ちょっと怖い小咄。


 
小咄其の八拾七   正義の味方(帰って来た編)

 銀河のはずれにある惑星テンプラー。のどかな昼下がり、王宮で

テンプラー王がくつろいでいると、もの凄い剣幕でずかずかと宮廷ま

で入ってくる者がいる。

「ちょっと! アンタんとこの若いの、一体どういうつもり!」

見覚えのある銀色の肌にのっぺりとした顔。宇宙の警察を公言して

はばからない、銀河うるとら組の人間だ。とりわけ厚顔無恥で有名な

水牛のようにデカイ角とモミアゲを持つ壮年の男、そして年に似合わ

ないオサゲ型の飾りをつけた女性。

「は? 一体何を、といよりあなたがたはなんでここに」

「とぼけんじゃないわよ! アンタんとこの出来の悪い尖兵が、うち

のかわいい万太郎ちゃんに大ケガさせたのよ! ひざを擦りむいて、

腰も痛いって。なんて可哀想なんでしょ」

ヒステリー気味にまくし立てる女、無言の圧力をかける男。

「えええ、そんな。辺境の惑星の地権争いなんて、どこでもやってる

じゃないですか。」

「ガタガタ言いなさんな! あなた、やっちゃって」

超スーパーうるとらの父、略して超スうの父は腕を十字に組むと叫ん

だ。

「ファーザー・ラブ・カタストロフィ光線!」

ズゴゴゴゴ! 王宮は一瞬で破壊された。

「あわわわw」

「これに懲りたら、もっと弱いのを万太郎ちゃんにはあててちょうだ

い。それから万太郎ちゃん、早起きが苦手だから朝から攻撃なんて駄

目よ。夜も残業なんてさせませんからね!」

「む、ムチャクチャだ! こんな横暴許せるか! 銀河連邦に提訴し

てやる…」

超スうの母が無言で十字に手を組む。

「マザー○ァッカー光線!」

ズギャ!

とんでもないネーミングの光線が炸裂した。テンプラー王は星の彼方

へと消し飛び、ここにまた一つ惑星の運命が潰えた。

「さ、もどりましょ。でも来週は頭が悪い火を吹く怪鳥が相手だって

聞いたわ。万太郎ちゃん、火傷しないかしら」

「大丈夫、そんな時は警備隊の皆さんかソフィー隊長に盾になっても

らえばいい」

「ああんそうねそうね、さすがあなた、頼りになるわ」

 

 二人は寄り添い、うきうきと廃墟を後にした。次の獲物をさがし…

もとい愛息子の障害を取り払うために。いやいや宇宙の平和のために。


 

・・・おしまい。

学校や教育委員会に無理難題をふっかける「モンスターペアレント」、
今じゃ会社にも同じようにくってかかるそうです…(タメイキ)

2008/6/28(土)  up

小咄indexへ   次へ


●top ●index ●novels ●gallery1 ●gallery2 ●notes ●otehrs ●link