|
あるUFO研究家は言う。
「宇宙人はUFOで人類を拉致し、実験後に記憶を操作し戻している」
と。科学者たちリアリストは反論する。
「数光年もかかる宇宙を行き来してそんなことをする意味があるか?
そもそも宇宙に知的生命が存在する可能性はあるが、確実ではないと
いうのに」
云々。
山奥県伊那香村で。
「おっかあ、ありゃ何だべ?」
畑仕事をしていた稲田大吾朗さんは天を仰ぐ。
「なんじゃろねえ。」
90度に曲がっている腰を3度ほど傾け、老婆も見上げる。そこには
銀色に光る謎の円盤が高速で回転し浮遊していた。円盤はゆっくり
と着地し、中から…
いかつい灰色の人が、まわし一本の姿で塩を巻きながら現れた。
「オマエ、勝負シロ!」
どうも相撲をとりたいらしい。
「なんだあ、おめえ? オラを村一番の相撲取りと知ってんのか?」
大吾朗さんの問いに耳を傾けもせず、灰色の人はやる気満々である。
「行クゾ! ハッケヨイ…」
つられて大吾郎さんも四股を踏み、かまえ…
「――ダカラ言ッタンダ。アンナ未開ノ原住民達ニ、ソノマタ民間
芸能ノヨウナスポーツデ勝ツナンテ無理ダッテ」
円盤の中、灰色の小さな人の仲間が、ボコボコにされた友人の治療
をしながらボヤいた。
「ウルサイ! 今度コソ勝テルト思ッタノニ。次コソハ…!」
「ソレカラ負ケタカラッテ、原住民ノ記憶リセットスルノ、
止メロ。」
灰色の人はすごい負けず嫌いだった。
|