
| 日時 | 会場 | 出演 |
| 02年5月20日(月) | 吉祥寺・赤いカラス | 上西千波(vo)、椎名豊(pf)、上村信(b) |
ファースト・セット:@煙草が目に染みる、Aイン・ウォークト・バド(以上ピアノ・デュオ)、Bフィール・ライク・メイキング・ラブ、Cサニー、Dエブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー、E誰も知らない私の悩み、Fストーミー・マンデイ
セカンド・セット:@ファッシネイティング・リズム、Aアイル・クローズ・マイ・アイズ(以上ピアノ・デュオ)、Bビギニング・トゥ・シー・ザ・ライト、Cグッドバイ・ポーク・パイ・ハット、Dナイト・アンド・デイ、Eカム・サンデイ
昨年から何度かライブを聴かせて貰っている広島出身のボーカリスト上西さんが、あのピアノの椎名さんと共演する、とのことで、吉祥寺・赤いカラスへ行ってきました。
ステージは、先ず、椎名さんとベースの上村さんとのデュオ演奏で2曲。 椎名さんのプレイを聴かせて貰うのは、恐らく1年半ぶりくらい。 いつものように、切れのあるスリリングなスイング感溢れる演奏を予想していると、なんとオープニングは、グッと心に染み入るバラッド、『煙草が目に染みる』からスタート。 様々な想いを、忘却の彼方へと送り出すかのように、深く吐き出された煙草の煙・・・。 放たれる一音一音が、まるで呼吸をしているような、深さと柔らかさを持ったピアノの打鍵には、聞き惚れてしまいます。 こんな風に弾いて貰える『曲』は幸せです。 2曲目は、椎名さん得意のモンクのナンバーから『イン・ウォークト・バド』が聴け、思わず両足がバタつき、肩が揺れてきてしまいます。
さあ、ここで、ボーカルの上西さんが登場。 ファースト・セットは、『エブリシング・ハップンズ・トゥ・ミー』のみが所謂ジャズ・スタンダードで、ポップス曲が中心のステージとなりました。 上西さんの歌声は、他のシンガーには無い、非常にユニークなものがあります。 なかなか言葉では表現し難いのですが、小柄な体型に似合わず、タップリとした太目の声質で、所々聴かせる、フレーズをグーッと飲み込むかのような、ディープな表現もユニークです。 当夜取り上げられたようなポップスやブルースの選曲は、そのユニークさを活かすのに最適だと思えます。
セカンド・セットも、椎名さんと上村さんのデュオ演奏から始まり、ピアノとベースのスリリングな競演が聴けた『ファッシネイティング・リズム』、そして、再び心にグッと迫ってくるバラッドが聴けました。 椎名さんの演奏は、本当に久しぶりだったのですが、やっぱり良いなあ、流石だなぁと痛感。 是非、又、ピアノ・トリオのライブにお邪魔してみたいと思います。
この後、上西さんが再登場し、彼女が石井彰トリオと入れたデビューCDでも聴けたミンガスの『グッドバイ・ポーク・パイ・ハット』等、ジャズ曲中心のステージとなりました。 前述の通り、上西さんは、非常にユニークなものを持ったシンガーで、今後、東京のジャズ・シーンで注目の存在となっていくでしょう。 只、好みの問題でもありますが、もう少し、歌に良い意味での『エゲツナサ』、『奔放さ』が欲しい、という感じもします。 他のシンガーにない個性を、もっと、もっと押し出して、ワン&オンリーなシンガーとして、今後も活躍して欲しいと思います。
椎名 豊(pf)