤続を重ねる毎にどのような賃金となるか予測をつけることができます。これが理論に基づく賃金カーブです。(⇒図表1)
しかし、賃金カーブは制度が確立してなくとも、実態として存在します。私たち勤労者は勤続を重ねることで知識、技能を修得し、仕事の能力(職能)を高めていきます。また、年代別に必要となる生計費も、例えば20代、30代、40代、50代とそれぞれ異なります。企業もこうした職能や生計費のレベルアップを無視して人を雇うことはできません。JRグループ企業でも、経営危機にあるような場合を除き、労働組合の交渉を通じて、毎年、一定の昇給を確保しています。従って、実在者の賃金を表上に記入していくと、その分布からみて、実態に基づく何らかの賃金カーブが明らかになるはずです。賃金カーブを明らかにすることは、きわめて重要な労使交渉の前提条件です。労使で各社の賃金カーブを確認することから、賃金交渉が始まるといっても過言ではありません。(⇒図表2)

2.「賃金カーブ」とは何か(その2)
実際には、表上に実在者の賃金を記入していっても、ある程度の傾向はつかめますが、きれいなカーブを描くことは困難な場合が多いのが実態です。それは、採用区分や過去の制度変更などによるものと考えられます。
グループ各社の組合員の皆さんには、新規採用の方も中途採用の方もいます。いわゆるプロパー社員とJRのOB社員とが混在した会社もあります。採用の年齢や学歴などの区分が違うと、初任給に差が生じます。勤続年数が異なれば、同じ年齢でも昇給額が違うケースもあります。従って賃金カーブは、プロパー社員とOB社員とを区分するなど、ある程度条件を揃えたグループごとにカーブを描いたうえで議論を進める必要があります。
企業業績の変動などに応じ、賃金制度が改められることがあります。また、独立、合併などの再編を経てきたグループ企業も多くありますが、その度に賃金制度が変更されることになります。こうした場合、年代によって過去にたどってきた経過が異なり、20代と50代でカーブがつながらないなど、賃金カーブが不連続になることがあります。グループ労組では、実際にはこうしたケースが多いと考えられます。こうした実態を分析のうえ問題点を明らかにし、交渉に反映させていくことも重要です。
賃金カーブを描き、その分析を進めるうえで、今後の改善を求めるべき問題点を見いだす視点としては、「なだらかな右肩上がりのカーブを描くためにはどうすべきか」という捉え方を基本認識とし、カーブに急な凸凹はないか、カーブの立ち上がり方は低くはないか、などの観点からその問題点と背景をさらに分析し、労使協議を重ねることが肝要です。

3.「定期昇給」の重要性(その1)
賃金カーブは、若い人にとっては、将来到達する賃金のおおよその姿を示すものです。私たちは、結婚、育児、住宅取得、教育、老後など、年代毎に必要となる生計費を考慮し、収入の予測をたてながら、ある程度の生活設計を検討していきます。自分の将来の収入を予測する場合、賃金制度を基に計算したり、先輩の賃金を参考にしたりします。
先輩の賃金に追いつくには、先輩との間の1年1歳の賃金間差を確保する必要があります。これによって賃金カーブを維持することができるのです。賃金カーブを維持するための賃金間差分の昇給を、毎年、実施することをルール化したものが「定期昇給」(定昇)です。
まず、賃金カーブを維持するために必要な昇給額はいくらかを、労使で確認することが求められます。(「事前交渉」として重要な意味を持ちます)
定昇は賃金カーブを維持し、先輩が歩んだ賃金に追いつくための昇給です。賃金カーブそのものの水準を引き上げるベースアップとは異なります。仮に、社員の年齢構成が毎年度、変わらぬ人数ならば、定昇を実施しても企業の人件費は変わらず、原資の持ち出しを必要とはしません。客観的にもやむを得ない緊急避難的ケースを除いて、人件費の縮小を目論む定昇金額の切り下げには毅然とした対応が必要です。また、昇給実施後において、賃金実態調査を行い検証すべきです。その際、賃金表が明らかではないなどの情報不足の実態にある単組は、今春闘で必ずその公表を求めましょう。
職能のレベルアップや生計費の上昇に応じ先輩並みの賃金を確保していくことは、労働意欲や生計費確保の観点から、組合員にとって絶対に必要な労働条件です。
