LIVE偵察日記
November,2000
☆11月 19日(日) At 国立 音楽茶房 『奏』
中牟礼 貞則(g)、宮野 裕司(as)、伊勢 秀一郎(tp、flh)+ゲスト 塩本 彰(g)
まさに「灯台下暗し」・・・、我が自宅から徒歩7分にあった、素敵な穴場「音楽茶房 “奏”」。 以前、ボサノバの中村善郎さんが、ご自身のHPのライブ・レポートで、ここでのライブについて書かれたいたのを見て、場所だけは確認していたけれども・・・。 「偵察」は、先ず、地元からすべし!ってか?
さて、ライブの方は、やはり御近所に在住されているらしい、アルト・サックスの宮野さんのMCとともにスタート。 先ずは、伊勢さんとのデュオで“Alone Together”。 開演前の店内は、全国から駆けつけた(?)イセラーに加え、お店の常連さんで膨れ上がり、熱気ムンムンだったが、この味わい深い、なにか「静寂の音」を思わせるデュオの演奏に、静まりかえる。 仄かな照明に浮かび上がる、壁に飾られた小さな猫ちゃんの絵や、静物画が印象的だ。 ホノボノとした雑談のようなデュオの掛け合いは、徐々に熱を帯び、深遠な世界を展開する。
つづいて、ギターの大ベテラン、大御所、中牟礼貞則さんが加わる。 伝説の「銀巴里セッション」から、トップ・ギタリストとして、又、渡辺香津美をはじめとする後進を育成する教育者として、日本のジャズ界を支えてきた重鎮だ。 「ギターは世界一小さいオーケストラ」と言われるが、正にオーケストレーションを思わせる広大な音世界で2管をサポート。 そして、ギターという楽器の全てを熟知し尽くしたかのように、隅から隅までの音を、しかし決して押し付けがましくなく繰り出すアドリブ。 熟成されたギタープレイで、有名スタンダードの数々を紡ぎ出す。
途中、飛び入りでスペシャル・ゲストが登場。 (やはり近隣在住か?)ライブに立ち寄ったギタリスト塩本彰さんが、中牟礼さんの楽器を借りて加わる。 1曲だけのつもりが、中牟礼先生から「もっと、やって」の厳しい(?)宿題。 中牟礼さんに比べると、ちょっと「硬め」のギター・サウンドだが、そのあたりは「ロック音楽」をはさんだ世代差か? 二人の素晴らしいギタリストを、こんな至近距離で続けて聴ける機会も珍しい。 伊勢さん、宮野さんとの掛け合いも、スリリングだ。
まさに「絵になる」といった感じの中牟礼貞則さん。
「全身ジャズ・ギタリスト」とでも呼べば良いか?
終演後、少しだけお話しさせて貰うと、来年早々に若手の江藤くん(ds)を
抜擢したトリオでCDを発表するとのこと。 「ジャケットも含めて、自信作だよ!」
と力強く語ってくれた。 なんとも頼もしいではないか!
ポール・ウィンターを思わせるクールな宮野さんのアルト。
そして、クラーク・テリーのような渋味を聞かせる伊勢さんのトランペット。
ジャズの旨味満載の、これぞ真のゴージャス!
尚、この「奏」、隔週日曜日に開催されるライブは、面白いことに、飲食代以外のチャージなし。 但し、終演後にザルが客席に回されるので、「カンパ」をその中に・・・。 なんと、これがミュージシャンへの「志」(?)となるとのこと。 当夜は、まさに、「ありがた〜い」と拝みたくなるようなライブ演奏で、思わず奮発して・・・・とは、なかなか行かなくて、ゴメンナサイ・・・・。 12月中旬には、中村善郎さんが出演されるそうなので、是非また、国立の夜道を歩いて偵察に行ってみたいものだ。