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「・・地球か。なにもかも皆懐かしい・・・。」 亡き家族の写真を胸に、老兵は静かに呟いた。 14万8千光年を旅し、ようやく地球へ戻って来た、宇宙戦艦ヤマトンチュ。しか し、その代償はあまりに大きかった。艦長代理コダイ・ススルは最後の戦いで犠牲 になったフィアンセのアワモリ・ユキを抱き上げ、眼前を覆う大スクリーンを見た。 紅く干上がった、だが紛れもなく我々を産み育んだ母なる惑星がそこには映し出さ れた。 星一つを滅ぼしさんざ虐殺をしてきたことはどこかにほっぽり出し、愛し合うこ とが大事〜と似非ヒューマニズムなたわ言をぬかし、コダイは立ちすくんだ。 (もうすぐ帰れる、そしたら結婚だ・・。結婚するはずだったのに!) 1年間禁欲生活を送ってきた遠洋漁業の船員のごとく蓄積したフラストレーション のぶつけ先を見失い、お若い艦長代理さんはおいおい泣いた。 第一艦橋から肉眼で地球が見えるころ、偉大なるヤマトンチュの艦長オキタは、 起きた。そして、悲劇は悲劇を呼ぶ。冒頭のお決まりの文句をたれ、彼はまた永い 眠りに就いたのであった。 奇跡が起こった。ユキのネグリジェ越しに押し付けられた胸から、微かな鼓動が 響く。たった今英雄の死を見届けた船医が驚きの表情を浮かべた。コダイは、マジ ック1で5連敗した監督のように半ベソをかいていたが、ようやく最愛の女性がお 伽話のお姫様のように目蓋を開けたのに気が付いた。 「ユキ・・・。ユキ! 生き返ったんだな!?」 コダイの問いかけに、うっとりとした表情で彼女は応えた。
「わしじゃよ、コダイ。」 |