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思い返してみれば、ヒーローは音楽好きだった。 きっと邪魔になるだろうに、ギターを背負って旅する「人造人間キカイダー」ジロー。同じくギターを持った「怪傑ズバット」( 元ネタの「ギターをもった渡り鳥」は見ていないので、横に置いといて)。「キカイダー01」イチローは、トランペット。ついでに言うとキカイダー兄弟の末っ子、ハカイダーのサブローは口笛。敵役のギル博士は杖兼用の横笛を愛用していた。 そして、『宇宙海賊キャプテンハーロック」のオカリナ。
一番最初に覚えた曲がアニメの中で奏でられていた「マユのテーマ」という曲である。 実はギターにも挑戦したことはある。小学生のころ、叔父がギターの組み立てキットをくれたので、組み立ててしばらく練習していた。残念ながら、いっこうに上達せず、ほどなく放り出してしまった。しかし、今でもギターは憧れだ。長じてから、ギターをよくする友人と数人知り合ったが、非常にうらやましかった。 ほかにもいろいろ興味をそそられる楽器はあるが、その傾向を考えてみると、どうも「ヒーローがもっていそうな楽器」が好みらしい。そして、ヒーローが持っている楽器は、だいたいが携帯しやすく見えるもののようだ。あくまで「見える」のであって、実際に携帯しやすいかどうかは別問題である。 いくら携帯しやすいといってもアルト笛はヒーローに向かない。だから、学校で習ったのに(あるいは学校で習い、笛のテストという嫌な思い出があるためか) あまり食指は動かない。ハーモニカも、携帯しやすさでは、一二を争うだろうが、やはり学校で習ったためか、興味がわかない。 こうしてみると、携帯しやすく、学校では習っていない楽器に目が行くようである。そして、実際に手に入れるのは、どちらかといえば素朴な楽器が多いようだ。
笛をつくるために穴をあけるというのは、実ははじめてのことではない。小学校のころ、ある季節になると毎日のようにやっていたことであった。 秋になると通学路には、どんぐりが落ちていた。丸々と太ったどんぐりを拾い、とんがり頭の部分に名札の裏についているピンで穴をあける。穴をひろげて、中身をすっかり出してしまうと、笛のできあがり。下唇の下に笛を当て、唇を細めて吹くとボーッと音がする。考えてみると、これは横笛などと同じ吹き方である。 最近、とみに有名になった宮崎駿監督のアニメーション作品の一つ「となりのトトロ」の中で、トトロが夜中に木のてっぺんで笛を吹く場面がある。それを見たとき、その笛はどんぐりの笛だと思ったものである。 ふさぎながら、「よく漫画なんかで、横笛を吹き矢にして敵を倒す場面があるけど、片方をふさいでしまったら吹き矢にならないな」と思う。
笛の手入れは、くるみ油か椿油を笛の表面に塗るそうで、近くの薬局で椿油を買う。塗ってみると、ちょっとベタつくがつやが出た。なかなかのものである。
どんぐり笛をつくっていた頃よりは成長していなければならない。作っただけで放り出さず、なんとか演奏もできるようになりたい。 笛を購入したところにも教本は売っていたが、郷文協(郷土文化協会)でしの笛教本ならびにテープ、そしてオカリナの楽譜も売っていたので、ここでしの笛入門用の教本とテープとオカリナの楽譜を購入する。 実は楽譜はあまり読めない。示す音はわかるが、音の長さがピンとこないのだ。したがって、リズムがわからない。知らない曲の楽譜をみても、その曲は吹くことが難しい。だから、お手本のテープのあるしの笛教本を手に入れたのである。 とりあえず、道具だては完璧だ。あとは、このものぐさ者がどこまで音楽に近づけるか、である。 ……期待はするまい……。
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参考
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「横笛の邦声堂」 |