賃金カーブは企業の従業員に対する処遇方針の具体的な意思表示といっても過言ではありません。定昇額の切り下げや凍結は、将来の賃金カーブが確保できないことを意味します。前にも述べましたが、業績悪化による緊急避難的なケースもありますが、基本的には処遇方針、制度の変更として捉える必要があります。軽々に受け入れられるものではありません。

4.「定期昇給」の重要性(その2)
毎年の定昇をルール化しなければ、企業の業績などによって、昇給額は乱高下することになります。好業績が続き、1年間差以上の昇給が毎年確保できるならば、敢えて定昇を決めなくてもいいかも知れません。しかし、今後もきわめて厳しい経営環境が想定される中で、定昇がなければ、先輩との1年間差の昇給を確保することは困難となります。つまり、賃金カーブが維持できず、将来の賃金が切り下げられていくことになってしまいます。定昇を制度化し適正な運用がなされれば、賃金カーブは守られ、将来の先輩の賃金に追いつくことができます。
厳しい時にこそ、賃金カーブ維持に必要な定昇相当額を明確にしたうえで制度化すべく、精力的に交渉を進めていく必要があります。
現在、中小組合で定昇制度があるところは少なく、その結果、厳しい企業業績を反映して賃金水準の低下が起こっています。厚生労働省「賃金センサス」(2002年度)*によれば、100人未満の企業の所定内賃金の平均カーブは、97年から02年までの5年間でみると、40歳ポイントで20,500円、50歳ポイントで28,100円の低下がみられます。つまり、5年前の同年齢の先輩の賃金に追いついていません。組合員個人でみれば、毎年、一定額の昇給はなされますが、賃金カーブ維持に必要となる先輩との1年間差に追いつかないため、全体的に賃金水準の低下が起こっているという訳です。
*賃金センサス:厚生労働省が、毎年、全事業場を対象に実施する賃金調査。正式には「賃金構造基本統計調査」という。

5.定期昇給を確保し、ベースアップの議論を
賃上げには定昇とベースアップ(ベア)との二つの要素があります。定昇は賃金カーブを維持する役割を担う、つまり先輩の賃金に追いつくための昇給ですが、ベアは賃金水準を引き上げる役割を担うものです。ベアを実施すれば賃金カーブは上昇し、退職手当を含む将来の賃金のレベルアップを図ることができます。つまり、ベアは生涯賃金の増加、生活レベルの向上につながるものといえます。単年度の支給にとどまる一時金とは性格もその効果(影響)も大きく異なります。近頃、成果の配分は一時金でといった「主張」がありますが、やはり、適正に配分すべき方策はベアであるべきです。ましてや、グループ労組の現行賃金水準からして、ベアを求めることは至極当然です。その実現にむけ、労使協議を積極的に行いましょう。
定昇に加えて賃金水準を引き上げる部分がベアです。本来、定昇とベアとは区分けして議論すべきです。その理由は、まず、定昇制度を確立させ、あるいは適正に運用させることで、より安定的に生活設計がたてられる、それを基盤として仕事に集中できる、といった環境を作る必要が労使に共通のテーマとしてあるからです。したがって、交渉(事前協議)を強化し確実に定昇を実施させることが第一です。賃金カーブの維持(≒定期昇給の実施)は企業の処遇方針、つまり職場のルールを守ることであり、経営責任として行うべきものとして、制度に基づく実施を強く求めていく必要があります。例えばJR各社のベアゼロを「昇給ゼロ」と誤認する、グループ企業の経営者がいないとも限りません。
さらに、定昇、ベアを区分けすることで、ベアの議論を明確化する目的もあります。他産業、他企業との相対的な賃金水準比較や、組合員の努力や業績反映などについて交渉を深め、賃金の改善を求めることが重要です。
本格的なグループ春闘として取り組んだ03春闘以降、「定昇・ベア込み」の統一要求基準を設定して取り組んでいます。これは、定昇制度が適正に確立されている組合が少なく両者を区分けした議論がしにくい状況を踏まえ、現時点では、私たちが求める賃金カーブ維持に必要な昇給金額を定昇・ベアを含めた要求基準として示した方が、当面、グループ労組全体の相乗効果の発揮につながると判断しているからです。しかし、繰り返しますが、定昇、ベアを区分けし、ベアの部分をしっかりと要求していくことが、私たちの賃金水準を引き上げる近道であることは言うまでもありません。

1.グループ労組の2008春季生活闘争に臨む考え方
