ちょっと怖い小咄。


 
小咄其の八拾八   ほんものの…

「うーむ困った。」

「どうしたんスか? 鶏冠部長」

「おお、牛尾君か。我が社で出している”霧ノ中牛”なんだが、実は

…●国産のものなんだ」

「…それって今流行りの食品偽装ってヤツ? まずいッスよ部長!」

「それと賞味期限も少し延ばしててな」

「マジ?」

「たまに豚とか混ぜてるんだが」

「ガチ?」

「君はどこかの元総理の孫か? ともかく今でさえ味がよろしくない

と返品が多いし、在庫もわんさかだ。しかし長年売り続けた”霧ノ中

牛”、なんとかブランド名は残したいのだ。」

「う〜ん、とりあえず暑いんでコーラ飲んでいいっすか?」

「―――お前はなんでそう緊張感がないのだ? くそ、ゼロカロリー

だかなんだか知らんが 似たような飲み物ばかり出て…あ”!」

 こうして食肉加工業「モンタナ吉凶」(仮名)から登場した新ブランド

”霧ノ中牛0”は、パッケージも新しく『国産0%』を堂々と標記

した画期的なものであった。

 

 …もちろん、誰も信用度0%の肉を買おうとはしなかった。


 

・・・おしまい。

2008/8/21(木)  up

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