小咄其の拾六 心 霊 写 真
「この前の合コンの写真な、やっぱおかしいわ。ここ、どー見ても人の顔。しかもごっつぅニランどるし」
鬼形百太郎は震える手で写真を取り出した。数人の友人のなか、自分の肩のところに浮かぶ白いもやを指差す。
「なに言うとるねん、こんなんナニか反射しとるだけ。よくある見ぃ間ぁ違いっ」
悪友は笑い飛ばした。「だいたい自分、そない陰々滅々としとったら柳もユーレイに見えるでホンマ」
「そ、そうかな〜気のせいかなあ」
他の友人も言う。「せやせや、笑って見直してみぃ、みな楽しそーにしとるし!」
「う、うんうん」
鬼形もその気になってきた。
「そ、そやなー、気にし過ぎやなー。わは、わは、ははは」
写真の中では悪友たちは笑っている。神経質そうに見えた鬼形百太郎の顔も今度は笑って見える。他のみんな楽しそうだ。
鬼形のとなりのもやも、『にやり』と笑った。