JR連合は、グループ労組連絡会、各エリア連合との連携を深め、この間、賃金、労働時間などの各種調査活動の深度化を図り、改善すべき課題を明らかにしながら運動の全体化を提起してきました。しかし、依然として賃金等の要求ができない単組もあります。この2008春季生活闘争は全ての単組が参加できる環境づくりも合わせて展開していかなければなりません。
グループ労組対策プロジェクトは、第5回賃金実態アンケート調査の結果に基づく分科会プロジェクトでの議論を経て、分科会ごとの賃金目標を明示しました。今春闘でも統一上げ幅要求を実施しますので、すべての組合において、まず現状の賃金制度を徹底的に分析し、いつまでに、どうやって目標をクリアするのか、労使間で大いに議論していただきたいと思います。引き続き、厳しい環境下での取り組みとなりますが、以下の考え方に基づき、JR連合として、グループ労組の賃金改善にむけたきめ細かな取り組みを積極的に展開していくこととします。
|
@賃金制度の確立 ・賃金に関する基本的事項(諸元)の明文化 A労働協約の締結(賃金制度の協定化) B契約社員、パート社員に関するルール化 ・拡大する契約社員、パート社員等についても、日給、時間給や昇給制度、退職金などのルールを規定化させる C賃金水準の向上(3つの目標を設定) ・最低到達目標賃金・・・すべての単組がクリアすべき目標 Dその他労働条件の改善 ・賃金制度と合わせて基本的な労働条件や、特に時間外労働や時間管理などの運用の実態を把握し、改善にむけて取り組む |
2.賃金カーブの確保
|
賃金カーブ確保 (1) 定期昇給制度が確立している単組 ・定期昇給を確保します。 (2) 定期昇給制度のない単組 ・実態に基づく(モデル)賃金カーブの明示を求めます。 |
定昇制度が確立している単組では、昇給額、昇給率はどうあれ、まず、制度に基づく定昇の実施を求めます。
賃金制度にも、年齢給と職能給・仕事給などの「二階建て方式」、等級・号俸表に基づく「総合決定給」など、様々なパターンがあり、それぞれで定期昇給の仕組みも異なっています。生計費確保、賃金カーブ維持のために、すべての組合員が1年毎に昇給する基礎部分を確実に実施させるとともに、人事考課を伴う査定部分は公平、公正なルールに基づき実施することを確認します。
人事考課を伴う場合を含め、昇給の金額や号俸などが客観的に明示されている場合はよいのですが、例えば「昇給額は勤務成績や経営状況を勘案して決定する」というように、基準がきわめてあいまいな場合は問題です。慣例などにより労使間で一定の基準が了解されている場合は明文化を求めます。それもない場合は、定昇制度が確立しているとはいえません。次項「(2)」に基づき、実態に基づく賃金カーブを労使で確認し、適正な制度を改めて確立していく必要があります。
実態調査結果を見ると、未だ私たちが求める賃金水準には到達していません。引き続き、賃金、昇進制度に基づくポイント年齢別のモデル賃金の明示を求め、あるべき賃金カーブと比較して問題点について労使間で議論することが必要です。会社が「現行制度で問題がない」と主張する場合は、業界水準をみた主張なのか、経営体力に基づく主張なのかなど、その根拠をデータの開示を含めて客観的に明らかにし、私たちの要求根拠との違いを確認することも重要です。なお、賃金カーブの議論にあたっては、別冊資料や連合の到達目標、「賃金傾向値表」などを参考にしてください。とくに組合の立場からは、他産業の水準との格差、生計費確保の考え方を中心に主張する必要があるといえます。
反対に会社が定昇の引き下げ、凍結を主張する場合は、生計費確保、賃金カーブ維持の必要性について議論を徹底するとともに、@業績悪化による今年度限りの緊急避難であるのか、A将来にわたる定昇制度の見直し、廃止を企図するものなのか、会社の考え方を明らかにする必要があります。定昇は経営責任として実施すべきものであり、根拠のない恣意的な運用は受け入れられません。
@の場合は、経営状況と今後の展望に関する具体的な説明を求め、定昇の引き下げ、凍結を行う場合の基準を明示させます。次年度以降の業績回復の見通しなしに、人件費抑制だけを認めることはできません。どうしても人件費引き下げをせざるを得ない根拠と、単年度限りの緊急避難であることが理解できない限り、軽々に引き下げや凍結を容認することはできません。
Aの場合は、業績見通しや社員の処遇方針について交渉を徹底するとともに、短期間で結論を得られるものではないことから、春季生活闘争後も引き続き議論することが必要です。
