LIVE偵察日記2001
2001年 6月
☆6月 29日(金)於 神楽坂 Someday
『野口 久和 The Monday Night Orchestra』
出演: 野口 久和(pf)、伊勢 秀一郎(tp、flh)、佐々木 史郎(tp、flh)、中路 英明(tb)、山田 穣(as)
安保 徹(ts)、近藤 和彦(bs、ss、fl)、安ヵ川 大樹(b)、小島 勉(ds)
野口久和 The Monday Night Orchestra on Friday
1stセット:
@ Foot Stomping Blues 、A Cat Walk 、B Boplicity、C Black Velvet、DNigeria Fantasy
2ndセット:
@ Winds、ATime on my hand、B Sportin'、C Now I need the rest of you、D How about a drink
各方面で引っ張りダコの精鋭揃いの『野口オケ』にとって3ヶ月ぶりのLIVE。 今回は、新大久保から神楽坂に引っ越した新SOMEDAYでの最初のLIVEということもあり、開演前から否応なくワクワクと盛り上がるものを感じる。 地下鉄神楽坂駅から徒歩約2分の新SOMEDAYに開演予定時間の少し前に入店すると、既にステージ前の席が殆ど埋まっているという状態。 当然、その中にはイセラーの皆さんをはじめ、カズラー、ナカジストetc、熱烈歓迎のファン多数。 いよいよ、マジにブレークの時が来たか、と思わせる光景に、これからも『野口オケを勝手に応援するページ』及び『イセラーのページ』に、この身を捧げようと思う次第(ホンマかいな?)。 いつも通り、如何にもジャズらしく(?)予定時間から大幅に遅れてLIVEがスタートする頃には、広い店内の後方の席まで埋まるほどの大盛況で、お客様の数は100名までは届かなくても、恐らく80名は下らないだろう。 さて、オープニングは勿論御馴染みの『フット・ストンピング・ブルース』でスタート。 久々の演奏、しかも同オケとしては初の新SOMEDAYということもあってか、立ち上がりはいつもに比べて今ひとつシックリこない感じもあるが、そこは百戦錬磨の腕利き集団だけのことはあり、極めるところはバッチリ極めてくれる。 普段はオケの雰囲気に合わせてオーソドックスなバピッシュ・プレイを聴かせるヤマジョー氏が、当夜に限って、殆ど前後の見境なく(?)といった具合にゴリゴリ、ウネウネ、ドロドロと、コルトレーン状態のソロで本領発揮。
2曲目も御馴染みオリジナル曲、佐々木さんのミュート・トランペットと近藤さんのフルートをフィーチャーした『キャット・ウォーク』。 続いては、『クールの誕生』からの名曲『バップリシティ』で、マイルス伊勢・・・って書くと某カフェのマスターみたいで変だ・・・の渋いフリューゲル・ホーンが聴ける。 伊勢さんの円やかなフリューゲルの音色とジェントルな曲想がよく嵌って素晴らしい。 4曲目は、野口オケのLIVEではお待ちかねの(?)『玄人好みの憎い選曲コーナー』で、今回はイリノイ・ジャケーが書いた古い曲という『ブラック・ベルベット』が選ばれた。 野口さんは、父上の影響もあるのだろうが、作編曲は勿論、編曲にも幅広いジャズ知識に裏打ちされたセンスを感じる。 ボーカル曲として取り上げられることもある、という同曲は本当に魅力的なメロディで、こういう渋い選曲には恐れ入りやの鬼子母神。 ファースト・セット最後は、これもLIVEでの人気ナンバー、ソニー・ロリンズの『エアジン』を題材にした『ナイジェリア・ファンタジー』で盛り上げて、休憩に。
セカンド・セットは、近藤さんのソプラノ・サックスが美しいジャズ・ボッサ、『ウィンズ』から。 ボサノバの爽やかさに、ビッグ・コンボならではのダイナミズムを交えた絶妙なアレンジメント&アンサンブルが何ともいえない。 さあ、続いては、会場に詰め掛けた幾多のイセラーの方々への、ちょっぴり早い夏の贈り物、素敵なお中元のような味わい深い伊勢さんのバラッド表現が堪能出来る『タイム・オン・マイ・ハンズ』。 クラーク・テリーか、初期マイルスに通じる、慎ましやかな佇まいの中にも、グッと聴かせる説得力あるプレイが何とも素晴らしい。 多くのイセラーをKOしたのも納得の(?)魅惑のプレイ! 3曲目もこれまた御馴染みのオリジナル曲で『スポーティン』で、賑やかでダイナミックなアンサンブルが楽しい。 野口オケもう一つの『魅惑のバラッド・コーナー』、安保さんのフェロモン溢れるテナーをフィーチャーした『ナウ・アイ・ニード・ザ・レスト・オブ・ユー』。 この野口さんのオリジナル・バラッドは、どう聴いても40年代の歌モノにしか聴こえない切なく印象的なメロディを持った名曲。 いつもながら安保さんのテナーには聞き惚れてしまう。 最後は、これも御馴染みのエンディング・テーマ的なレパートリー、『ハウ・アバウト・ア・ドリンク』。 粋で陽気な曲想に、こんな調子で酒を飲んだら『這う、暴うと、ドリンク』になりそう・・・。 熱いフィナーレに、会場騒然の大興奮状態。 アンコールの手拍子が盛り上がるが、やはりビッグ・コンボだけあって、予定外の曲は難しく、続きは次回のLIVEで・・・とあいなった次第。
回を追う毎に、ファンの反応が加熱していくような野口オケのLIVE。 一見バラバラな印象も受ける個々のプレイヤーの個性を最大限に活かしたバンド・コンセプト、そして、マニアックなジャズ・ファンから初心者まで幅広く楽しませてくれる選曲と魅力的なオリジナル曲の数々・・・。 そういった野口オケの魅力が広く浸透し始めている証拠であろう。 野口オケの音楽は、『ジャズの楽しさを体験したい』という初心者の方にも、『ジャズの旨味に溢れた大人の演奏が聴きたい』というベテラン・ジャズ・ファンの方にも最適なものであろう。 まだ聴いたことが無いという方には、是非次の機会、LIVE会場に足を運んで頂きたいと思う。 尚、次回のLIVEは9月17日(月)六本木アルフィー(但し、伊勢さんの代わりに木幡さん)。 レギュラー・メンバーでのLIVEは、10月に神楽坂SOMEDAYにて。
長旅の劇伴から約1ヶ月ぶり帰京の伊勢さん
会場に詰め掛けた多数の(?)イセラーを魅了する
味わい深いバラード・プレイを聴かせてくれた