ちょっと怖い小咄。


 
小咄其の四拾八   呪 い の 猿 の 手


「という訳で、お前の望みをひとつかなえよう」

唐突に、どうでもいいくらい唐突に、お土産袋の中のものが騒ぎ出した。

「ブラック商会ないとめ屋」と言ったか、飲み屋の帰りに寄った古物商で

買ったシワシワの『呪いの猿の手』は自らの存在意義を堂々とのうのうと、

臆面もなく喋りだした。

「むろんタダとはいかないよ〜。代価は払ってもらうよー。

あ・魔法使いにしろとか無限に願いを叶えろとか、ズルはなしだよー」

どこで喋ってるんだろうか。手っちゃんかコイツは。

「さーさー願いは? 言うてみ言うてみ」

少なくともこいつは仲間うちではウザいとか言われているだろう。

非常識な干からびた手に、私はひとつお願いをした。

「お前の一番望まないことを叶えてくれ」


 ========おしまい。=========


2005/4/29(金)  初出

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