伊勢秀一郎バンドLIVE
@上野アリエス(3月20日)
伊勢 秀一郎(tp、flh)・二村 希一(pf)・増根
哲也(b)・藪 紀子(vo)
伊勢秀一郎(tp)
藪紀子(vo)&二村希一(pf)
ファースト・セット
@オール・ブルース、Aバイ・バイ・ブラックバード、Bアイ・フォール・イン・ラブ・トゥー・イージリー
Cアイ・キャント・ギブ・ユー・エニシング・バット・ラブ(以下 with vocal)、Dバット・ビューティフル、Eデイ・バイ・デイ
セカンド・セット
@ライズ、Aスウィンギング・イン・ザ・ヘブン、Bホエン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス
C嘘は罪(以下 with vocal)、Dクライ・ミー・ア・リバー、Eコパカバーナ
サード・セット
@星に願いを、Aソーラー、Bマイ・ワン・アンド・オンリー・ラブ(pf&bデュオ)
Cユード・ビー・ソー・ナイス・トゥ・カム・ホーム・トゥ、Dラバー・カム・バック・トゥ・ミー、Eルート66
『伊勢さんを勝手に応援するページ』をやらせて貰っておきながら、『伊勢バンド』のライブを聴かせて貰うのは、これが初めて・・・という罰当たりな状態でして、どうもスイマセン。。。
さて、当夜のお店、『アリエス』は、上野(御徒町)の歓楽街(享楽街?)の真っ只中で、【根が嫌いじゃない】(!)僕としては、結構、ワクワクしてしまいながら、到着(笑)。 店内は、どうでしょうか、12〜3畳くらいのスペースで、インティメイトなムードを演出するには丁度良い感じがします。
伊勢バンドのメンバーは、先ず、伊勢さんが『こんな綺麗なピアノを弾く人は他に居ないのでは?』と評する、素晴らしいピアニスト、二村希一さん。 二村さんは、西荻『アケタの店』での自己バンドの活動の他、『松尾明テイク10』(ここでも伊勢さんと共演中)等で活躍。 又、マーサ三宅さんはじめ、多くのシンガーから最も愛されているピアニストの一人でもあります。 ビル・エバンスのような、洗練されたハーモーニー感覚と美しいタッチ。 そして、そのベースに流れる、端正なビ・バップの風味。 バップと言っても、過度な『黒さ』はなくて、バリー・ハリスのような洒落た感じがします。 ピアノの響かせ方が本当にステキです。 サード・セットでは、伊勢さんの発案で、二村さんをフィーチャー。 増根さんとのデュオの『マイ・ワン・・・』は、絶品でした。
続いて、ベースですが、普段は吉田桂一トリオでもお馴染みの佐々木悌二さんが担当しているところ、今宵は、増根さんです。 増根さんは、自己のビッグ・コンボ、『RAP』の活動や、『ニューハード・オーケストラ』への参加でも知られています。 又、最近は、ボーカルの仲宗根かほるさんのバンドのリーダー、アレンジャーとして活躍中です。 (詳しくは、こちらの仲宗根さんのLIVEレポ参照)
増根さんのプレイは、本当にアーチスティックと言うか、『ベースで音楽という物語りを吟じている』と思わせるものがあります。 ダイナミックであり、尚且つ、繊細さも感じさせてくれるところが、堪らない魅力です。 当夜はドラム・レス編成ですが、増根さんのベースのお陰で、ステージ上の演奏に厚みと広がりが出ていたように思います。
そして、伊勢さんが『当バンドの専属シンガーです』と言ってフィーチャーしていたのが、藪紀子さん。 藪さんは、僕も大好きなシンガー、三槻直子さんのお弟子さん、とのこと。 三槻さん譲りのボーカル・テクニック&センスを感じさせてくれます。 ちゃんとしたボーカル・レッスンを修得したシンガーの方の歌は、聴いていて直ぐ分かるものですが、中には身につけた(身につけかけた)テクニックに振り回されちゃっているような人も居ます。 藪さんは、そういった人たちと違って、テクニック&センスをシッカリと掴んで、そして『楽曲』の『姿』を的確に捉えて(把握して)歌われているように感じました。 余談ですが、最近、シンガーにとって大事なことって、『表現する力』よりも、『把握する力』でないかな、と思えて仕方ないんです。 一般的に『上手い』と言われているシンガーでも、『この人、なにを把握して歌っているんだろう?』と思わせる人も居ますから。
最後に肝心の伊勢さんですが、ファースト・セットでは、敬愛するというマイルス愛奏曲を3曲演奏。 マイルスをリスペクトしているトランペッターは多いですが、伊勢さんのステキなところは、40年代後半から50年代中頃のマイルスに通じる、味わいと温もり、ロマンチシズムとタフネスを感じさせてくれるところです。 セカンド・セットは、ハーブ・アルパートのヒット曲(懐かしい!)から始まって、ブランフォード・マルサリースのオリジナル、そして、サッチモのブルージーでレイジーな世界と多彩に展開。 サード・セットは、ワルツタイムの珍しいアレンジで『星に願いを』。 そして、マイルスの『ソーラー』は、正に、あの50年代前半のオリジナル録音の『肌触り』を彷彿とさせる、なんとも言えないものを感じさせてくれ、二村さんとの熱い会話もアグレッシブで、凄かったです。
声高ではなく、シッカリと味わい深いものを感じさせてくれるライブで、とても気持ちの良い夜となりました。 これからも、男性イセラーの端くれとして(?)、応援させて貰おうと思います。