単組によっては、プロパー社員、OB社員が混在するなど、労務構成や年齢構成が大きく偏っているケースがあります。この場合、すべてを平均化した議論ではなく、採用区分や年齢層を分けて上述の交渉を進める必要があります。
定昇制度が確立していない、制度はあっても基準が非常に不透明な場合は、まず、労使で賃金カーブの実態がどうなのか、共通認識をつくることから始めます。そして、その賃金カーブを維持するために必要な昇給額はいくらかを確認しなければなりません。検討にあたっては、昇進制度や手当制度なども考慮する必要があります。会社に賃金実態の明示を求めるとともに、組合としても実態把握に取り組むことで、より現実的に議論を深めることができます。
なお、作業にあたっては、実在者の賃金データを基本給、諸手当(超勤、通勤手当を除く)別に整理し、(図表1〜4のように)金額を縦軸、年齢を横軸とする表上に記入してカーブを作成していくことになります。
実態に基づく定昇額が確認できたら、その制度化を求めます。ただし、賃金カーブの実態と私たちが求める水準との格差は大きいと考えられます。従って、前項(「(1)」)と同様に、両者を比較して問題点について議論することが必要です。可能な限り、あるべき賃金カーブに近づける定昇制度の確立を求めていくべきです。
しかし、短期間で課題を解決することは不可能です。まずは金額の多寡は別に、制度化と協定の締結の実現を最優先に交渉を進めてください。
制度がない現状から、私たちの求める定昇制度を確立することは多くの労力を伴います。春季生活闘争での限られた交渉で結論を得るのは困難です。従って、賃金交渉の前段として実態調査やデータ整備などの作業、折衝を進めるとともに、合意を得られなかったとしても、交渉経過を確認したうえで、これを基礎として春季生活闘争後も制度確立にむけた継続的な議論を続けることが重要になります。賃金は最大の労働条件であり、制度の確立には、労使の慎重な検討が求められます。
3.統一上げ幅要求と3つの目標賃金
|
統一上げ幅要求 JR連合が求める「あるべき賃金カーブ」維持にむけ、「7,000円(定昇込み)中心」の賃金引き上げを求めます。 目標賃金の設定 ・最低到達目標賃金 35歳 240,000円(勤続年数不問) 連合春闘方針に基づき、JR連合グループ労組連絡会全体の底上げを図る観点から、加盟する全ての組合で早急にクリアすべき目標 ・必達目標賃金 30歳 268,000円(勤続12年) ・分科会到達目標賃金 下表参照 第5回賃金実態アンケート調査をもとに、第5回分科会プロジェクトでの検討を踏まえ決定した、各分科に所属する組合が、数年のうちにクリアすべき目標 |
本来は定昇、ベアは別に要求、交渉すべきですが、引き続き本春季生活闘争方針では、「定昇込み7,000円中心」との統一要求の基準を設定しました。これは、定昇制度が適正に確立されている組合が少なく、両者を区分けした議論がしにくい状況を踏まえ、現時点では、私たちが求める賃金カーブ維持に必要な昇給金額を定昇・ベアを含めた要求基準として示した方が、グループ労組全体の相乗効果の発揮につながると判断したためです。これは、@依然としてJR本体との賃金格差が開きつつある傾向にあること、A(後述する)分科会到達目標賃金に対し、全分科が5年以内に目標を達成するためには7,000円が最低保障されなければならないこと、B連合08春闘方針において、中小・地場組合の賃金改善目標として「定昇込み7,000円以上」の目安が提示されたこと、などが主な理由です。
また、「定昇込み7,000円中心」というゾーン設定でありますから、単組の事情に応じて、ある程度の金額の変動があっても構いません。例えば、OB組合員が中心で平均昇給額が低い単組では要求額は低くなりますし、反対に若手が中心の単組では高くなるはずです。労務構成が極端に偏っている場合は、平均額ではなく、プロパーとOBとを分けて要求することも検討すべきです。
グループ労組連絡会に参加する全単組の底上げをはかるため、連合の春季生活闘争方針に基づき、「最低到達目標賃金」を設定し、まずは全単組がこの水準をクリアすることを目標とします。また分科会の所属によらず、全単組が目指す「必達目標賃金」を設定します。これは全国中小企業の全産業平均(高卒男子・企業規模100人〜999人)を基準に定めるもので、将来的に全単組がクリアすべき目標とします。
