|
「という訳で、お前の望みをひとつかなえよう」
唐突に、どうでもいいくらい唐突に、お土産袋の中のものが騒ぎ出した。
「ブラック商会ないとめ屋」と言ったか、飲み屋の帰りに寄った古物商で
買ったシワシワの『呪いの猿の手』は自らの存在意義を堂々とのうのうと、
臆面もなく喋りだした。
「むろんタダとはいかないよ〜。代価は払ってもらうよー。
あ・魔法使いにしろとか無限に願いを叶えろとか、ズルはなしだよー」
どこで喋ってるんだろうか。手っちゃんかコイツは。
「さーさー願いは? 言うてみ言うてみ」
少なくともこいつは仲間うちではウザいとか言われているだろう。
非常識な干からびた手に、私はひとつお願いをした。
「お前の一番望まないことを叶えてくれ」
|