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<前編> |
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1 「夏の元気なご挨拶ーっ!」 ーが服を変えてるんで、いっちょーヤッタロかーってネ。お師匠さまかなあ? 後 でルーシーちゃんのぶんもお願いしてみるね!」 「なな、ライトらいとライト〜、ルーシーちゃんが、わいのおひぃさんが口きいて くれへん〜どないしたんやろ? わい、なんか怒られるよぉな事したんかいな? あーもー…」 もんも台なしやがな」 ーみたいなもんや。ええか、男やったら女にデレデレしたらあかん。」 しとるのやし」 ズバ! ガッツの服が細切れになる。 あ。にゃははは」 台風が去ったようだ。 ラヌモノヲキッテシマッタ>という…。あれさえマスターしたなら、オイラに 刃向かう服はなくなるんだがなー。んギャ!」 ひねりを入れて甲板に叩きつけられた。現世でいうフランケン=シュタイナー である。 るらしい。 ョンが増えたって感じ?」 正確にはy軸に45°、x軸に180°回転している。それでも姫の脚の感触に喜ん でいるように見えた。 海賊船の演芸場は賑やかに、客もいないのに盛況に。夜は更けていった…。 2 「あたたた。ライトのやつ、タコ殴りに しよってからにー!」 騒動も治まり、誰も居なくなった海賊船 の甲板。服を着替え、頭を抑えたガッツ が寝転んでいる。そこへ。 ふわっ。 優しく彼の頭は持ち上げられ、柔らかな 膝の上に載せられた。 目の前にはガッツにとってのお姫様…ル ーシーの瞳が。 「うひゃあ! か、感激やなあ。わいの こと心配して…」 「動かないで下さいねぇ。」 彼女のかざす手から暖かな光が。痛みが 引いていった。 「ああ、あったかい光りやなあ。凄いな、詠唱もなしに白魔法が使えるなん て。」 「私、魔族が攻めて来た時の前の記憶がなくて、なぜ治癒魔法が使えるのか もよく判らないんです〜。戦争で負傷した王都の教皇様をお助けした時、聖 書も全部憶えていたので、特別に洗礼を受けシスターにしてもらいましたけ どぉ」 ガッツは黙って聞いている。今さらながら彼女も戦争の被害者であったこと に気付いたのだ。 「はい、おしまいです〜。仲がよくてもケンカばかりしていちゃ、だめです よぉ」 「あ、ああ、はい。ごめんなさい」 子どものような素直な反応に思わず微笑むルーシー。 「な、せっかくやから星、眺めていかへん? あれが、夏の十字で白鳥。あ っちが琴。天秤や。で、きらきら流れておるのが天の川…」 「ガッツさん、詳しいんですねぇ。」 「星の動きは日時や場所を海上でもきちんと教えてくれる命綱やから。一応 船長である以上、これくらいは、な。」 視界に入りきれない夥しい星の海に、二人は時を忘れ彷徨う。 「天の川にはな、離ればなれになった恋人が再び出会う、そんな伝説があん ねん。…わいとライトは親父に逆らい半端なことばっかやっとった。オカン のこと、泣かせてばっかでな。いっぺん帰国して、きっちり詫びを入れて来 ようと思う。王子として、出来ること、やって来るつもりや。」 ルーシーは黙っている。 「そ、そしたらな、必ず戻ってくる。今回の詫びと礼は絶対! だから…」 ルーシーはガッツの唇を軽く押さえる。 「いいんです。皆さんご無事でしたしぃ、綺麗な海で素敵な星を見せてもら いましたし〜。たくさんのお星様の中の二つがこうして奇跡のように出会え たんですもの、またきっと会えます。」 いつになく多く話すルーシー。ほんの少し、合わせた目は再び逸らし、火照 る顔を見せまいと少年と少女は天を仰ぐ。 「私も、星と神に祈ります。また…」
星が煌めき続けた。
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