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2008年2月19日
『新情報センターの方々に教えてもらいたいものがあります。平成13年度 捕鯨に関する世論調査について』
平賀教雄氏からの投稿

捕鯨の議論に関しては、どうしても情報の出所が限られているため、「官製」の主張を支持するものが多いようです。場合によっては、出所も正確に言えるような受け売りも少なくありません。
それから、「食べたい」という思いが強いためか、私どものところで受け取るメールは「食わせろ」というようなものがほとんどです。
そんな中で、個人の方が、「官製」情報の行間を見事に読んで、正鵠を得たご意見を寄せてくださいました。
私どもにとどめるのはもったいなので、ここにご紹介させていただきます。


http://www.jfa.maff.go.jp/whale/document/publicpoll2002JP.htm
に掲載されている世論調査結果にはなかなか興味深いものがあります。


第一番目の関心事は母集団とサンプリング
層化2段階無作為抽出法で5,000人のサンプルを得たとしています。このことは無作為抽出を許すデータベースが存在していたことを意味しています。調査員による面接聴取が調査方法であったということです。このことはサンプリング後にターゲットの住所、氏名が分かったということを意味しています。そればかりではありません。5,000件(人)のサンプルは20歳以上だとしています。このことは対象者のうち19歳以下を予め除外できた(専門用語ではフィルターをかけた)と受け取ることができますから、データベースには年齢情報も含まれていたのです。全国民を含んでいて、19歳以下を除外ができて、プライバシーの侵害をすることなく、住所、氏名そして年齢の個人情報が得られるような全国民を包含する単一の母集団−データベース−は何処に存在していたのでしょうか?調査が行なわれた年には住民基本台帳のデータベースの試験運用が始まった年ですが、これが使われたのでしょうか?このデータベースは本人以外にはアクセスできないことになっていますが。
サンプリングされた5,000人のうち男性は48.98%、女性は51.02%でした。総務省の人口(推計)統計によれば、捕鯨に関する世論調査が行なわれたとされる平成13年度の男女比は、48.9%対51.1%です。人口推計の数値とサンプルされた集団の特性地の見事な一致です。5,000人のサンプリングをすれば母集団(全国民データベース)とのこの程度の正確な一致があることは不思議では無いことです。逆に言えば母集団として使用されたデータベースは(本当に存在していたのだとして)日本全体の人口構成を正確に反映するもの、しかも住所の変更、死亡などによる消滅など変化項目がその都度施されて常にアップデートされていないと、信頼できる母集団として使えません。このように素晴らしいデータベースは何処にあったのでしょう。


サンプル数の多さと、手間のかかる面接調査にかかわらず11日間という短い期間で調査が終了した。
調査対象になった者の大半は仕事を持っています。だから彼らに接触するには仕事時間以外の時間帯を使わなければなりません。接触可能なのは夕刻以降夜になります。ここはあらゆる家庭において忙しい時間帯です。調査のための訪問時間はこのように限定されていたのです。なおかつ質問項目の複雑さとその多さからすれば調査には1時間かそれ以上かかったことでしょう。全ての人に一回だけの訪問で本人にリーチできたなどということは考えられません。その上調査は忙しい師走の中から末に行なわれました。これらのことは、調査員一人は日に一件程度以下の調査しかできなかったことを意味しているでしょう。接触できなかった人と拒否した人以外の、3,453人の多くはこのような時間帯の調査に親切に応じている(ことになっている)。このような状況の中で(見ず知らずの調査機関からの怪しい者かもしれない訪問者にもかかわらず)調査拒否は12%しかなく、高々11日間の間に5,000人もの対象者の調査を完了させるには11日の調査期間に渡って1,000人近くの調査員を一時に動員する必要があったでしょう。総額一億円を超える費用になります。本当にそんなことができたのでしょうか。


使われたと推定されるデータベースの素晴らしさは調査不能件数1,547サンプルの内訳に現れている。(私に言わせれば「語るに落ちる」)
5,000人の選ばれたサンプルの中で住所不明だったのはたったの34件、0.7%にしか過ぎなかったのです。このことは、情報の随時更新という意味において如何に素晴らしいデータベースが存在していたかを表しています。もしかすると地方自治体が保有している住民票よりも余程正確なものなのではなかったでしょうか?こんな素晴らしいデータベースを作成しメインテナンスをしている組織があったのです。同じ官僚の仲間内、社会保険庁にデータベースの作り方とメインテナンスの仕方をどうして教えてあげなかったのでしょう。
しかしながら国民の住所、氏名、年齢などの個人情報は地方自治体が保管している住民票から取らないと、(この調査期間が使ったかもしれない)データベースを作り上げることができない。はてさて・・・・魔法は何処に?
調査不能件数内訳