具体的な労働条件の改善をめざすため、これまで5回(5年)にわたり、グループ労組の賃金実態調査を実施してきました。その結果、グループ労組のなかには年齢構成に偏りのある単組が少なくなく、勤続年数の影響を反映した目標設定が必要となることがわかりました。そこで、年齢と勤続年数の影響を把握できる賃金傾向値表など公式統計指標を参考に、幹事会、分科会プロジェクト会議などでの議論を踏まえながら、現在4つある分科会毎の「分科到達目標水準」を設定することとしました。

定昇制度が確立している組合では、定昇と純ベアとを分けた交渉を行い、加えて現行の賃金カーブ、定昇制度の検証と改善の議論も深めていただきたいと考えます。
その場合、要求根拠を明示した実効ある交渉が重要です。例えば定昇額が平均4,500円であれば、7,000円要求の場合、残りの2,500円がベアという解釈になります。単に業績配分、生活向上を主張し、金額の多寡だけが争点になるのでは、到底、労使の議論の接点は見出せないでしょう。具体的な根拠に基づき、現行制度の問題点をベースに、制度の見直しも視野に入れた交渉の展開が必要だといえます。
定昇制度が確立していない組合でも、同様に7,000円中心の根拠について理解を求め、組合員の生活設計や他産業との格差是正について、本音の議論を深める必要があります。
4.パート労働者等の賃金改定
|
パート労働者等の賃金改定 連合方針に基づき、すべての単組はパート、契約社員の賃金改定と、全従業員対象の企業内最賃の設定と協定化を求めます。あわせて、諸手当(通勤手当など)や人事 制度(慶弔休暇など)についても、均等待遇の立場から改善を求めます。パート、契約社員の賃金については、正規社員との均等を確保する立場から、3%以上もしくは、時給額30円以上の引き上げを求めます。 |
連合は春季生活闘争方針で、「パート共闘会議」を設置しています。加えて、本年度には新たに「非正規労働センター」を設置して、非正規労働者(パート・契約社員など)の待遇改善と組織化を目的に大きく動き出しています。JR連合も「2008春季生活闘争パート共闘会議」に登録し、その一翼を担っていきます。全国で1,740万人ともいわれる非正規労働者は、もとは正社員の補助的な業務を行う労働者として位置づけられてきましたが、最近では正社員と同じ責任の重い業務を担当するケースが増えています。
多くの企業は人件費コスト削減を目標に、正社員からパート労働者などへの転換を進めようとしていますが、「同一価値労働・同一賃金」の原則からみて、非常に問題があるといわざるを得ません。
こうした実態から、企業の安易なコスト削減に歯止めをかけ、低位に置かれるパート労働者などの公正な処遇を実現することが強く求められています。
グループ労組ではパート、契約社員を組合員として組織化していない単組が多い状況にありますが、正社員にも影響を及ぼす重要な課題と認識し、積極的な対応をお願いするとともに、今後の組織化の取り組みも要請するものです。
2008春季生活闘争は、引き続き「JRグループ労働者にふさわしい賃金体系の実現をめざす取り組み」と位置づけて取り組みます。
この間、2003春季生活闘争を「賃金低下傾向に歯止めをかける」取り組み、2004春季生活闘争を「反転攻勢」、また2005、2006年を「労働条件改善運動の基盤を固める」取り組みと位置づけ、その成果の上に2007春季生活闘争では「JRグループ労働者にふさわしい賃金体系の実現をめざす」取り組みと位置づけ、グループ各単組の奮闘とエリア連合の指導により取り組んできました。こうした結果、昨春闘では一部の単組でベアや独自の要求項目を実現するなど、目に見える運動の成果を収めてきています。
しかし、依然として私達が掲げる「あるべき賃金水準」には到達しているとはいえない現状です。また「同一価値労働・同一賃金」の原則を掲げ取り組んできましたが、JR社員の賃金と比較すると、その水準は低位におかれているのが実態です。
エリア連合や各単組の奮闘によりJR連合への新規加盟が進む中、グループ労組連絡会への期待が高まっている状況を踏まえ、2008春季生活闘争では、引き続き通年課題である「定期昇給制度の確立と適正運用」ならびに「労働協約の締結」の実現にむけ取り組みを強化するとともに、JRグループ労組連絡会の最大の目的ともいえる「JRグループ労働者にふさわしい賃金体系の実現」をめざし、総力を挙げて取り組んでいくこととします。
1) 最低到達目標賃金の設定
グループ労組連絡会に参加する全単組の底上げをはかるため、連合の春季生活闘争方針に基づき、「最低到達目標賃金」を設定し、まずは全単組がこの水準をクリアすることを目標とします。
