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「これが新しいエコカーっすかー」
鱶田半平太博士は運転中の助手の問いに満足気にうなずく。
「エコエコカーぢゃよ。そのへんのエコとは全くの別物ぢゃ。通常
はガソリンと充電池のハイブリッドが主流ぢゃが、この車には…も
うひとつ動力源があるのぢゃ!」」
「石炭っすか?」
「ンなわけなかろーが! なんでいまさら黒煙を撒き散らさにゃな
らん。もっとシンプルかつ経済的なスーパーカーなのぢゃ」
博士はにんまり笑う。
「エコエコっていうくらいすから黒魔術かと思ったら、エコノミー
だったんすね。風力発電とか、あ・自転車みたく足こぎで電気もた
まる、とか」
「まだまだぢゃのう。発想が幼稚ぢゃ。この動力ならたとえガソリ
ンがきれても充電がきれても、まだその倍は走ることが出来るぞ。」
助手席で踏ん反り返る博士。
「あ、なんか判ってきたような…。ところで、この車、そうとうゴ
ツイっすよね。というか丸っこいというか」
時速300kmで走行していた未来車が、次第に減速していく。きり、
きりと何かを巻き上げるような音。
「そう、ゼンマイぢゃ。走ったぶんだけゼンマイが巻かれ、行きと
同じくらいのパワーで逆走が可能なのぢゃ。かっかっか」
高笑いする鱶田博士の隣りで真っ青を通り越し群青色の顔色の助手。
「あの〜、チョ●Qって玩具、知ってます? 走る方向と逆に車
輪を回転させると…いや、つまりバックさせると前方に猛ダッシュ
するんすケド…」
「ん? なんか言ったかね?」
ギュウウウウウウンッッッ!!!
エコエコカーはとにかくまったく全力の猛スピードでコースを逆走
しだした。テストコースにはカーブも傾斜も、防護用の壁もある。
「うっっぎゅわああああ−−−−−−−−・・・」
なす術もなく前のめりになった二人を乗せ、夢の車は突っ走ってい
った…。
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