☆01年12月 7日(金)於 銀座 The Swing City
  『金子 晴美 セッション』

   
出演: 金子 晴美(vo)、吉岡 秀晃(pf)、佐藤 慎一(b)、岩瀬 立飛(ds)、原 朋直(tp) 

久々にデジカメ(撮影)もメモ(書き)も無しの、『丸腰』ライブ鑑賞です。  偶には、こういうのも良いですね。 (以下の文章には、R指定の表現もありますので、青少年は気をつけて読んでくださいね???)

さて、今宵は、グッと冷え込んだ師走の週末、金曜日。  なんか気楽に、極上のジャズを味わいたい気分です。 完全に場違いな、『鬼瓦権蔵』真っ青の、会社のロゴマーク入りのジャンパーを着込み、気合充分(?)で銀座の街に繰り出しました。 どうだ、参ったか? (誰に言うとんねん?)   不況だ、テロだ、狂牛病だ・・・と世の中“どん底”みたいな雰囲気がありますが、これの何処が不況なんでしょうか? 街は早くもクリスマス・ムード一色で、電飾ギラギラ!  所により、6ヶ月先取りのワールド・カップ・モードで、ビル壁面のビジョンには、スポーツ用品メーカー制作と思しき、トルシェ監督がオドケテ騒ぐプロモーション・ビデオが流れまくっています。  夜7時過ぎだって言うのに、千鳥足の奴。 ゴージャスに着飾ったOLさん。  下心見え見えの発情しまくりのカップル。 平和だな、平和だな、平和だな。。。。

さあ、そうこうするうち、やって来ました、銀座 The Swing City。  今夜の出演は、80年代から日本のジャズ・ボーカル界の人気/実力のトップに立つ一人、金子晴美さん。  実は、ライブで聞かせてもらうのは初めてですが、80年代初頭、FM東京のラジオ番組の司会を晴美さんが務めていた頃、その美声を毎日聞かせてもらっていたので、とても思い入れがある方です。  そして、共演のピアノは、ファンキーの塊(?)、吉岡さん。 それに、新作『ピノキオ』を発表したばかり、最近はクラシックにも挑戦して大活躍中の原朋直さん(tp)。  この3トップ(?)の布陣で悪いわけがありません。  お店に到着すると、既にファースト・セットが始まって30分強経っており、晴美さん、そして原さんがステージ前方で熱演中。  店内は、もう殆ど満席、と言った状況でしたが、なんとか後方に一席ゲット。  店内を見回すと・・・、いやあ〜〜〜〜、ネクタイ族のオヂサマの多いこと多いこと。  昨今、ジャズ・ライブの店内は圧倒的に妙齢の女性ファンが多いのですが(出演者が女性であっても)、これだけオヂサマが多いライブも珍しい。  晴美さんの人気を改めて見せ付けられた感じがします。

ライブは、『スイングしなけりゃ意味ないね』や、『ジー・ベイビー・・・』等、お馴染みのスタンダードを中心に進行。 山の手の奥様といった感じの晴美さんは、とっても良い感じで、変な例えですが、こんなお母さんが授業参観に来てくれたら、嬉しいだろうなあ(???)と思うことしきり。 朗らかに、若々しく、チャーミングですねえ。  ボーカルも、TVやラジオを通して知った20年前の美声に、良い意味での年輪が加わり、も〜〜〜〜、上手いの上手くないのって、堪らんですわ〜。  広くない店内に合わせた、絶妙の声量コントロールは抜群。  原さんも、以前の吹きまくる印象から脱皮した感じで、晴美さんに合わせて、なんとも言えないボリューム制御と唄い回しを披露して、これまた、も〜〜〜〜、堪らんです〜〜〜〜。  その上、ピアノの吉岡さんが、これまた最高で、あのお馴染みの『百面相』といった、表情の豊かさと共に、エンドレスにスイング!  自分で巻き起こすスイングの津波に、乗りに乗って、それ以上の津波を呼び起こす、ウルトラ波乗りジョニー状態に突入。 ひゃあ〜〜〜、こりゃ、も〜〜アヘ、アヘ、堪らないぞえ〜〜〜〜。  と言う事で、久々に服を脱いでスッポンポンになっちゃいたい程(?)、エキサイトさせてくれる、凄いライブとなりました。

