小咄其の八 正義の味方
「私は銀河うるとら組長、ソフィーである。」
いきなり会社員、月形半平太の前に現れた光の巨人は頼まれもせんのに自己紹介を
始めた。
「君は今まで1度も嘘をついたことのない正直者だそうだな? 私はそういう心の正
しい若者を探していたのだ。君を地球を守る正義の味方、超うるとらスーパーマンに
任命する。平和を乱すものが現れた時、君はいつでも私のよーな超人に変身できるの
だ。んーお礼はいいからね。」
こちらの意見もへったくれもないまま、ソフィーは続けた。
「さあ、変身だ! ただし正義の味方はその正体を他人に悟られてはいけない。くれ
ぐれも見つからないように。いざとなったらしらばっくれるコト。」
「ああ、は、はい。」
見つからない様に嘘をつかなきゃなー、と思ったとたん、正直な若者は正直ではな
くなった。
月形半平太は遂に変身することはなかった。