ちょっと怖い小咄。


 
小咄其の六拾九   リ セ ッ ト

 「これがタイムマシン、ですか〜」

鱶田(ふかだ)博士は助手の問いに満足気にうなずく。眼前にあるのは…壁掛け

の白い機械。

「うむ、小判平(こばんだいら)君。正確には“タイムリセッター”ぢゃな。

時間の因果関係を高プラズマ電動により中和逆転させ、一定の空間を過去に

戻す、世紀の大発明ぢゃよ」

「どう見ても“HITAHI製エアコン白くまさん”ですねえ。私は四菱の剣ヶ峰

の方がいいんですが。しかしプラズマって…それって危険じゃないですか?」

助手の問いに博士はにんまり笑う。

「発明に危険は付き物ぢゃ。これで、おさななじみの美代ちゃんを庄屋の小

伜に横取りされるのを防げるぞ」

「どんだけ昔の人間だよアンタ、いや、博士そりゃまた不純な動機ですねぇ」

「うるさい! 不純でも何でも欲望は発明の父ぢゃ。まずこの研究室だけ試

しにリセットをかける。成功の暁には本番ぢゃ」

すでに機動はしていたらしく、白い機体はゴウン、ゴウンと唸り声をあげる。

「時間因果律をこの給気口から取り入れ、排気口から新たな時が吐き出され

る訳ぢゃ。エントロピーをそのままクリーンなエネルギーに変換できるから、

半永久的に動くしの。しかも排気される時にはマイナスイオン付きぢゃ」

喜々として操作する博士。

「動機が不純なわりに発明は超画期的ですよね、いつもながら」

「ひとこと余計ぢゃ! まあよい、あとはこの青いスイッチを押すだけぢゃ。

行くぞ〜!!」

リモコンには
青いボタンが。博士は迷わずそれを押した・・・・・


スタート


ら天を仰いだ。          





2007/04/07(土)  up

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