セット間の休憩時間、何気なく、お客さん同士の会話を聞いていると、どうやら『晴美追っ駆け』といった、コアなファンのオヂサマが多いようで、なるほど、今宵の晴美さんの素晴らしいパフォーマンスを聴けば、見れば、追っ駆けたくなるのも分かります。  セカンド・セットは、先ず、カルテットで2曲、『4月の思い出』と『恋とは何でしょう?』。  吉岡さんと原さんは、ここでも完全に絶好調で、も〜〜〜行きまくります。  ベースの佐藤慎一さんを聴くのは、もの凄く久しぶりで、気が遠くなる程の昔に(?)、木住野佳子さんのトリオのライブで聴かせて貰ったことがありました。  その時は、殆ど印象に残らずに、当夜も期待してなかったんですが(ゴメンナサイ)、これが悪くありません。  なんとなく、フュージョンっぽいフィールドでの活動が多いのかな、という感じも今までしていたのですが、当夜のような4ビートのセッションでも堅実なサポートを聞かせてくれ、ソロもそれなりに聞かせ、なかなかやりますなあ〜と感じました。  ドラムは、当夜の面子では異色のタッピーさんでしたが、やはり予想通りに異色でした(爆笑)。  勿論、タッピーさんの凄さは色々なバンドを通して100も承知ですが、こういうセッションでは、やっぱり可哀想ですね〜。 この人のドラミングは、あくまでもパーカッション的な所が強くて、ストレート・アヘッド・ジャズでのドラムの役割・・・合奏の根幹を構成する・・・は担えないですね。  どうしても『装飾的』になってしまいます。 当夜はドラムよりも、吉岡さんの左手の方が頼りになります。  ということで、ゴメンナサイ、当夜は、タッピーさん抜きで演奏を聴きます(!)。  いい加減ライブ鑑賞の数をこなして来ますと、聴きたくないものは除外して聴く・・・ということが出来るようになってきたから不思議ですよ(笑)。  ちょっと不遜な言い方で、恐縮ですが、今宵はスッポンポンになりたいほどに、ライブに酔い、酒に酔っているので、お許しください。

さあ、セカンド・セットも、いよいよ晴美さんの登場となり、店内大喝采。  『ドゥー・ユー・ノウ・ファット・イット・ミーンズ・トゥ・ミス・ニューオーリンズ』なんつ〜渋い曲からはじめ、これをジックリ、シットリと歌ってくれて、も〜〜〜、これにはメロメロになってしまいます。  も〜〜〜〜、堪らないです。  それから、『イン・ザ・ウィー・スモール・アワー』や、『ザッツ・オール』といった魅力的な選曲で聞かせてくれます。  いやあ、まあ、やっぱり晴美さん、良いわ、ホントに。  ちょっとハスキーで、それでいて爽やかな唄い回しと、リラックスした高音への展開・・・、これがジャズ・ボーカルなんだよなあ、やっぱり。  エエわ〜〜〜。  店内のオヂサマ・ファンも大興奮で、皆さん、幸せそう。  きっと、皆さん、20年来のファンなんでしょうねえ。  いやあ、でも、追っ駆け続けてきたシンガーが、こんな風に、年輪を重ねて、なおもチャーミングで、そして味わい深いボーカルを聴かせてくれるなんて・・・・、長年フォローしてきた晴美さんのファンは、本当に幸せだろうなあ・・・。  

サード・セットが迫ると、いよいよ店内は超満員となり、補助席が出たり、ミュージシャン控え席も客席に早変わりとなり、居場所を失ったミュージシャンが右往左往(?)。  晴美ちゃん、こっちお出で〜〜〜、等とファンから手招き、声が掛かるなど、なかなかエエ雰囲気です。  サード・セットは、バンドで『オール・ブルース』、そして、『フォー・オール・ウィ・ノウ』を演奏。  特に後者での原さんの唄心は抜群に素晴らしく、いやはや、降参、脱帽、白旗・・・。 原さん、凄いわ、マジで、やっぱり、素晴らしい!!!  吉岡さんも、堪らんなあ〜。  

ここで、晴美さんの登場となり、かなり僕も酔っ払い始めたので、なんの曲をやったかハッキリ覚えてないんですが(!)、エリントンの『キャラバン』でミディアムに、ネッチョリとスイングしていったり・・・って、これはセカンドだったか?・・・・、トム・ジョビンの名曲、『サムワン・トゥ・ライト・アップ・マイ・ライフ』・・・・って、これもセカンドだったかも???・・・・等、やっていたような気がします。 

そんなこんなで、盛り上がりに盛り上がって、ライブは終了。 あ、最後に、メル・トーメの『クリスマス・ソング』をやったような記憶があります。 これ、良い曲ですね、本当に、大好きです。  スンバラシイ歌唱と演奏に酔いに酔いまくり、なんとも幸せな気分で外に出ますと、グッと冷え込んで居ました。  でも、ホクホクと、なんとも幸せな気分なんだな、これが。  そういうわけで、銀座の街行く、アベックの若人達にも妙に暖かい気持ちになっちゃって、声こそ掛けませんでしたが、心の中では、『若者よ、発情せ〜、発情! そうやって、君等が発情すればするほど、ゴムやクリネックスの使用量もアップして、景気も刺激されるじゃろう! これぞ、“快感を伴う、経済構造改革”じゃい!』と叫ぶことしきり。  ああ、ヤダねったら、ヤダねえ〜〜〜。

・・・と銀座のお洒落なジャズクラブ帰りとは思えない、『新橋ガード下』っぽい状態での帰路となりましたが、皆さん、ジャズ・ライブって本当に良いですよ。  やっぱり、こいつだけは止められそうもありません。 さあ、貴方も、どうぞライブ漫遊でお楽しみ下さいね。