ちょっと怖い小咄。


 
小咄其の六拾四   正 義 の 味 方 ∞

 「私は銀河うるとら組長、ソフィーである。ちょっとちょっと。」

 いきなり会社員、月形半平太の前に現れた光の巨人は頼まれもせ

んのに自己紹介を始めた。

「年末ジャンボ、今年最後のヒーローになれるチャンスだぞ。

君を地球を守る正義の味方、超うるとらスーパーマン∞に任命する。

平和を乱すものが現れた時、君はいつでも私のよーな超人に変身で

きるのだ。んーお礼はいいからね。」

以前誘ったことも忘れてか、こちらの意見もへったくれもないまま、

ソフィーは続けた。

「さあ、変身だ! この変身セットを使って…」

「間に合ってます。」

 

しばし沈黙。

「へ?」

「インドの山奥で修行して帰ってきたら親父に改造されました。母

親は前世が月世界の人らしく、お爺ちゃんに何かのコントローラー

もらっちゃったし…順番、けっこう後ですけど、いいですか?」

 

 月形半平太は遂に変身することはなかった。
                     


 ========おしまい。=========

2006/12/15(金)  up

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