2) 必達目標賃金の設定
JRグループ労働者にふさわしい賃金水準への到達を目的に、全単組がめざす当面の目標としての「必達目標賃金」を設定します。これは、全国中小企業規模の全産業平均賃金を基準に定めるもので、将来的に全単組がクリアすべき目標です。
3) 分科会到達目標水準の設定
業種毎の特性を加味し、より具体的な労働条件の改善を実現するために、「分科会到達目標水準」を設定します。
JR連合に結集するグループ労組は多産業にわたっています。この間、グループ労組賃金実態調査を実施し、それぞれの実情把握に努めてきましたが、その結果からも、また公的部門の調査結果からも、産業間に賃金水準の特性があることが明らかになっています。こうした現状を受け止め、より実効性のある交渉を支援するために、現在4つある分科会毎に「分科会到達目標水準」を設定し、段階的な達成をめざします。
第5回グループ労組賃金実態調査の分析結果においても、依然として最低生計費に届いていないと判断される単組も見受けられ、通年課題として位置づけている「賃金制度改善」を引き続き求めていく必要があります。
また連合は、賃金カーブが明確ではない中小・地場労組に対して賃金カーブ確保相当分を4,500円とし、これに賃金改善分2,500円を加えた7,000円を賃金引き上げの「目安」とする闘争方針を決定しています。
JR連合は連合の一員として、2008春季生活闘争においても、その組織する産別共闘連絡会やパート共闘会議へ積極的に参加するなど、組織労働者としての社会的使命の達成に努めていく必要があります。
以上から、従来の取り組みを継承・強化することを基本的な考え方とし、以下の具体的な要求内容を設定します。
@ 賃金カーブの確立と維持、定期昇給制度の確立と適正運用に取り組みます。
A 要求金額等について
B 労働時間等に関する改善
@ 要求提出日
2月29日に要求書の提出を行うこととします。
A ヤマ場と回答指定日
連合の設定(第1次解決促進ゾーン:3月31日〜4月5日、第2次解決促進ゾーン:4月14日〜4月19日)に合わせ、それぞれの単組は、交渉、妥結の集中化をはかり、連合の中小共闘ならびに部門別連絡協議会との連携を強化していきます。
また、エリア連合との協力の下、連合中小共闘連絡会と連携し、中小・地場組合への賃上げ相場形成の一翼を担うためにも、可能な限り3月中の決着をめざして交渉・妥結の集中化をはかります。
なお、遅くとも4月中に全ての組合で決着できるよう、精力的に交渉に臨むこととします。また、一連の交渉状況や成果の確認と要求実現にむけた支援強化のあり方などを目的として、4月8日に第3回グループ労組連絡会幹事会を開催し、第2次解決促進ゾーンでの決着にむけた支援行動を強化します。
グループ労組連絡会の主体的な活動に加え、エリア連合やJR7単組との連携によるグループ労組の交渉支援の取り組みを積極的に展開します。
@ 決起集会の開催
グループ労組連絡会幹事会主催により「JR連合グループ労組連絡会2008春闘総決起集会」を開催し、全単組参加で意思統一、一斉要求、早期妥結の促進をはかります。
1) 日 時 2008年2月22日(金)16時〜17時30分
2) 場 所 京都弥生会館
A 支援体制の強化
要求設定および交渉の実施にあたり、JR連合、エリア連合からの支援態勢を強化します。具体的には、「JR連合グループ労組2008春季生活闘争の手引き」を作成し、エリア連合単位での勉強会を開催します。
B 諸元の明確化
諸元については、下記の内容を妥結時までに書面により明確化させたうえ、直ちに妥結内容をエリア連合へ報告するものとします。
1) 妥結金額と妥結率を明確にする。
2) 基準となる賃金額は、「平均」か「年齢ポイント」なのかを明確にする。
3) 「全従業員平均」か「組合員平均」なのかを明確にする。
4) 「所定内」か「基本給」なのかを明確にする。
5) 平均年齢、平均勤続年数などを求める。
C 制度改正も含めた通年の取り組み
これまでの交渉経過を活かしさらなる改善を求めることを基本に、交渉経過は必ず書面で労使確認を行い、課題解決・要求実現にむけて、段階的に達成させていくなど、計画的な取り組みを実践することとします。
また、あるべき賃金カーブへの制度改善を求め、現行定昇制度の問題提起を行います。定昇制度の確立されていない単組は引き続き制度の新設を求め、現行賃金水準の向上をはかることとします。