日本人の大半は無用心だ。あるいは自分のプライバシーに関する意識が全く無い。
姓名、年齢、住所と共に職業も付随している全人口をカバーする個人データベースなど日本には存在していないでしょう。だから調査対象者の職業は聞き取りで集めるしかない。
ところが有効回答を寄せた人は全て自分の職業を調査員に話している。会ったことも無い、信頼できるかどうかわからない見ず知らずの赤の他人に自分のプライバシー情報を例外無しに開示している。
日本人が例外無しにこれほど無用心だとは知らなかった。
サンプル数


日本人は捕鯨問題、特にIWCについて非常に詳しい、驚くべき程の知識を持っている。


有効回答数−3,453人−の内、実に44%の人がIWCを知っているばかりではなく、その目的まで知っているという。このことは、日本人10人中4人以上がIWCの目的を知っていることを意味しています。

IWCに関しては大半の人が、稀にしか報じられないのにもかかわらず、しかも水産庁の交渉官である森下丈二さんが“表面的で歪曲した報道しかない“という新聞(60%)、TVラジオ(94%)から情報を得たというにもかかわらず一般の人たちの半数近くがこれだけの深い、鯨研の人しか持っていないような知識を持っていることは私にはとても信じられない。この様子だともっと話題性があって、頻繁に報じられている年金とか税金のように自分たちの身近なことに対しては大半の日本人はその歴史も含めて、又正しい数値情報を含めて、その現状に対して極めて深い知識を持っているに違いない。


こんなことで驚いてはならない。日本人の捕鯨問題の知識の深さはめったに語られることの無い捕鯨の歴史的事実にまで及ぶ。
かつて,一部の国々により大型のクジラの捕獲が盛んに行われた結果,20世紀前半を中心にシロナガス鯨やナガス鯨などの一部のクジラの資源量が減少した事実があることを知っているか聞いたところ,「知っている」と答えた者の割合が76.4%,「知らない」と答えた者の割合が23.6%となっている。
としている。

有効回答数の76.4%です。このことは、サンプルが(建前の上では)母集団(日本人全体)を正確に反映していると判断されることから、一般の日本人は10人中8人近くまで過去の捕鯨の歴史に深い知識を有していること、資源の減少は日本ではなく外国にその責任があると認識していることを意味している。この伝で行くと日本人の誰でもが知っている歴史上の有名人である西郷隆盛が何歳のときに何処で何をしているかまでの深い知識を日本人の大半は持っているでしょう。マイナーな話題に対してこれだけの深い知識を持っていることですから。とても信じられないことですが。


まだまだ驚きが続く、
クジラ資源の適切な保存と有効利用を目的とする国際捕鯨委員会の活動の一環として,国際捕鯨委員会は,毎年,日本より調査船の提供を受け,南氷洋においてクジラの生息状況の調査をしていることを知っているか聞いたところ,「知っている」と答えた者の割合が55.1%,「知らない」と答えた者の割合が44.9%となっている。
のだそうです。

日本人の10人中5人以上が、いわゆる調査捕鯨が国際捕鯨委員会の活動であると知っているのです。この点に関して少なくとも私は日本人である適格性に欠ける疑いがある。


これも日本人の捕鯨に関する知識水準の尋常一様ではない高さを示していますよ
クジラの生息状況の客観的な調査の結果などをもとに,国際捕鯨委員会の科学委員会では,南氷洋にはミンク鯨が76万頭以上生息していると1990年に推定しており,その増加能力等から毎年2000頭捕獲しても資源に大きな影響を与えないと1992年に算出しているが,そのことを知っているか聞いたところ,「知っている」と答えた者の割合が24.2%,「知らない」と答えた者の割合が75.8%であった。

日本人の4人に一人は南氷洋にミンククジラが76万頭いて、毎年2,000等捕獲しても資源に影響を与えないということ、これだけの深さの知識を持っているということは尋常一様ではありませんよ。とても本当だとは思えない。


知識の深さは日本における捕鯨の歴史・文化の質問に対しても如実に現れている。

骨は肥料としてまで利用されていたこと“を知っていたのは日本人の10人中6人、”文楽の人形にクジラのひげが使われていた ”のを知っているのは日本人の10人中3人。私はからくり人形の中にぜんまいの代わりに使われていたことは知っていましたが。多分「クジラが日本文化に深く浸透している」ことを示すためには金持ちのおもちゃであるからくり人形ではダメなのでしょう、「もっと文化の香りの高い」文楽が必要であったのでしょう。” 縄文時代から日本人がクジラを利用していた“ことを知っているとするのが、10人中2人まで。などなど、日本人は歴史的事実をふかーく知っている。たいした民族です。ここまでの情報の大半は、この世論調査の冒頭で調査対象になった人はクジラに関する情報を報道機関から得ているとしていますから、森下さんが歪曲していると文句をつけているTVラジオ、新聞などの報道機関を、森下さんは見直さなければならないでしょう。

平賀 教雄
神奈川県在住、男性、64歳
  
IKAN <イルカ&クジラ・アクション・ネットワーク>
入間郵便局私書箱10号
Email: QWP06555@nifty.ne.jp