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1 う人々も実直で穏やかであった。 …魔族のゴブリンが襲って来るまでは。 「ひ〜〜、姫、早く鎧に着替えて下さいよお」 町に辿り着く手前でフロリーナ一行はそのゴブリンの群れと、からみつく白い霧と格 闘していた。伝説の魔鎧を身に纏い、魔族を討つバーサーカープリンセスも、鎧がな ければ気丈な18才の乙女である。花も恥じらう乙女だが、従者の痩せぎす男、ラッ キーにだけは態度が違った。 「お黙りさい下郎! お前が着替えを覗こうとするから先手を取られたの!」 豪奢な金髪を揺らし、短剣で魔物と対峙する姫。劣勢である。 「そんな、オイラはただ姫を暖かく見守ろうとしただけですよぉ」 臆面もなく話すラッキー。 「ごぶごぶ!」 灰緑の鬼、ゴブリンは鋭い爪や石器を振り回し襲い掛かる。お供の二人の少女、シス ターのルーシーは聖水を捲き魔法使いのマリアは杖と微弱な攻撃魔法で応戦する。 だがそれも限界か。 その時。 ごおっ! 突風が巻き起こり、ゴブリンたちは皆もんどりうって倒れた。 「旅のひとたち、大丈夫かい?」 霧を吹き飛ばし、目の前に大きな門とそれに続く壁が現れた。どうやらベイシァの入 口に着いたようだ。そして、そこにいたのは一人の男であった。黒い長髪に端正な顔、 青い魔導師の衣装にいかにもな装飾。 「あ、あ…あなたは?」 フロリーナは顔を紅潮させて言った。 「僕はセフィロス。町の皆は青の魔導師とか、勇者とか呼んでるけどね」 「セフィロス…さま…」 フロリーナ姫の青い瞳は彼しか見ていなかった。 「やあ、美しいひと。名前を聞いてもいいかい?」 「あ、フ…フレアと申します。」 頬を染めうつむくフロリーナ。世を忍ぶ仮の名を言うのがやっとであった。 2 「ようございましたな。頼もしい正義の味方がおりまして。」 いつもの通りたんたんとお茶の用意をしつつ、ギャリソンが言う。皆がゴブリンから 逃げ回っていた時、こっそり門に辿り着き、応援を頼んでいたのだ。
『君、剣の扱いが上手だね。僕と一緒に戦わないか?』…だ!」 ラッキーはすねっぱなしである。 「セフィロスさんが頑張っても、何人かはいつもゴブリンたちに さらわれちゃうんだって。 マリアが言う。 「皆さん、ご自分たちで抵抗しよう、とは思わないんです ね〜。は〜」 ルーシーがため息をつく。 「まずはお茶でございます」 ギャリソンは変わらなかった。 3 ラッキーの日課である、就寝前の姫の寝姿の確認。今日は町の人の善意で宿に泊ま った一行だが、彼には関係ない。姫の部屋の前まで忍び入る。今夜はまだ起きている 様子。しかも爺や付きだ。 「だって…あのケダモノがいつもわたくしの気を病ませるのに…」 「品行方正ではありませんが、あの男も無償で姫の手伝い をしておるのです。民に平等に接せよ、王様もよく仰って いたかと。 それとセフィロス殿がゴブリン撃退を姫には任せず、いつ も通り御自分で、言っておられます」 「下郎に比べて、なんて凛々しいのかしら…。昔、おつき 合いしていた隣国の王子そっくりなの、あのかた…」 「存じております」 「町の人々は守りますわ。わたくしの使命ですもの。 でも…セフィロス様みたいな殿方がいらっしゃるなら、 わたくしもう戦いません。…あのかたに魔鎧で戦う姿を見ら れたら、もう、立ち直れないかもしれません…。」 4 ねぇか。ぎひひひ。」 ・・・どうなる? つづ〜く!(笑) |