ちょっと怖い小咄。

 小咄其の弐拾四  体に良い水

「これからは健康は売り買いする時代だ。わが社の新製品『美水(びすい)』

これは売れるぞ! なあ牛尾くん。」

代表取締兼宣伝部長の鶏冠社長は声高に言った。

「そーすよねー社長! 今の世の中、もう健康のためなら死んでもいいってな

ヤツばっかですもんねー。絶対流行るっすよこのウォータービジネス」

広報兼営業担当兼唯一の平社員である牛尾くんはあいづちを打つのに余念が

ない。

「馬鹿だねお前はウォータービジネスじゃ水商売だろが。とにかく大量生産も

したし、わが社の社運が掛かっているのは確かだ。」

「そーすよねー社長! 『健康によい美水 飲んでよし、食べ物に混ぜてよし、

顔に塗っても効果抜群、お風呂に入れて全身に使えば長生き間違いなし』この

セリフがきいてますねー!  

あ、そうだ、缶のデザインの製品名、皆さんに早く覚えてもらえるよう、ふり

がなをふっておきました。これでもうバッチリっすよ!」

「そうだろうそうだろう、わははははははは、は。」

珍しく気が利いた牛尾くんの配慮に、満足げに鶏冠社長は出来上がった缶を眺

めた。

 缶の表面には『美水(みみず)』と書かれていた。

 ========おしまい。…気持ち悪くてスンマセンでした(^^;)。=========



小咄其の弐拾四の弐  体に良い…

           

「鶏冠社長、この前の『美水』は当りませんでしたねぇ。」

「うむ、何故だろう? しかし健康食品とドンブリものに追い風が来ている

のは間違いない。TOKU商事の『食物連鎖丼』は大ヒットだそうだ。」

「あー、あの小魚とシャケとクマの肉がのった豪快な」

「うむ、牛尾君、わが社も早速次期商品を検討しなけりゃな」

「どうでしょ、『おかゆ丼』ってのは? あつあつ御飯の上にたっぷりのお

かゆ。ヘルシーっしょ?」

「馬鹿だねお前は。それは『究極超人あ〜る』という漫画でおかゆライスと

いう同じものがとっくに出ている。前から馬鹿だ馬鹿だと…」

「あああ、そだ、いっそ『キ○ン生茶』をパクって、『生水(なまみず)』っ

てのはどーすか?」

「……当りそうだな。別の意味で。」

========おしまい(^^;)。=========

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