☆02年1月 15日(火)於 赤坂 B♭
  『
多田誠司クインテット

   
出演: 多田誠司(as)、岡崎好朗(tp)、今泉正明(pf)、上村信(b)、江藤良人(ds)




今宵は、赤坂B♭にて、多田誠司クインテットのライブです。 多田さんを筆頭に、とても好きなプレイヤーが集結するとの事で、お年始の御挨拶がてら(?)、早速やってきました。 お店の扉を開けると、いきなり強烈なアルト・サックスが耳に飛び込みます。 有無を言わさぬジャズの熱度に包まれた、地下のフロアへと続く階段を、一歩一歩降りていくのは、とてもワクワクする体験です。 いつも、出来るだけ開演前にライブ会場には着いているようにしているのですが、こうやって演奏スタート後に、温まりきった『音場』に踏み入っていくのも、なかなかなもの。 ステージでは、多田さんのバピッシュなアルト・ソロが展開されています。  


ステージ脇で出番待ちの岡崎さんと目が合って、『あけまして・・・』てな調子で、着席。 当夜は、岡崎さんはじめ、今泉さん、上村さん、エトーさん、と様々なユニットで多田さんとレギュラーで活動している気心知れたメンバー。 ん? よくよく考えると、これって『GH4+1』???  それはそれとして、ステージは次の曲で、ウェイン・ショーターの『ガウチョ』。 ラテンというか、カリプソというか、ウェインらしいエキゾチックなムードも感じさせる軽快なリズムで進行。  うぉ〜っ、なんとなくフロントのお二人、いつになくハード・ボイルドな雰囲気ムンムンで、吹きまくります。 岡崎さんのプレイを聴くのは、凄く久しぶり・・・もしかして、一年ぶりくらいだったりして?・・・のような気がしますが、若干、楽器の持ち方を変えたような感じで、そのせいもあってか、音が一層“ふくよか”になって、尚且つ、ハイノートや早いパッセージの鋭さも増したように思います。 顔を真っ赤にしての直球勝負のブローぶりも健在。  


続く、バラード『ポートレイト・オブ・ジェニー』では、岡崎さんをフィーチャー。 その歌心は、1コーラスのテーマを吹奏しただけで、観客席から思わず大きな拍手が巻き起こる程の素晴らしさでした。  ジックリ、シットリのバラードに続いては、多田さんがステージ中央に再登場して、ウルトラ・スーパー・ソロ風に独奏を始め、そのアブストクトな先鋭性と、伝統的なバッピズムの見事な渾然一体は、当代ジャズ界でワン&オンリーである、と確信させます。 ここに、頼もしい愛人・・・いや、相棒の岡崎さんが絡み出し、クンズホグレツ、兄貴同士の『バラ色』なデュオ。 く〜〜〜っ、堪らないぜ〜〜〜っ!という歓喜の頂点で、トリオが飛び込んで、曲は『ジャスト・フレンズ』。 爆発するプログレ・マン江藤のドラミングを起爆剤に、ジャンレノ上村が“WASABI”のようなピリリ感と円やか感で突き上げ、『俺はGHではないぜい!』の自己主張が垣間見られる(笑)チョンマゲ・サムライ今泉の流麗な真剣白刃取りでバンドを支えます。 ファースト・セット最後は、『隠れ模型オタク』であることが判明した(?)多田さんが、様式美の究極、ドイツ軍の戦車のプラモデルに因んで作曲したオリジナル『ハンティング・タイガー』。  トリッキーなメロディ&リズムは、起伏の激しい荒涼とした丘陵での進軍を思わせます。 いやはや、やはり、このクインテットの5人は凄い。 


さあ、セカンド・セットは、コルトレーンの『ジャイアント・ステップス』の元ネタとも言える、エリントン曲でスタート。 続いてタイトル不詳のアップ・テンポな爆走曲から、ガラリとムード・チェンジ! タダセイ・アダルト・フェロモンがムンムンのバラード、『スプリング・キャン・リアリー・ハング・アス・ザ・モスト』。  うぉ〜っ、この曲、最近、アイリーン・クラール(Vo)の超名盤『ホエア・イズ・ラブ』で僕の愛聴曲になってまして、まあ、も〜っ、堪らない。 サラッとした表現で『歌の心』を伝えるアイリーン同様、多田さんのプレイも、声高ではないものの、底辺に流れる熱きタフネスとジェントルネスを感じさせてくれる、これぞハード・ボイルドだど〜〜〜(笑)。  冗談はサテ置き、本当に素晴らしいバラードでメロメロになってしまいます。  


岡崎さんがステージに戻って、次の曲は、ファースト・セット同様、多田さんの無伴奏ソロにメンバーが飛び込むスリリングな展開、『オン・グリーン・ドルフィン・ストリート』。 岡崎さんは珍しくミュートをつけてテーマ吹奏ですが、途中からオープン)ン・ホーンとなり、やはり明朗快活の好郎、といった感じが良いですね。  白熱するトランペット・ソロから、今泉さんのピアノ・ソロ。 楽器を問わず(シンガーも含めて)大体、ミュージシャンは、『自らリズムをクリエートして乗っていくタイプ』と、『他のメンバーや曲そのものが作り出すリズムに乗っていくタイプ』に分かれると思うのですが、今泉さんのプレイは、その両方であるようでいて、でも、そのどちらでもない感じがして、説明不能な摩訶不思議な魅力があります。 今宵は特に、チョンマゲが効いたのか(?)、より一層、アグレッシブな感じもあって、実に憎くいよ、憎いっ。 多田さんのソロは、最近、KANKAWAバンドで爆音への限りなき挑戦を続けているらしい(?)エトーさんとのデュオ状態に。  バリバリのブリブリ、ほとんど『モーター・ヘッド』なヘビメタ状態のドラミング&フリーキーなプレイ一歩手前ながら切れまくるアルトの、スーパー・ジュオは凄まじく、懐かしの(?)ズラッシュ!、『ハイウェイ・・・』(ハイウェイ・スターじゃないよ)のフレーズまで飛び出し、お〜っ、猛烈。 最後は、ジャッキー・マクリーンの『マイナー・マーチ』で大団円。  再度になりますが、やはり、この5人は、この世代では日本最高のプレイヤー達、発する音の広さと深さが違いますね。 ストレート・アヘッドの熱〜い一夜でございました。