
☆01年12月28日(金)於 吉祥寺 赤いカラス
『仲宗根かほる&フレンズ』
出演: 仲宗根かほる(vo)、増根哲也(b、arr)、野口久和(pf)、岡田朋之(ds)
ファースト・セット
@バイ・バイ・ブラックバード(トリオ)、A中国行きのスロー・ボート、Bパパはマンボがお好き、Cギブ・ミー・ア・シンプル・ライフ、Dディプシー・ドゥードゥル
セカンド・セット
@イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ(トリオ)、Aタイトル不詳、Bユア・ドライビング・ミー・クレイジー、Cウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート、Dタイトル不詳、Eゾー・ズウェル〜ハウ・ハイ・ザ・ムーン
サード・セット
@星影のステラ(トリオ)、Aディス・タイム・ドリームズ・オン・ミー、B嘘は罪、Cヴァニティ、Dイフ・アイ・ワー・ア・ベル、Eバイ・バイ・ブラック・バード
12月初めの『新宿J』での渡辺匡彦4のライブの際、野口久和さんから、これから仲宗根かほるさんとの共演が増える、との話しを伺い、とても興味を持ちました。 仲宗根さんと言えば、97年にインディーズからCD2枚を発表後、2000年にはメジャー・デビュー。 2001年はメジャー第2弾『パパはマンボがお好き』を発表。 40〜50年代、往年のスイング・ジャズの世界を現代に継承することを目指して、独自の活動を続けるシンガーです。 野口さんも古い歌モノなどを得意とされているので、これは、きっとバッチリの相性で、良いライブを聴かせてくれること間違いなし! という事で、早速、その初共演となるライブ@赤いカラスにお邪魔しました。
当夜は、大半の企業で仕事納めにあたり(僕自身もそうでした)、店内は会社帰りのサラリーマンのお客さんを中心に、仲宗根さんのファン(追っ駆け?)と思しき方々で満席の状態。 共演のトリオのリーダーは、自己のオーケストラ、RAP(Real Acoustic Performance)やニューハード・オーケストラで活躍中の増根さんで、ベースだけでなく、アレンジも担当しているとの事。 ピアノは前述の通り、野口さん。 そして、ドラムは、初めて聴かせて貰うプレイヤーでしたが、岡田さんという布陣。 ボーカルが入る前にトリオで一曲演奏され、すぐさま御機嫌なスイングで楽しませてくれます。 増根さん、野口さんのスイング感は勿論抜群で、そして、特に注目されたのが、ドラムの岡田さんのブラシさばき。 年齢不詳という感じなのですが(多分、まだ若手〜中堅?)、久々に良いブラシが聞けたな、という印象を持ちました。 後々に仲宗根さんも同様のコメントをMCで語っていました。
さて、いよいよ、仲宗根さんの登場となり、店内ヤンヤの喝采。 4年前の阿佐ヶ谷ジャズストリートで聴かせて貰って以来なのですが、その時はデビュー直後ということ、又、超ベテラン・ジャズメンとの共演だったこと等の影響があったのか、年齢のワリには落ち着きすぎてるなあ、という印象が正直ありました。 ところが、当夜は気心知れたメンバーとの共演、しかも多くのファンの熱気ムンムン、という好条件が揃った為なのか、兎に角、元気イッパイ。 『コミック・バンドと思われちゃう〜』と言いつつも、尚更にお笑い路線に突入していく(?)、増根さんや常連ファンとの遣り取りが爆笑を誘います。 勿論、肝心のボーカルの方もお見事。 セット・メニューを御覧の通り、昨今あまり取り上げられる事が無い、渋い曲の数々を、しかも増根さんの『通好み』に難しい(?)アレンジで歌っていきます。 コケティッシュでいながら、エッチっぽくはなく、それでいてオジサマ達が思わずハリキッテしまいたくなる(?)、小悪魔っぽさも持ち合わせた、なんとも魅惑的なボーカルです。 ボーカルは『独学です』と言う仲宗根さんは、いたずらにテクニックや迫力で聴かせるタイプではありませんが、早口のような高速なパッセージも難なく歌い、観客の心をスイングさせます。 彼女のボーカルは、スイングしながらも、ユッタリと『楽曲』の流れを捉えているなあ〜、と思わせる『余裕』を感じさせくれ、そのディクションは『歌おうとしているもの(楽曲)と自己の音楽の一体化』が図れている事を物語っています。 一聴すると『カワイコちゃん風』なボーカルかも知れませんが、実は『根性焼』が刻印されたような(?)、底辺には相当に強固なものがあるようです。
仲宗根かほる(Vo)
セカンド・セットでは、スインギーな歌唱だけでなく、美しいバラッド曲『ウィズ・ア・ソング・イン・マイ・ハート』を繊細なボーカルで聞かせてくれます。 歌詞とメロディをジックリと噛み締めながら歌っていきますが、モタった印象は皆無です。 聴く者の心にシッカリと足跡を残しながら、同時にスーッと気持ち良く流れて行く爽快感もあり、これは当夜のライブでも白眉の歌唱となりました。 サード・セットも渋い選曲が続きます。 仲宗根さんが、いつかアルバムで歌いたい、と言う、ビバリー・ケリーの隠れ名曲『ヴァニティ』は、これぞ『通好み!』と叫びたくなる、『通道一筋、百万光年』のような(?)選曲、歌唱、演奏の三位一体! これは、本当にお見事でした。 アコースティックに拘った増根さんのベース、有名曲のフレーズを挿入してニンマリさせる野口さんのピアノ、そしてスキンヘッド同様にブラシが光る(?)岡田さんのドラム、とトリオも素晴らしく、この『仲宗根&増根ユニット』(?)は来年、益々の活躍が期待されます。
増根 哲也(b)
野口 久和(pf)
岡田 朋之(ds)