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木枯らしの吹く街。たちの悪い風邪が流行り、人々は皆 マスクをかけ、厚着
をしてふらふら歩いていた。ビルの巨大なパネルに映し出されるニュースも不景
気だ。 官は汚職、民は不祥事、学校はいじめ、家族は殺し合い。
(これも流行り病だろうか…?)
そんな馬鹿げた考えさえ浮かんでしまう。
「地球の皆サん、コンんにちわ」
唐突に画面は切り替わり、銀色の、いかにもな宇宙服を着た人物が映し出される。
異様に黒く大きな目がゴーグルから覗く。
「まるで宇宙人だな」
誰かの嘲りの声が聞こえる。 その声に呼応したかのように、大音響で音声が響く。
「我々は"オーナー"でス。地球の皆さんにはタイヘン申し訳ないいいのデスが、
悪質な病原菌が流行しましタタ」
ザァ。
突然の雨、と思うとそれは消毒液の臭い。それを撒いているのは…本当に巨大な、
銀色の円盤だ。
「お、おい」
「マジで、宇宙人、だ…」
人々の不安そうな声。
「本当ででででス。皆さんは、"病んで"いまス。我々は必要なぶんだけ育て、搾
取してきましたガ、もうここまで感染しては仕方がありまセンン」
よく見れば彼の着ているのは、レトロな宇宙服ではない。
感染防止のためのスーツだった。
「この星は全部消毒して、『養人場』は閉鎖しまス。残念ながら全員、処分しな
けれバ。アア、大赤字ダダダダ」
"オーナー"はゴーグルを下ろし、ガスボンベらしき物を操作し始める。
・・・本気だった。
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